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医師

ドキュメント内 02本編 第7次熊本県保健医療計画 (ページ 152-158)

第4章  地域の保健医療を  支える人材の確保・育成

第1節  医師

 

1.現状と課題 

  ○   本県の医療施設に従事する医師(平成 28 年:5, 001 人)については、その約6割が熊 本市に集中しています(図1参照)。平成 24 年から平成 28 年までに熊本市内の医師が 146 人増加したのに対し、熊本市外の医師は 41 人の増加に留まっています(表1参照)。ま た、人口 10 万人当たりの医師数で比較しても、熊本市内は 18. 5 人増加したのに対し、

熊本市外は 9. 9 人の増加に留まっており、医師数の地域格差は拡大しています(表2参 照)。今後は、地域ごとに将来の医療需要を踏まえた医療提供体制の構築とそれを支える 医師の確保が重要となります。 

○   自治医科大学を卒業した医師(以下「自治医科大学卒業医師」という。)が県内の地域 の医療機関に派遣され、義務年限

を終了した後、引き続き県内に就業する割合(県内定 着率)は、50. 9%

と全国平均(69. 6%

)に比べて低い状況です。 

  ○   本県の平成 28 年の医師全体に占める女性医師の割合は 18. 0%、39 歳以下の若年層で は 31. 4%と高い割合となっていますが(図2・図3参照)、出産や育児を契機として離職 する傾向があります。また、全国の大学医学部生の約 47%が女性

であり、今後、女性医 師の割合は更に高くなる見込みであることから、女性医師への就業支援が求められてい ます。 

  ○   全国的に地域で勤務する意思がある医師は一定数存在するものの、医師が少ない医療 機関では夜間や休日の当直等の負担が大きく、自己研さんや家族と過ごす時間の確保も ままならない状況もあることから、勤務環境の改善等による医師の負担軽減が求められ ています。 

○   県内病院の医師臨床研修マッチング率について、平成 28 年度は全国1位(95. 6%)で したが、平成 29 年度は全国 16 位(79. 1%)でした(表3参照)。県内病院での臨床研修 修了者については、臨床研修後の県内定着率が約 85%と高いことから、マッチング率を 高く維持する必要があります。 

○   新たな専門医制度

について、平成 30年度からの開始に当たって、地域医療に与える 影響への懸念を踏まえ、医師の偏在を助長することなく専門医の質を高める体制の構築 が求められています。 

 

  義務年限とは、自治医科大学医学部の学生が大学と修学資金貸与契約を締結し、修学に要する費用を貸与されますが、卒 業後に出身都道府県に戻り知事の指定するへき地等の公的医療機関において、医師として勤務する期間(修学資金貸与期 間の 1. 5 倍)のことです。6年間で卒業した場合、義務年限は9年間となります。

  自治医科大学「平成 28 年度自治医科大学医学部卒業生の研修・勤務先病院等調査」に基づき熊本県医療政策課集計

  出典:自治医科大学「平成 28 年度自治医科大学医学部卒業生の現状」

  出典:文部科学省「平成 28 年度学校基本調査」

  新たな専門医制度とは、これまで各学会が独自に専門医を育成し、その能力を検証し、認証する仕組みを運用してきた ため、第三者機関として設立された一般社団法人日本専門医機構が、専門医の認定と専門研修プログラムの認定を統一的 に行う新たな制度のことです。

  【図1】県内の医療施設従事医師数 

 

熊本市 荒尾市

玉名市 南関町

長洲町

菊池市

大津町 菊陽町 合志市

南小国町 小国町

産山村

高森町 西原村

御船町 嘉島町

益城町

甲佐町

山都町

宇城市 宇土市

八代市

芦北町

津奈木町

水俣市

錦町 あさぎり町

多良木町 湯前町 水上村

相良村 五木村

山江村

球磨村 天草市

上天草市 苓北町

山鹿市

阿蘇市

南阿蘇村

美里町

宇 城 圏 域 医師数:1 7 4 人

1 0 万対医師数:1 6 4 .1 人 有 明 圏 域 医師数:2 8 9 人

1 0 万対医師数:1 8 0 .7 人

鹿 本 圏 域 医師数:9 7 人

1 0 万対医師数:1 8 7 .4 人

菊 池 圏 域 医師数:3 2 2 人

1 0 万対医師数:1 7 6 .7 人

阿 蘇 圏 域 医師数:8 6 人

1 0 万対医師数:1 3 6 .3 人

上 益 城 圏域 医師数:1 1 5 人

1 0 万対医師数:1 3 7 .4 人

八 代 圏 域 医師数:3 1 8 人

1 0 万対医師数:2 2 9 .4 人

球 磨 圏 域 医師数:1 7 6 人

1 0 万対医師数:2 0 1 .0 人 天 草 圏 域

医師数:2 3 1 人

1 0 万対医師数:2 0 0 .7 人 人口10万人当たりの医師数

以 上 未 満 300. 0  〜 200. 0  〜 300. 0 180. 0  〜 200. 0 160. 0  〜 180. 0 130. 0  〜 160. 0

