表Ⅲ−2 化学物質の流出量および気象条件
化学物質の流出量(KL) 風速(m/s) 気温(℃) 1 0.62 200 5 1,000 10
20
ALOHA」 の登録
Ⅲ−1に示した対象化学 ALOHA」 学 内容
3.1 「 化学物質データベース
表 物質について、「 化 物質データベースの登録 と対象化学物質の照合を行い、以下の方針をもとに、化学物質データベースの修正を行 った。
・ ベースに存在する場合 認の上、正しければ既存
常値がある場合、物質名を変更せず内容修正
・データ 在しない場合 … 別データベース・既往資料 用し、新規デ ータを追加
表Ⅲ−3 学物質の登録内容を示す。
3.2 「ALOHA」ロケーション情報の登録
「 OHA RPLOT*」と連携し、大気拡散推定結果を地 図上に重ねて表示することが可能である。「MARPLOT」を活用するには、対象地域 の地図データを整備する必要があるが(標準ではソフトウェアに米国の地図が添付されて い 本 の利用を想定 ており地域特性と予測結果 ねて検討する必 要性が少ないことから、 への日本の地図データ整備およびソフトウェ
ア 語 と
但し、「 算時に必ず地理的な位置情報を設定す があるため、
今回は「ALOHA」ロケーションデータベースへ固定的な位置情報の登録を行った。
− ロケーションデータベースへの登録内容を示
*)M P 地 報
海 & Atmospheric Administratio 米 国 環 境 保 護 庁 :U. び U.S.国勢調査局商業部門(Bureau of the Census, Dep
データ … 内容確 データを採用。異
ベースに存 より引
に整理した対象化
AL 」では、別ソフトウェア「MA
る)、 業務では海上で し を重
「MARPLOT」
日本 化は行わないこ とした。
ALOHA」では、予測計 る必要
表Ⅲ 4に「ALOHA」 す。
AR 理情
LOT:
管理ソフトウェア。
米 国 洋 大 気 庁 (NOAA:National Oceanic n) 、 (EPA S.Environmental Protection Agency)、およ
U.S. artment of Commerce)の共同開発
104
表Ⅲ−3 対象化学物質の「ALOHA」化学物質データベースへの登録内容
項番 化学物質名 登録内容 備 考
1 キシレン m−キシレン
2 ベンゼン
3 スチレン
4 メチルアルコール 5 トルエン
6 シクロヘキサン 7 アクリロニトリル 8 エチルアルコール
9 ブチルアルコール n−ブチルアルコール
10
既存データを採用
アセトン
11 メタクリル酸メチル 12 メチルエチルケトン 13 酢酸ビニルモノマー 14 プロピルベンゼン
15 オクタノール 新規登録 ※1 16 シクロヘキサノール
17 アクリル酸ブチル 18 酢酸エチル 19 ノルマルヘキサン 20 1−オクテン 21 デカン 22 メシチレン 23 アニリン
24 ノネン n−ノネン
既存データを採用
25 ブチレングリコール 新規登録 ※1
26 ジイソプロピルベンゼン 既存データを修正 ・沸点、臨界圧力、臨界温・LEL、LEUを修正 度をDIPPR※2より引用 27 アクリル酸2エチルヘキシル 新規登録 ※1
28 アセトンシアノヒドリン
29 1−プロパノール n−プロパノール
30 エチルベンゼン
既存データを採用
31 ジイソブチレン 既存データを修正 ・臨界圧力、臨界温度を CHRIS※3より引用
※1):DIPPR※2より分子量、沸点、融点、臨界圧力、臨界温度を引用。危険レベル して、TEEL値※4 (T
:the DIPPR 801 Database (2006)。AIChe(the American Institute of Chemical Engineers) 。
※3):CHRIS(Chemical Hazards Response Information System)。U.S.Coast Guard。
※4):DOE(USA Department of Energy)による非常時の露出限界評価値。(1999/4/1) と emporary Emergency Exposure Limits)を引用。
※2)
表Ⅲ−4 「ALOHA」ロケーションデータベースへの登録内容 位置名 地域名 経度 緯度 備 考
日本 日本 E 139°41.5′ N 35°41.4′ 東京都の位置を仮設定
3.3
2に示した 出量および気象 「ALOHA」での大気拡散状況 推定のための入力条件ファイルの作成を行った。
作成したファイルは、化学物質が31種類、流出量を3段階、風速を3段階の各条件を 組み わせ ファイルである。これらを用いた大気拡散予測計算結果を 3.4 推定結果出力図として示した。
