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第7章 医療機関における対応

F. 医師:チームリーダー

④ 放射線に対する防護

処置時間、放射性物質の遮へい、放射性物質との距離に留意し、放射線を防護する。

・処置を効率よく行い、処置に要する時間の短縮に努める。(時間)

・α線 手術着、ゴム手袋等で防護可能。(遮へい)

・β線 手術着等でかなり防護可能。(遮へい)

長ピンセット等の使用により汚染物質(又は線源)からの距離をとる。(距離)

・γ線 長ピンセット等の使用により汚染物質(又は線源)からの距離をとる。(距離)

個人線量計等により医療スタッフの被ばく線量を計測し、一定以上の被ばく線 量が計測された場合、他の医療スタッフと交代する。(時間)

上記①~④およびその他、受入れ準備の具体的手順等は「緊急被ばく医療マニュアル 作成のための手引き」(http://www.remnet.jp/lecture/b02_01/index.html)参照のこと。

⑤ 受け入れ救急部における除染のあり方

a)重篤あるいは重症な病態の場合は、汚染があっても、二次被ばくが医療関係者の健

康に問題がない限り、救命処置を優先する(二次被ばくが医療関係者の健康に被害 がある可能性は、皆無に近いと考えられる)。汚染管理区域が設定されていることは、

救命救急処置を行っている間は、汚染を気にしなくてよい意味も含まれる。

b)軽症、もしくは除染を優先できる病態のときは、汚染管理区域の救急処置室(または

除染室)で、除染を行う。

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c)除染は主として傷口の生理的食塩水による洗浄とデブリードマンで行う。また傷の

ない表面汚染は、脱衣および必要があれば洗浄、濡れガーゼやオレンジオイル等除 染剤を用いた拭き取りなどで行う。具体的な方法は、次の資料を参照のこと。

・「緊急被ばく医療マニュアル作成のための手引き」

(http://www.remnet.jp/lecture/b02_01/index.html)

・「緊急被ばく医療ポケットブック」

(http://www.remnet.jp/lecture/b05_01/index.html)

d)除染を繰り返しても傷口の汚染レベルが、低下しなくなった場合は、汚染部分をガ

ーゼ等でぬぐい、GM サーベイメータでそのガーゼを測定し測定値がバックグラウ ンドレベルであれば、放射性物質が組織に固着した状態(fixed contamination)で 二次汚染の可能性は極めて低いと判断できるため汚染を拡大しないように傷口を被 覆密封することにより、退出し通常の医療行為に移ることができる。

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基本的な医療対応フロー

患者到着(到着前にできるだけ脱衣されていること)

全身状態の安定化

声かけ、視診等による全身状態の把握 バイタルサインの安定化

クイックサーベイ(針を刺す部位、血圧測定部位等) 生命を脅かす病態の治療

事故の概略・情報を得る

創傷部サーベイ 創傷部汚染検査

すべての検体はラベルをつけた容器・ビニール袋の中へ 放射線源を同定するよう情報を得る

内部被ばくの場合はキレート剤の投与を考慮

除染と治療、全身サーベイ 採血、創傷部治療

除染とサーベイ:創傷→口・鼻→健常皮膚 チームメンバーが手袋を代えるたびにサーベイ チームメンバーの被ばく線量も頻回にチェック

除染中も頻回に患者をサーベイ 口角・鼻腔スメア 血液、尿もサーベイ サーベイ結果を記録

検体を採取(傷、口・鼻・耳、皮膚、血液、尿、便、吐物等)

除染後再度サーベイ 患者の全身をサーベイ

輸液セットやドレーン等医療器具もサーベイ 患者の下に敷いているシートも汚染がないことを確認

(汚染があれば交換し、再度サーベイ)

患者退室

清潔な通路の設定、清潔なストレッチャーの用意 除染に携わらなかったスタッフが患者の退出を手伝う

退出時ストレッチャーの車輪も忘れずサーベイ

スタッフ退室

手術着を脱いで医療関係者のサーベイ 除染室をサーベイ

汚染がないことを確認

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4.医療活動にあたっての留意事項

(1)被ばく患者の到着

① 医師、看護師等が被ばく患者搬入口で、搬入車両を迎える。

② 被ばく患者の持ち物等を入れる大きなビニール袋を用意しておく。

③ 救急隊員等から被ばく患者の引継ぎを受ける。

④ 被ばく患者のバイタルサインを確認する。バイタルサインが不安定の場合、救命処置を 優先する。

⑥ 被ばく患者の汚染状況(部位、程度等)を様式4「個別傷病者連絡票」(及び随行して いる場合には付き添いの放射線管理要員)より確認する。

⑥ 被ばく患者搬入口で、被ばく患者を搬送車両から医療機関のストレッチャーに移し換え ることが望ましい。

【受入準備完了以前に被ばく患者が来院した場合の対応】

・被ばく患者の全身状態が安定しており待てる状態であれば、準備が完了するまで搬送車両 内で待機してもらい、早急な準備完了に努め準備完了次第被ばく患者を搬入する。

・被ばく患者の全身状態が悪い場合、医師等は前述の医療スタッフの防護措置を行った後、

搬送車両の中に入り被ばく患者のバイタルサインを確認し、必要な救急救命処置を行う。

また、早急な準備完了に努め、準備完了次第被ばく患者を搬入する。

【一度に多数の被ばく患者が来院した場合の対応】

・トリアージを行い、優先順位を明確にして処置を行う。

・バイタルサインを確認し、必要な救急救命処置を行う。

・全身状態の悪い被ばく患者が多数の場合、院内に応援を求める。

院内のみでは対応できない場合、原子力災害医療調整官を通じて、他の医療機関に応援、

被ばく患者の受入れを要請する。

※ 搬入口については、被ばく患者の場合は通常の救急患者と異なる搬入口を指定すること があるので、確認する。

(2)処置室

① 放射線管理要員の情報によっては、放射性物質の拡散防止のため、空調設備・換気扇を 停止する場合がある。(除染が完了するまで)

② 処置室における汚染拡大防止措置は、手術室における清潔操作に準じて行う。

③ 除染に使用した洗浄水、被ばく患者の吐物、衣服等、処置に使用したガーゼ等放射性汚 染物などを別々に区分し、処置終了後は事業者に一括して引き取ってもらう。

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