熊 本 圏 域 医師数:3 ,0 5 7 人 1 0 万対医師数:4 1 3 .1 人

熊本県の医師数(実数):5, 001 人 

<人口 10 万人当たりの医師数>  熊本県 281. 9 人  熊本市外 187. 8 人  全国 240. 1 人 

【表1】県内の医療施設従事医師数の推移

 

 

【表2】県内の人口 10 万人当たりの医療施設従事医師数の推移

 

 

([表1・表2]:厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師調査」を基に熊本県医療政策課作成) 

※   旧城南町、旧富合町及び旧植木町については熊本市との合併前から熊本圏域に、旧蘇陽町につ いては旧矢部町及び旧清和村と合併して山都町となる前から上益城圏域に含めています。 

 

【図2】県内の男女別・医師数の推移(全体)      【図3】県内の男女別・医師数の推移(39 歳以下) 

   

([図2・図3]:厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師調査」を基に熊本県医療政策課作成) 

 

増減数 増減率 全  国 256,668 263,540 271,897 280,431 288,850 296,845 304,759 15,909 5.5%

熊本県 4,359 4,406 4,450 4,679 4,814 4,938 5,001 187 3.9%

熊   本 2 ,4 1 9 2 ,5 3 6 2 ,5 7 5 2 ,7 8 0 2 ,9 1 1 3 ,0 1 6 3 ,0 5 7 1 4 6 5 .0 % 宇  城 164 165 164 177 183 182 174   9 ‑ 4.9%

有  明 307 293 274 282 279 284 289 10 3.6%

鹿  本 98 95 95 92 95 93 97 2 2.1%

菊  池 292 278 285 296 312 311 322 10 3.2%

阿  蘇 79 79 80 81 81 92 86 5 6.2%

上益城 111 107 119 114 118 121 115   3 ‑ 2.5%

八  代 308 290 294 302 294 310 318 24 8.2%

芦  北 140 137 135 135 133 134 136 3 2.3%

球  磨 184 178 181 174 166 161 176 10 6.0%

天  草 257 248 248 246 242 234 231   11 ‑ 4.5%

熊 本 市 外 1 ,9 4 0 1 ,8 7 0 1 ,8 7 5 1 ,8 9 9 1 ,9 0 3 1 ,9 2 2 1 ,9 4 4 4 1 2 .2 % 平成2 4 年→平成2 8 年 圏  域 平成1 6 年 平成1 8 年 平成2 0 年 平成2 2 年 平成2 4 年 平成2 6 年 平成2 8 年

増減数 増減率 全  国 201.0 206.3 212.9 219.0 226.5 233.6 240.1 13.6 6.0%

熊本県 235.4 240.0 244.2 257.5 266.4 275.3 281.9 15.5 5.8%

熊   本 3 3 1 .5 3 4 8 .2 3 5 3 .1 3 7 8 .5 3 9 4 .6 4 0 7 .6 4 1 3 .1 1 8 .5 4 .7 % 宇  城 143.9 145.8 146.6 159.5 167.3 168.4 164.1   3.2 ‑ 1.9%

有  明 175.1 169.8 160.9 167.0 167.9 173.9 180.7 12.8 7.6%

鹿  本 168.1 165.9 168.5 166.1 175.5 175.3 187.4 11.9 6.8%

菊  池 178.7 166.2 166.7 170.0 175.6 172.3 176.7 1.1 0.6%

阿  蘇 111.8 113.3 116.4 119.4 121.2 140.7 136.3 15.1 12.5%

上益城 123.1 119.9 134.9 130.4 136.1 140.5 137.4 1.3 1.0%

八  代 204.1 194.8 200.8 208.3 205.5 220.1 229.4 23.9 11.6%

芦  北 247.6 251.2 255.8 262.9 266.1 277.2 290.1 24.0 9.0%

球  磨 180.2 179.4 187.4 183.7 179.6 179.4 201.0 21.4 11.9%

天  草 182.2 182.8 189.7 193.3 196.5 196.6 200.7 4.2 2.1%

熊 本 市 外 1 7 2 .8 1 6 8 .8 1 7 1 .6 1 7 5 .4 1 7 7 .9 1 8 2 .3 1 8 7 .8 9 .9 5 .6 % 平成2 4 年→平成2 8 年 圏  域 平成1 6 年 平成1 8 年 平成2 0 年 平成2 2 年 平成2 4 年 平成2 6 年 平成2 8 年

