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古典的な粒子の系

ドキュメント内 E in SM 最近の更新履歴 物理学ノート (ページ 36-39)

質量mの粒子 N 個からなる系を古典的に考える。各粒子の位置座標を r1, . . . ,rN,運動量を p1, . . . ,pN とする と,系の古典的なハミルトニアンH は,粒子間相互作用のポテンシャルをϕとして,

H (r1, . . . ,rN, p1, . . . ,pN)=

N i=1

pi2

2m +ϕ(r1, . . . ,rN) (4.49)

と書ける。

系の古典的状態を指定するには,各粒子の位置座標 r1, . . . ,rN と運動量 p1, . . . ,pN を定めれば良い。すなわち,

6N 次元の相空間*261点Γ := (r1, . . . ,rN,p1, . . . ,pN)によって系の古典的状態が指定される。ここで,古典的な 状態すなわち点Γが量子力学的なエネルギー固有状態に対応し,

”状態Γが出現する重み”∝ eβH(Γ) (4.50) が成り立つと仮定する。逆温度 βでの平衡状態を記述するカノニカル分布において,古典的な状態Γが現れる確率 密度を p(can, β)(Γ)と書くと,系が状態 Γ近傍の微小体積 ∆Γに含まれる確率はp(can, β)(Γ)∆Γとなる。確率密度を全 相空間で積分すると1なので,この確率密度は

p(can, β)(Γ)= eβH(Γ)

∫ dΓeβH(Γ) (4.51)

のように規格化される。ここで,dΓ := d3r1· · ·d3rNd3p1· · ·d3pN は6N 次元相空間上の積分である。この確率密 度より,古典的な分配関数は

Z(β)= 1 N!h3N

dΓeβH(Γ) (4.52)

と書ける。ここで,プランク定数hを使って分配関数が無次元数となるようにした。

問題32.古典的極限でのカノニカル分布の確率密度(4.51)から,マクスウェル・ボルツマン分布

p(MB)(p)= ( 1

2πmkT )32

exp [

− p2 2mkT

]

(4.53) p(MB,β)(v)=

( m 2πkT

)32 exp

[

−mv2 2kT ]

(4.54)

*26Γ空間と呼ばれることもある。

4 カノニカル分布の基本的な応用 36

を導け。(4.54)式はマクスウェル・ボルツマン速度分布と呼ばれる。

問題33.古典的な分配関数(4.52)について考える。

33-1.運動量の積分を実行せよ。またその結果を用いて低温と高温での性質を述べよ。

33-2.上の結果を体積V の立方体に閉じ込められたN 個の自由粒子に適用し,その分配関数を求めよ。

問題34.質量mで角振動数ωを持つ自由度1の調和振動子の平衡状態を古典的に考える。

34-1.分配関数の古典的表記を求め,エネルギーの期待値を計算せよ。

34-2.調和振動子の変位を xˆとして,xˆのゆらぎσ[xˆ]を求めよ。

問題35.N˜ 個の座標変数 x1,x2, . . . ,xN˜,及びそれらに対応する運動量p1,p2, . . . ,pN˜ を持つ系を考える*27。この系の 古典的なハミルトニアンが

H (x1, . . . ,xN˜,p1, . . . ,pN˜)=

N˜

j=1

p2j 2mj +

M j=1

mjω2jx2j

2 (4.55)

と書けるとする。ここでM ≤ N˜ であり,mj は座標xj に対応する粒子の質量を表し,ωj は座標xj に対応する調和 振動子の角振動数を表す。この系の分配関数およびエネルギーの期待値を求め,エネルギー等分配則について説明 せよ。

問題36.一様重力の下にある理想気体の平衡状態を古典近似のもとで調べる。位置座標をr =(x,y,z)とし,

0≤ x ≤ L, 0≤ y ≤ L, 0 ≤ z ≤ H (4.56)

を満たす体積V = L2Hの箱に閉じ込められた質量mの単原子分子を考える。それぞれの粒子間に相互作用はなく,

ポテンシャル

v(r)=mgz (4.57)

による外力(重力)だけが働いているとする。

36-1.逆温度 βの平衡状態における分配関数を求めよ。

36-2.エネルギーの期待値を求め,低温と高温での振る舞いを述べよ。

36-3.箱の高さが無限大H → ∞ではどのようなことが言えるか?

*27対象とする系が3次元中のN個の粒子ならN˜ =3Nである。また2次元中ならN˜ =2N1次元中ならN˜ =Nとなる。

4 カノニカル分布の基本的な応用 37

問題37.単量体と呼ばれる基本単位が鎖状につながってできた長い高分子を鎖状高分子という。これらは炭素の鎖を 骨格にした,長くて折れ曲がりやすい分子だ。「長くて折れ曲がりやすい」という特徴だけを取り入れて,鎖状高分 子のモデルを作る。i =0,1, . . . ,Nという名前をつけたN+1個の質量mの古典的な粒子を考える。i番目とi−1番 目の粒子は化学結合で結ばれていて,両者の距離は,ほぼ一定値l に保たれているとする。それ以外に制限はなく,

この鎖は完全に自由に折れ曲がることができる。

理想鎖

4.6

2原子分子理想気体

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