また、「 状況を詳細に設定し、より実地に即した予測計算を行うこ とが可能である。本業務で作成したテーブルの設定条件を表Ⅲ−5に、概念図を図Ⅲ−
2に示す。なお、これら諸条件はテーブル設定初期値と異なる箇所について、取扱マニ ュアルを参照しソフトウェアを操作することで簡単に変更することができる。
「ALOHA」テーブル設定条件 危険範囲設定のためのテーブルの作成
表Ⅲ− 化学物質、流 条件毎に、
合 たもの、合計 279
ALOHA」では、現場
表Ⅲ−5
大項目 No 項 目 設定内容 備 考
1 場所 日本 予測計算とは直接関係しない
2 建物の種類 閉め切ったオフィス
ビル 屋内と屋外の濃度予測に使用
場所/時間
コンピュータ時刻 気象計測装置からリアルタイム受 信しない場合は重要ではない
3 日時
漏出化学物質 4 化学物質種類 (物質毎,31種) 一覧にない物質は追加が可能 5 風速
以下の3種類毎 弱:0.62(m/s) 中:5(m/s) 強:10(m/s)
設定できる最小風速は、0.62m/s
6 風向き 0(度) ※真北 地図重ね合わせ時に設定が有効 7 気 象 計 測 地 上
高 3(m) 高度方向の拡散予測に影響
8 地表の形状 広々とした水域 海上での拡散を想定
9 雲量 やや曇り 快晴と曇りの中間
10 気温 20(度)
11 大気安定度 (自動設定) 通常は変更する必要無し 12 逆転層の有無 逆転層なし ありの場合は逆転層高度を指定 大気の条件
13 湿度 50(%)
14 漏出源形状 直接入力 4つ汎用的に設定可能な形状種 類の形状のうち、最も簡素か
15 流出量 中規模:200(KL) 以下の3種類毎 小規模:1(KL) 大規模:1,000(KL)
16 流出の継続性 瞬間的な流出 量)の設定も可能 継続的な流出(時・分・秒毎の流出 17 漏出源の高さ 0(m)
18 物質保存状態 液体 気体、液体から選択 漏
保存温度 20(度) 「外気温と同じ」に設定
出源状況
19 物質
106
図Ⅲ−2 「ALOHA」テーブル設定条件概念図
3.4 推定結果出力図の作成
3.3 危険範 設 ーブルの作成で作成した ブルを もとに、「ALOHA」 で 推定 を実施し、計 物質 拡散範囲の予測図を取りまとめた。
これら出力図は本報告書の付録に収録した。
囲 定のためのテ 各入力条件でのテー
上 大気拡散状況 の計算 算結果である危険化学 7:気象計測地上高
8:地表の形状(水面) 9:雲量
10:気温 13:湿度
漏出源 12:逆転層の有無
5:風速 6:風向き
17:漏出源の高さ(0m)
14:漏出源形状
※「直接入力 ため
」の 15:流出量
16:流出の継続性 18:物質保存状態 19:物質保存温度
指定なし
108
付 録
各入力条件における大気拡散状況予測図
1
本資料では、「ALOHA」での、化学物質・物質流出量・気象状況の各入力条件におけ る大気拡散状況予測結果の出力図を収録した。別表1に入力条件と図番号の対応を示す。
別表 1:各入力条件と図番号の対応表
図番号 化学物質名 流出量(KL) 風速(m/s) 気温(℃)
付図1-1 0.62
付図1-2 5
付図1-3
1
10
付図1-4 0.62
付図1-5 5
付図1-6
200
10
付図1-7 0.62
付図1-8 5
付図1-9
キシレン
1,000
10
20
付図2-1 0.62
付図2-2 5
付図2-3
1
10
付図2-4 0.62
付図2-5 5
付図2-6
200
10
付図2-7 0.62
付図2-8 5
付図2-9
ベンゼン
1,000
10
20
付図3-1 0.62
付図3-2 5
付図3-3
1
10
付図3-4 0.62
付図3-5 5
付図3-6
200
10
付図3-7 0.62
付図3-8 5
付図3-9
スチレン
1,000
10
20
付図4-1 0.62
付図4-2 5
付図4-3
1
10
付図4-4 0.62
付図4-5 5
付図4-6
200
10
付図4-7 0.62
付図4-8 5
付図4-9
メチルアルコール
1,000
10
20
(1/8)
図番号 化学物質名 流出量(KL) 風速(m/s) 気温(℃)
付図5-1 0.62
付図5-2 5
付図5-3
1
10
付図5-4 0.62
付図5-5 5
付図5-6
200
10
付図5-7 0.62
付図5-8 5
付図5-9
トルエン
1,000
10
20
付図6-1 0.62
付図6-2 5
付図6-3
1
10
付図6-4 0.62
付図6-5 5
付図6-6
200
10
付図6-7 0.62
付図6-8 5
付図6-9
シクロヘキサン
1,000
10
20
付図7-1 0.62
付図7-2 5
付図7-3
1
10
付図7-4 0.62
