本 章 は,本 研 究 に お け る 第 二 検 討 で あ る.前 章 で,小 型 化 さ れ た ダ イ ア フ ラ ム 型 ト ラ ン ス デ ュ ー サ は,そ の 膜 厚 は広 帯 域 化 に大 き く影 響 す る こ とが 予 想 さ れ た .そ こで,本 章 で は,前 章 と は 異 な り,設 計 周 波 数 に 限 定 さ れ ず 膜 厚 と広 帯 域 性 の 関 係 を 調 査 し,そ の傾 向 か ら,ど の よ うに 広 帯 域 な トラ ン ス デ ュ ー サ を 設 計 す べ き か を考 察 す る.本 章 の,検 討 内 容 を検 討 皿 と す る.
4.1検 討llの 導 入
本 研 究 本 章 で も,前 章 同 様,正 方 形 ダ イ ア フ ラ ム 型 ト ラ ン ス デ ュ ー サ を 扱 う.波 動 方 程 式 を用 い た ダ イ ア フ ラ ム の 振 動 解 析(2.3節 に て 詳 細 に 説 明 して い る)に は,一 般 に 次 の 仮 定 を 導 入 す る.
1,膜 の 変 位 は 十 分 に 小 さ い.
2,膜 厚 は 他 の 寸 法 よ り も十 分 に 小 さ い.
3.変 形 前 の 中 立 面 に垂 直 な 断 面 は平 面 を 維 持 し,変 形 後 の 中 立 面 に 垂 直 で あ る . 4,中 立 面 は 伸 び な い.
5,せ ん 断 変 形 及 び 回 転1貫性 の 影 響 は 無 視 す る.
幅Lと 膜 厚hの 正 方 形 板 の 自 由 振 動 は,以 下 の 波 動 方 程 式 に よ っ て 記 述 さ れ る.
D醜 響 の+2鵠 鍔)+ぬ 島響 の)+ρんぬ 塞響)一 ・(41)
こ こ で,w(x,y,t)は 中 立 面 に お け る 之軸 方 向 の 変 位 で あ り,ρ は 密 度 で あ る.Dは 板 の 曲 げ 剛 性 で あ り,ヤ ン グ率Yと ボ ア ソ ン 比yか ら 次 の 式 で 計 算 さ れ る.
Yh3
(4.2)
D=
12(1‑1/2)
位 置(x,y,z)に お け る 変 位(u(x,y,g,士),v(x,y,宕,t),w(x,tJ,g,オ))は ダ イ ア フ ラ ム の 中 立 面 の 変 位(u(x,y,t),u@,y,t)、 脱,@,y,t))か ら 以 下 の 式 に よ っ て 計 算 す る.
4,1.検 討IIの 導 入 51
君@,y,z,t)=u@,y,t)‑z
v(x,y,z,t)=
ω(x,y7z,t)=
∂ω(ヱ,〃,の
v(x,y,t)‑z ∂
馴 ω(即,〃,の
∂飢
∂ω@,写,士)
(4.3) (4.4) (4.5)
式4.3か ら4.5に 示 す よ う に,任 意 の 点(x,y,g)に お け る3次 元 の 物 体 の 変 位 は,z軸 方 向 に 対 して 線 形 に 表 さ れ る.し た が っ て,上 記 の 仮 定 を 導 入 す る こ とに よ り,3次 元 問 題 は2次 元 問 題 に 単 純 化 さ れ る.z軸 方 向 に 発 生 す る波 は 考 慮 さ れ て い な い .共 振 周 波 数!.
は 、 以 下 の 式 で 表 さ れ る.