【表3】医師臨床研修マッチング率の推移 

       

(出典:医師臨床研修マッチング協会「研修医マッチングの結果」) 

 

2.目指す姿 

  ○   総合的な医師確保対策や医師の派遣調整など、地域の医療を県全体で支える仕組みを 構築し、地域における医療提供体制の強化と医師数の地域格差の解消を目指します。 

 

3.施策の方向性 

  ○   地域の医療提供体制を圏域・県全体で支える仕組みの構築 

・  医師の地域偏在を解消するため、地域医療支援センター(熊本県地域医療支援機構)

を中心として、地域の医療機関に勤務する医師のキャリア形成支援と一体的に、地域の 医療機関における医師確保を支援します(「5.地域の医療連携体制」参照)。 

・  地域医療を支える医師を確保するため、自治医科大学との連携や熊本大学等の医学部 生への医師修学資金貸与制度

を通じて、地域の実情や医師のキャリア形成を踏まえた 自治医科大学卒業医師の派遣や医師修学資金を貸与した医師の配置を行います。 

・  へき地を含む地域の医療を県全体で支えるため、へき地医療支援機構等が運営の主体 となり、県と協定を締結した医療機関から支援が必要な地域の医療機関に対して、医師 を派遣するドクタープール制度を新たに構築します(第3章第3節第4項の最後に記載 する別図参照)。 

・  地域における将来の医療提供体制の構築のため、率先した取組みを進める自治体病院 等に対し、地域医療支援センターや地域医療・総合診療実践学寄附講座

等により、関 係機関との一層の連携強化や地域医療をコーディネートする医師派遣などの支援を行 います。 

・  医師の確保が困難な医療機関を支援するため、医師会による相談窓口の設置や市町村 による関係医療機関・団体と連携した医師派遣の仕組みづくりなど、圏域内での協力体 制を整備します。 

○   本県出身者の県内就業の促進 

・  本県出身の医師の県内就業者を増加させるため、本県出身の大学医学部への進学(希 望)者を対象として県内医療情報の発信を行うなど、将来の県内就業に向けたつながり を構築します。 

平成27年度 平成28年度 平成29年度 マッチング率 74.7% 95.6% 79.1%

(全国順位) (2 0 位) (1位) (1 6 位)

象に、「熊本県ドクターバンク

」を活用して効果的な情報発信を行うなど、地域の医 療機関への就業あっ旋の取組みを強化します。 

○   自治医科大学卒業医師の義務年限終了後の県内就業の促進 

・  自治医科大学卒業医師の義務年限終了後の県内就業を促進するため、義務年限中にお ける専門医資格の取得など医師のキャリア形成支援を行います。 

・  義務年限中の自治医科大学卒業医師に対して県内医療機関の紹介や情報提供を行うと ともに、自治医科大学卒業医師の継続的な任用を含めた新たな仕組みを構築します。 

○   女性医師の就労継続に向けた支援 

・  女性医師の勤務継続及び復職を支援するため、メンター制度

などの相談体制の強化 をはじめ、短時間勤務制度などの柔軟な勤務体制の普及、研修会開催などの医療技術・

知識習得の支援、保育所整備などの育児支援に向けた取組みを推進します。 

○   医師の勤務環境の改善 

・  医師の勤務負担を軽減するため、地域医療支援センターによるグループ診療に係る派 遣調整や医療勤務環境改善支援センターとの連携など、勤務環境の改善に向けた取組み を強化します。 

○   初期臨床研修医の確保 

・  県内の医療機関において初期臨床研修医を確保し、研修後の県内就業を促進するため、

臨床研修合同説明会等を通じて県内で働くことの魅力をPRするとともに、臨床研修指 導医の養成支援などにより臨床研修体制を強化します。 

・  医師臨床研修のマッチング率を高く維持するため、初期臨床研修医に対するフォロー アップを強化し、臨床研修病院と連携して研修プログラムの充実や魅力向上に取り組み ます。 

  ○   新たな専門医制度への対応 

・  医師の都市部への偏在を助長することなく、専門医の質を高めるため、県に設置する 協議会において、地域医療確保の観点から、19 の基本領域の専門研修プログラムの内容 等について、市町村、医師会、大学、病院団体等の関係者間で協議し、必要な検証、調 整を行います。 

           

 

 

  熊本県ドクターバンクとは、熊本県が運営する「医師の無料職業仲介所」のことです。県内の公立の医療機関と県内での 就業を希望する医師とをマッチングさせるため、就業のあっ旋・紹介を行います。

    メンター制度とは、医師としてのキャリア形成やワークライフバランス等の課題について、豊富な知識と経験を有した先 輩医師(メンター)が、後輩医師(メンティ)からの相談を受け、個別に課題解決へのサポートを行う制度のことです。 

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