付図7-5 5
付図7-6
200
10
付図7-7 0.62
付図7-8 5
付図7-9
アクリロニトリル
1,000
10
20
付図8-1 0.62
付図8-2 5
付図8-3
1
10
付図8-4 0.62
付図8-5 5
付図8-6
200
10
付図8-7 0.62
付図8-8 5
付図8-9
エチルアルコール
1,000
10
20
(2/8)
- 2 -
図番号 化学物質名 流出量(KL) 風速(m/s) 気温(℃)
付図9-1 0.62
付図9-2 5
付図9-3
1
10
付図9-4 0.62
付図9-5 5
付図9-6
200
10
付図9-7 0.62
付図9-8 5
付図9-9
ブチルアルコール
1,000
10
20
付図10-1 0.62
付図10-2 5
付図10-3
1
10
付図10-4 0.62
付図10-5 5
付図10-6
200
10
付図10-7 0.62
付図10-8 5
付図10-9
アセトン
1,000
10
20
付図11-1 0.62
付図11-2 5
付図11-3
1
10
付図11-4 0.62
付図11-5 5
付図11-6
200
10
付図11-7 0.62
付図11-8 5
付図11-9
メタクリル酸メチル
1,000
10
20
付図12-1 0.62
付図12-2 5
付図12-3
1
10
付図12-4 0.62
付図12-5 5
付図12-6
200
10
付図12-7 0.62
付図12-8 5
付図12-9
メチルエチルケトン
1,000
10
20
(3/8)
図番号 化学物質名 流出量(KL) 風速(m/s) 気温(℃)
付図13-1 0.62
付図13-2 5
付図13-3
1
10
付図13-4 0.62
付図13-5 5
付図13-6
200
10
付図13-7 0.62
付図13-8 5
付図13-9
酢酸ビニルモノマー
1,000
10
20
付図14-1 0.62
付図14-2 5
付図14-3
1
10
付図14-4 0.62
付図14-5 5
付図14-6
200
10
付図14-7 0.62
付図14-8 5
付図14-9
プロピルベンゼン
1,000
10
20
付図15-1 0.62
付図15-2 5
付図15-3
1
10
付図15-4 0.62
付図15-5 5
付図15-6
200
10
付図15-7 0.62
付図15-8 5
付図15-9
オクタノール
1,000
10
20
付図16-1 0.62
付図16-2 5
付図16-3
1
10
付図16-4 0.62
付図16-5 5
付図16-6
200
10
付図16-7 0.62
付図16-8 5
付図16-9
シクロヘキサノール
※ALOHA-JP でのシクロヘキサノール の融点は 23.5℃であ り、周囲の温 度 (20℃)では、固体の状態である。そのた め周囲の温度及び保存温度をシクロヘ キサノールの融点である 23.5℃に変更 しモデル化した。
1,000
10
23.5
(4/8)
- 4 -
図番号 化学物質名 流出量(KL) 風速(m/s) 気温(℃)
付図17-1 0.62
付図17-2 5
付図17-3
1
10
付図17-4 0.62
付図17-5 5
付図17-6
200
10
付図17-7 0.62
付図17-8 5
付図17-9
アクリル酸ブチル
1,000
10
20
付図18-1 0.62
付図18-2 5
付図18-3
1
10
付図18-4 0.62
付図18-5 5
付図18-6
200
10
付図18-7 0.62
付図18-8 5
付図18-9
酢酸エチル
1,000
10
20
付図19-1 0.62
付図19-2 5
付図19-3
1
10
付図19-4 0.62
付図19-5 5
付図19-6
200
10
付図19-7 0.62
付図19-8 5
付図19-9
ノルマルヘキサン
1,000
10
20
付図20-1 0.62
付図20-2 5
付図20-3
1
10
付図20-4 0.62
付図20-5 5
付図20-6
200
10
付図20-7 0.62
付図20-8 5
付図20-9
1−オクテン
1,000
10
20
(5/8)
図番号 化学物質名 流出量(KL) 風速(m/s) 気温(℃)
付図21-1 0.62
付図21-2 5
付図21-3
1
10
付図21-4 0.62
付図21-5 5
付図21-6
200
10
付図21-7 0.62
付図21-8 5
付図21-9
デカン
1,000
10
20
付図22-1 0.62
付図22-2 5
付図22-3
1
10
付図22-4 0.62
付図22-5 5
付図22-6
200
10
付図22-7 0.62
付図22-8 5
付図22-9
メシチレン
1,000
10
