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現在用いているクリニカルパスの構造

ドキュメント内 Copyright 2008 by Tomoyoshi Yamazaki (ページ 45-48)

3.2  済生会熊本病院

3.2.7  現在用いているクリニカルパスの構造

第 2 次クリニカルパス推進プロジェクトで形式が統一されたクリニカルパスの基本 構造は、重症度別に区分するアルゴリズム24、患者用オーバービュー、医療者用オー ービュー、日めくり式パス、オプションパス(体温表、看護計画表、栄養管理表、

薬剤管理表)から構成される。 

(1)アルゴリズム 

アルゴリズムは、救急などのように疾患名が特定されていない場合の診断確定プロ セス、疾患の重症度分類に使用される。従来のフローチャートと異なるのは、明確な 判断基準が決められて

場は的確な判断・診断を行うことは難しくなる。さらに、的確な判断・診断ができ なければ、異なった疾患・重症度のグループが同じクリニカルパスで医療が施行され ることで、クリニカルパス適応疾患の統計処理解析に支障がでてくる。 

患者用オーバービューは患者に手渡すクリニカルパスであり、インフォーム

セントの目的で作成される。患者用オーバービューは診療計画書であり、これを医 療管理用ツールにすることはない。 

(2)医療者用オーバービュー 

医療者用オーバービューは、入院から退院までの重要なアウトカム、それをアセス メント25する具体的な数値・患者状態、タスク26、新たな指示などを記載したもので、

医療プロセス全体の俯瞰と指示簿の機能が目的であり、医療工程表に相当する。 

医療者用オーバービューの基本的な構成を図 3-2 に示す。 

   

24 情報科学の分野では計算処理の具体的な手順であるが、済生会熊本病院では診断や状況を判断する 根拠となる患者情報の統合し、診断や治療にいたるプロセスとした。

23副島(2004)pp.50

25アウトカムを評価するための患者の観察項目や検査データの判断基準。

26医療者が患者に介入するアウトカムで、処置、検査、指導・教育などである

     

 

 

構成   

るもので、その カム、クリティカルインディケーター27を明記した も

を カルパスではバリアン

ス発生が患者の個別性とみなしている。共有情報ではアウトカムで得られなかった患 の状態・情報を職種に関係なく時系列で記載する。従来、患者の経過記録は医師の 療録(カルテ)と看護師などのパラメディカルが記載する記録に分かれていた。こ れでは同じ患者の状態・情報が 2 箇所以上に記載されるムダ、患者の重要な情報・状 態が他の職種に共有・活用されない可能性があった。共有情報欄を利用することで、

は無くなり、重要な患者の情報・状態を職種に関係なく共有・活  

       

       

  図 3-2  済生会熊本病院医療者用オーバービューの基本的な

患 者 氏 名 指 示 医 師

除 外 基 準 (使 うべ き で な い 患 者 ) ゴ ー ル 設 定 (退 院 基 準 ) 指 示 受 け 看 護 師

ア セ ス メン ト 疾 患 名 在 院 日 数

適 応 基 準

ク リ テ ィカ ル イ ン デ ィケ ー タ ー 、最 終 ア ウ トカ ム 時 系 列

基 本 ア ウ トカ ム

タ ス ク

追 加 指 示

(3)日めくり式パス 

日めくり式パスは、1 日分もしくは1つのイベントごとに作成され 日(イベント)のタスク、アウト

のである。 

副島は日めくり式パスを利用することで、医療管理が可能となったと述べた28。  その日(イベント)のアウトカムが達成されなければバリアンスとし、そのコー 記載しバリアンスの内容と対応する行動を記載する。クリニ

者 診

重複する内容の記載

27の日(イベント)に達成すべき重要なアウトカム。

28 2006/11/15  済生会熊本病院副院長  副島秀久氏とのインタビューより。

用を可能にした。これを本田は医療専門職の頭の中をオープンにしたと述べている29。  日めくり式パスの基本的な構造を図 3-3 に示す 

 

 

 

   

クリティカル インデ ィケー ター ア ウトカム

タスク

ア セス メント項 目

月 日      患 者        主 治 医

バ リア ンスの 内 容 と行 動

                   

  共 有 情 報・そ の 他

   

   

医 師 の サ イン

バリアンス

コード

アウトカム

コード

図 3-3  済生会熊本病院の日めくり式パスの基本的な構造 

 

(4)オプションパス 

オプションパスの基本構造は医療者用オーバービュー同じであるが、オーバービュ ーに収録できない場合や、特定の医療行為のデータのみ集約を目的とした場合に作成 される。疾患によっては体温や血圧の測定が不要な疾患もあれば、必須の疾患もある。

限りのある紙のスペースでは、これらの項目が必要な疾患の場合にのみオプションパ スとして、別途追加する。 

 

本田(2004)pp.68

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