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受信機からホームネットワーク等への展開に関する伝送制御方式

ドキュメント内 ホワイトスペースにおける (ページ 48-68)

9 伝送プロトコル

9.2 PSI/SI規定

9.2.1 受信機からホームネットワーク等への展開に関する伝送制御方式

8章で定義しているシステムモデルでは、外部デバイスでのコンテンツ受信は、IPDC 受信機の IP受信部で受信処理を行い、

①ファイル処理部へ受け渡しを行い、外部デバイスからそのファイル処理部で蓄積されたコンテン ツへアクセス

②IP 受信部からホームネットワーク等へ IP パケットのまま伝送コンテンツを配信するという方法 をイメージしている。この節では、デジタル放送波に存在するIPDCサービスとIP受信部の外側 へ出力するパケットのIPアドレスの関連付けに関する伝送制御信号に関して検討する。

主に、セクションテーブルを用いた方式とPMTに配置するデータ符号化方式記述子を用いた方 式で検討を行うが、9.2.2.5で記載した未参照方式では、IPDCサービスに関して、TSネットワー ク内に存在するサービスとしての service_id の規定が明確ではない、PMT を配置しないためデ ータ符号化方式記述子を配置できないなど、ここで検討される方式の対象にはならない。未参照 方式で運用を考える場合には別途何らかの取り決めを検討する必要がある。

ARIB で規定されている、IP データキャストコンポーネントと IP アドレスとの関連付けを行う

PSI/SI テーブルには、ISDB-Tmm で規定されている INT と高度広帯域BS放送で検討された

AMTがある。項目9.2.3.1、9.2.3.2で記載するが、AMTはTLVパケットでの定義となっている ため、考え方や内容は参照するが、深く検討はしていない。またINTに関しても検討は行ったが、

現状では地上波には存在しない考え方などを取り入れる必要があり、全体のシステムが複雑化 すると判断した。

フォーラム作業班では、受信機の簡略化などを考慮し、後述する9.2.3.3の、PMTESループに 配置するデータ符号化方式記述子に記載する情報による関連付けを第一候補として検討してい る。しかし、互換性の考慮、国際規格への整合性なども配慮の必要があると考え、この方式に限 定するということではない。

9.2.3.1 INT方式

INT(IP/MAC通知テーブル)V-Highマルチメディア放送で運用されているテーブルで、DVBの

規格で規定されているものをベースに、V-Highマルチメディア放送で運用されている。

IP/MAC 通知テーブル(INT)は、放送番組とそれを構成するIP/MAC ストリームを関連付ける

情報を提供するテーブルである。INT には IP アドレス、TS 識別、サービス識別等の情報が記 載され、関連付けられている。INT に記載されたTS 識別、サービス識別のMPEG-2 TS を選 択することで、目的の IP アドレスのストリームを抽出することが可能となる。MPEG-2 Systems のプライベートセクション(stream_type=0x05)で伝送される。

IPDCフォーラム 49 図9-7 INTを用いたサービス選択の例 ( ARIB STD-B10 図引用)

作業班での検討は、

・INTのPIDの抽出にPATからの流れでservice_id( program_number)を使用している。地 上デジタル放送では、service_idの運用は厳格に規定されており、INT用のservice_idをどう規 定するか

・PAT、PMT、NITをINT抽出に使用していることなど、既存受信機への影響が懸念される。

・データブロードキャスト識別記述子、 【data_broadcast_id】の定義、IP プラットフォーム

【platform_id】の定義など、現在の地上デジタル放送に存在しない概念を定義する必要がある。

など、検討すべき項目が多く存在し、地上デジタル放送の規格拡張が複雑化すると考えた。ただ、

V-Highで運用している、国際規格がベースになっていることなど考慮すべき点も多い。

IPDCフォーラム 50 9.2.3.2 AMT方式

AMT(アドレスマップテーブル)は高度広帯域衛星放送の検討で、TLVパケットに載せる伝送制

御信号として規定されている。

サービス識別子と IP パケットとを関連付ける情報を伝送、IP パケットを、通信回線で伝送され る IP パケットと可能な限り区別なく受信するため、IP パケットのマルチキャストグループの一覧 を提供する。

テーブルの構成はセクションとしてTSに載せることをベースで規定されているテーブルと同様の 構成をしている。以下にTSでテーブル多重した場合の考え方について示す。

IPDC-ES

PMT ULE

AMT

・service_id

-IPadress 関連付け

図9-8 AMT方式のPSI/SIモデル

この方式を検討するには、TLVパケットで規定されているAMTテーブルをTSパケットで使用す ることを規定する必要がある。

IPDCフォーラム 51 9.2.3.3 PMT・データ符号化方式記述子による方式

PMTのstream_typeでIPDCサービスを判断し、ES定義の記述子(PMTの第2ループ記述

子)にデータ放送 ES や字幕 ES などと同様にデータ符号化記述子を使用した方式を検討する。

IPDC 用 の data_component_id を 取 得 し た 上 で 新 た に そ の id に 対 し て additional_data_component_info()を定義する。ここで IP アドレスマップを表現すると同時に、