20
付図23-1 0.62
付図23-2 5
付図23-3
1
10
付図23-4 0.62
付図23-5 5
付図23-6
200
10
付図23-7 0.62
付図23-8 5
付図23-9
アニリン
1,000
10
20
付図24-1 0.62
付図24-2 5
付図24-3
1
10
付図24-4 0.62
付図24-5 5
付図24-6
200
10
付図24-7 0.62
付図24-8 5
付図24-9
ノネン
1,000
10
20
(6/8)
- 6 -
図番号 化学物質名 流出量(KL) 風速(m/s) 気温(℃)
付図25-1 0.62
付図25-2 5
付図25-3
1
10
付図25-4 0.62
付図25-5 5
付図25-6
200
10
付図25-7 0.62
付図25-8 5
付図25-9
ブチレングリコール
1,000
10
20
付図26-1 0.62
付図26-2 5
付図26-3
1
10
付図26-4 0.62
付図26-5 5
付図26-6
200
10
付図26-7 0.62
付図26-8 5
付図26-9
ジイソプロピルベンゼン
1,000
10
20
付図27-1 0.62
付図27-2 5
付図27-3
1
10
付図27-4 0.62
付図27-5 5
付図27-6
200
10
付図27-7 0.62
付図27-8 5
付図27-9
アクリル酸2エチルヘキシル
1,000
10
20
付図28-1 0.62
付図28-2 5
付図28-3
1
10
付図28-4 0.62
付図28-5 5
付図28-6
200
10
付図28-7 0.62
付図28-8 5
付図28-9
アセトンシアノヒドリン
1,000
10
20
(7/8)
図番号 化学物質名 流出量(KL) 風速(m/s) 気温(℃)
付図29-1 0.62
付図29-2 5
付図29-3
1
10
付図29-4 0.62
付図29-5 5
付図29-6
200
10
付図29-7 0.62
付図29-8 5
付図29-9
1−プロパノール
1,000
10
20
付図30-1 0.62
付図30-2 5
付図30-3
1
10
付図30-4 0.62
付図30-5 5
付図30-6
200
10
付図30-7 0.62
付図30-8 5
付図30-9
エチルベンゼン
1,000
10
20
付図31-1 0.62
付図31-2 5
付図31-3
1
10
付図31-4 0.62
付図31-5 5
付図31-6
200
10
付図31-7 0.62
付図31-8 5
付図31-9
ジイソブチレン
1,000
10
20
(8/8)
- 8 -
※大気拡散状況予測結果の出力図について
ALOHAでは、漏出源からの距離や時間の経過で風向きが変わる可能性を考え、流出時間
と拡散図の規模に以下の制限が設定されている。
・10Km以上の長い拡散図を描かない(計算は10Kmで打ち切られる)
・最初の60分間の流出のみをモデル化する(流出してから60分経過後の拡散エリアを 表示する。それ以上は計算できない。)
今報告書の全ての大気拡散予測エリアは、閉鎖物のない平坦で広々とした地表(陸地)
のもので(潮流、うねり、波浪等の海象外力は考慮されていない)、漏出源高さは0mであ る。また、地表の形状(地表面)については、「広々とした水域」を選択しているが、この
「広々とした水域」とは、ALOHAの中で最も地表の凹凸(荒さ)要素が低いことを示す。
(※地表面が荒ければ荒いほど発生する乱気流は大きくなる)つまり、潮流、うねり、波 浪の全くない地表でさらに地表面の凹凸も非常に小さい土地においての大気拡散シミュレ ーション結果である。
TEEL-1:不快感やわずかな刺激が生じない空気中の最大濃度
TEEL-2:恒久的な健康影響や保護具着用などの行動能力の低下が生じない 空気中の最大濃度
TEEL-3:致死もしくは恒久的な障害が生じない空気中の最大濃度 TEEL:Temporary Emergency Exposure Limits(短時間曝露限界濃度)
拡散図の先端の軌跡
各々の影響範囲(風向きの信頼線)
TEEL-1
各々の影響範囲(風向きの信頼線)
TEEL-2 TEEL-3
上図は、1.キシレン(流出量1KL、風速5m/s、気温20℃)の大気拡散状況予測結果出力
図(付図1-2)である。この拡散図は、瞬間漏出してから60 分後の、地表面での汚染物質
の濃度がLOC※(※それ以上の濃度で危険であると一般的に考えられる空気中の汚染物質濃 度のしきい値;次ページ参照)を超えると予測されるエリアを表している。
さらに、風速や大気の安定度に依存する風向きの不確実性を考慮し、拡散エリアの両側 に2本の「風向きの信頼線」が描かれる。風速が減少するにつれ、風の向きは全く一貫性