35.99んy
fr=2 π 万12ρ(1‑y・)(4・6)
式4.6に 示 す よ う に,ダ イ ア フ ラ ム の 共 振 周 波 数 は,幅 と膜 厚 に よ っ て 決 定 さ れ る上 記 の 仮 定 が 導 入 さ れ て い るが,膜 厚 が 共 振 周 波 数 の パ ラ メ ー タ と な っ て い る.こ れ は,曲 げ 剛 性 が ダ イ ア フ ラ ム の 構 造 に よ っ て 決 定 さ れ る か ら で あ る.こ の 理 論 で は,振 動 に 対 す る 膜 厚 の 影 響 は 考 慮 さ れ て い な い こ とが 重 要 で あ る.過 去 に 研 究 さ れ た ダ イ ア フ ラ ム 型 トラ ン ス デ ュ ー サ は 比 較 的 薄 い た め,上 記 の 解 法 に よ っ て 理 想 的 に 設 計 す る こ とが で き る.膜 厚 が そ の 幅 に 対 して 大 き くな る と,仮 定1を 適 用 す る こ とが 困 難 に な る.特 に.仮 定3は 完 全 に成 立 せ ず,膜 厚 方 向 に 異 な る振 動 が 発 生 す る 可 能 性 が あ る.ト ラ ン ス デ ュ ー サ は,ア
ド ミ ッ タ ン ス 共 振 周 波 数 に お い て 最 も効 率 的 に超 音 波 を 送 信 し,ア ド ミ ッ タ ン ス 反 共 振 周 波 数 に お い て 最 も感 度 よ く超 音 波 を 受 信 す る.圧 電 材 料 の ア ド ミ タ ン ス 反 共 振 周 波 数 は, 機 械 的 共 振 周 波 数 と一 致 し,一一般 に,ト ラ ン ス デ ュ ー サ は,所 望 の 周 波 数 で 機 械 的 共 振 周 波 数 を 有 す る よ う に 設 計 さ れ る.よ り高 感 度 化 す る た め に振 動 パ タ ー ン は,単 一 に制 限 さ れ る.す な わ ち,厚 み 振 動 の み,ま た は 膜 振 動 の み を 利 用 す る.
本 研 究 前 章 で は,比 較 的 厚 くな る こ と に 起 因 す る 複 雑 な振 動 に よ っ て トラ ン ス デ ュ ー サ の 周 波 数 帯 域 を 広 げ る こ とが 可 能 で あ る と予 測 した.さ ら に,PZT層 とSi層 の 多 層 構 造 は,よ り複 雑 な 振 動 を 引 き 起 こ す.波 動 方 程 式 で 解 く こ とが 困 難 な 問 題 に 対 して は,FEM を 用 い た シ ミ ュ レ ー シ ョ ン が 有 効 で あ る.ま た,FEMに よ る 素 子 分 割 に よ り,実 験 で 確 認 で き な い トラ ン ス デ ュ ー サ 内 部 の 振 動 状 態 を 確 認 す る こ とが で き る.ダ イ ヤ フ ラ ム 型 ト ラ ン ス デ ュ ー サ は,PZTとSi層 の 幅 と膜 厚 を設 計 パ ラ メ ー タ と し て 有 す る .シ ミュ レ ー シ ョ ン に よ り各 パ ラ メ ー タ の 超 音 波 受 信 性 能 依 存 性 を 確 認 し,そ の 傾 向 を解 析 す る.そ の 結 果 か ら,所 望 の 周 波 数 帯 域 を 設 定 し た 際 の 最 適 な トラ ン ス デ ュ ー サ 設 計 法 を 導 き 出 す こ
と を 目 指 す.
4,2.検 討IIの 解 析 手 法 52
4.2検 討 ■ の 解 析 手 法
本 章 で は,ダ イ ア フ ラ ム 型 トラ ン ス デ ュ ー サ の 性 能 の 膜 厚 依 存 性 を 詳 細 に確 認 す る.本 章 も ま た,PZFlexを 用 い て 解 析 を 行 う.解 析 モ デ ル 及 び シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 回 路 は 前 章 と 同 様 で あ る.