運用から必要と考えられる記載項目も検討し、additional_data_component_info()を定義する。

A) 【運用方式の検討】

【この方式の意図】

・各種受信機、外部デバイスの処理(連携)の簡素化

・従来の地デジ運用からの変更点の軽減化

【運用方針】

・IPデータキャストを伝送するESは、独立したIPDCサービスで伝送する。

・「IPDCサービス」のサービス識別(service_type)が新規に割り当てる。

・1TSに1つ(あるいは0)のIPDCサービスが配置されたPMTが存在する。

・1PMT内に複数のIPデータキャストが存在できる。(1つのTSに含まれるIPデータキャストは 全て、IPDCサービスのコンポーネントとして伝送する。)

・IPデータキャストはES単位とする。IPDCサービスは最大10ESとする。

・PMTの2ndループ(ESループ)に、IPDC に関するデータ符号化方式記述子を新規に配置す る。

・IPDCストリームのコンポーネントタグ値は、0x90-0x9Fとする。

・IPDCストリームのstream_typeは、カプセル化をULEで行うため、0x91とする。

・IPDCストリームの IP マルチキャストアドレスを識別するために、PMT データ符号化方式記述 子additional_data_component_info()内にIPマルチキャストアドレスを記載する。

・1ES 内で最大 2つの IP ア ドレスを使 用 できる。また、PMT デー タ符 号化 方式記 述子 additional_data_component_info()内に、IPアドレス単位で”IPパケット出力フラグ”(外部出力 可・不可)、”スタートアップ情報伝送フラグ”、”ファイル蓄積可否フラグ”を指定可能とする。

・PMTデータ符号化方式記述子additional_data_component_info()内に、テレビ型サービスと 連動するIPDCストリームでは、連動するテレビ型サービスのサービスIDを記載する。NITへリン ク記述子は配置しない。連動するサービスは複数指定できるようにする。

・ファイル処理部の蓄積プロトコルは FLUTE、ファイル処理部は、PMT データ符号化方式記述 子additional_data_component_info()内で指定されるフラグで”ファイル蓄積可”と指定されてい るIP アドレスに対して、IP 受信部に対して配信要求を行い、デフォルトポート番号(ポート番号は

T.B.D、MAX3)、TSI=0 固定でFLUTE処理を行う。また記述子にFLUTE配信で使用するポ

IPDCフォーラム 52 ート数を記載する。

・PMTデータ符号化方式記述子additional_data_component_info()にある”スタートアップ情報 伝送フラグ”が”1”の場合、“スタートアップ情報”を専用ポート番号(T.B.D)で送出する。その内容 はサービス仕様とする。

・IPDC受信機にてCh選択後、IP受信部はファイル処理部や外部デバイスに一定周期にて、初 期アクセス情報としてIPDCサービスのPMTテーブル(セクション形式)をマルチキャスト配信す る。そのマルチキャストアドレスには限定スコープアドレスを想定する。

・ファイル処理部や外部デバイスは配信を受ける PMT を解析し、サービス ID(放送局毎で違う)

で受信チャンネル(放送局)を判断する。

・受信機でチャンネル変更を行った際のファイル処理部や外部デバイスでのサービス変化の認識 は、マルチキャストで配信されるPMTセクションの変更で判断する。

ファイル処理部や外部デバイスに搭載されるアプリケーションは必要に応じて、マルチキャストで 配信されるPMTを常時監視対象とする。

・ フ ァ イ ル 処 理 部 や 外 部 デ バ イ ス は 配 信 を 受 け る PMT デ ー タ 符 号 化 方 式 記 述 子 additional_data_component_info()を解析し、サービス内で配信されるIPアドレスを判断する。

・ファイル処理部や外部デバイスはPMT に記載されたIP アドレスに対してJOIN要求(ES・IP アドレス単位)を行い、IPデータキャスト受信を開始する。

・IP受信部は受信機外部からのJOIN要求に対して、 ”IPパケット出力フラグ”が”外部出力不可

“に指定されているIPアドレスの配信は行わない。

・外部出力されるIPアドレスのUDPポート番号の管理はサービスを行うアプリケーションのレベ ルでの管理とする。

【基本運用概念図】

独立サービス型での運用概念を記載する。

TS

TVサービス1 データサービス

(携帯) IPDCサービス

IPDC コンポーネント1

(IPデータキャスト1:マル研型データキャスト)

IPDC コンポーネント2

(IPデータキャスト2:A配信型データキャスト)

ポート番号3

ポート番号2

(IP)

ポート番号1

(スタートアッ プ情報)

IPアドレス1

(P直接出力用途のイメージ)

ポート番号3

ポート番号2

(FLUTE2)

ポート番号1

(FLUTE1)

IPアドレス2

(蓄積用途のイメージ)

ポート番号3 ポート番号2 ポート番号1

(スタートアッ プ情報)

IPアドレス1

ポート番号3

ポート番号2

(FLUTE2)

ポート番号1

(FLUTE1)

IPアドレス2

図9-9 TS運用概念図

ドキュメント内 ホワイトスペースにおける (ページ 48-68)

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