本 章 は,特 に膜 厚 依 存 性 を確 認 し,そ の 傾 向 か ら最 適 な 設 計 手 法 を 導 く こ とを 目標 と し て い る.図4.1は,本 章 の 検 討 内 容 の 流 れ を 示 し て い る.そ こ で ま ず,ダ イ ア フ ラ ム の 幅 が 一 定 の 条 件 で,膜 厚 を 変 え な が らシ ミ ュ レ ー シ ョ ン を す る.そ の 結 果 か ら傾 向 を 確 認 す る.必 要 に応 じ で,幅 も変 え た シ ミュ レ ー シ ョン を しな が ら詳 細 に 考 察 す る.得 られ た 送 受 信 の 特 性 か ら最 適 な 設 計 手 法 を 導 き 出 す.
Transmission 1Recepti。n1
Confirmationof diaphragmthickηess depe籍dency
Con伽ma電ionof diaphragm壼hickness dependency
↓ ↓
Discussionsand additionalslmulation
Discussionsand additionalsimulation
Ultrawide・banddesignmeth。d1
Fig.4.1.Flowfromresultanddiscussionstodesignmethod,
図4.1結 果 と 考 察 か ら 設 計 手 法 ま で の 流 れ,
4,3,ト ラ ン ス デ ュ ー サ 性 能 の 膜 厚 依 存 性 53
4.3ト ラ ン ス デ ュ ー サ 性 能 の 膜 厚 依 存 性
4.3.1送 信 特 性 の膜 厚 依 存 性
図4,2と43は,膜 厚1,0pmのSi層 を 有 す る50pm幅 ダ イ ア フ ラ ム に お け る 出 力 音 圧 の 周 波 数 特 性 と駆 動 振 動 の8軸 方 向 の 変 位 の 周 波 数 特 性 のPZT膜 厚 依 存 性 を 示 して い る.
音 圧 の 観 測 位 置 は,ダ イ ア フ ラ ム 中 心 点 か ら100pm前 方 の 水 中 の 点 で あ る.50pm幅 の 正 方 形 ダ イ ア フ ラ ム の 場 合,PZTの 膜 厚 が2.Opm以 上 の と き,す で に 従 来 の 狭 帯 域 な 特 性 は確 認 で き な い.図4.2に よ れ ば,100MHz域 で 送 信 音 圧 最 大 と な り,送 信 効 率 が 高 くな っ て い る.そ の 理 由 は,同 周 波 数 域 で 強 い 振 動 振 幅 が あ る た め で あ る こ とが 図4.3か ら見 て 取 れ る.前 章 に お い て,送 信 音 圧 は振 動 変 位dと,駆 動 周 波 数 の2乗f2に 比 例 す る と述 べ た.図42に 示 す 音 圧 特 性 が 前 章 の よ う な駆 動 周 波 数 に 対 して 単 純 な 増 加 特 性 に な っ て い な い の は駆 動 振 動 が100MHz帯 域 に 集 中 して 存 在 して い る か らで あ る.す な わ ち,図42に 示 さ れ る ス ケ ー ル の ダ イ ア フ ラ ム の 場 合,100MHz帯 域 で は,f2に 比 べ てd が 送 信 音 圧 に 対 し て 支 配 的 に な っ て い る.ま た,検 討1で の 注 目 周 波 数 領 域 は,100MHz 以 下 で あ っ た.
260
監 鑑
垂 言18。
δ i60
140 1
50μm‑widthdiaphragmoft,Opm・t国cknessSiIayer
10
Frequency[MHzi
100 looe
Fig,4.2,PZTthicknessdependenceoffrequencycharacteristicsofoutputpressurein 50pmwidediaphragmof1.OpmthickSilayer,
図4,2膜 厚1.OpmのSi層 を 有 す る5011m幅 ダ イ ア フ ラ ム に お け る 出 力 圧 力 の 周 波 数 特 性 のPZT膜 厚 依 存 性.
4.3,ト ラ ン ス デ ュ ー サ 性 能 の 膜 厚 依 存 性 54
xlO・950pm・widthdiaphragmof1,0pm‑thicknessSilayer3
置2・・