・前節では,物体の受ける力が重力の場合とばねの力の場合に対し,物 体のエネルギーを定めた.ここではより一般的な場合に対し物体のエネ
ルギーを定める.
・重力 F = −mg を受ながら運動する物体の位置エネルギーは,(3.32) で定めたように
V =mgx
である.この V は位置 x のみを変数に持ち(速度 v や時間 t を変数に 持たない),x で微分すれば
dV
dx = d mgx
= mgdx
= −F (F =−mg,より) (3.42) となる.また,ばねの力 F = −kx を受ながら運動する物体の位置のエ ネルギーは,(3.37) で定めたように
V = 1 2kx2
である.このV も位置 xのみを変数に持ち,x で微分すると dV
dx = d
dx(1 2kx2)
= kx
= −F (F =−kxより) (3.43) となる.
・上に述べたように,力 F が重力やばねの力の場合,V は位置 x のみ を変数に持つ関数であり(3.42), (3.43) に示したように
F =−dV
dx (3.44)
という式を満たしている.力F が重力やばねの力でない場合でも,力 F に対して,位置 x のみを変数に持つ関数 V で (3.44) を満たすようなも のが見つかることがある.このとき V を力 F の ポテンシャル と呼ぶ.
(上の重力やばねの力の場合のように V を位置エネルギーと呼ぶことも ある.)
・一般に,力のポテンシャル V を求めると任意定数 C が付く.つまり V =· · ·+C (Cは任意定数) (3.45) の形となる.
例.力F が
F = sinx (3.46)
と表されるとき,力 F のポテンシャル V は
V = cosx+C (Cは任意定数) (3.47) の形となる.実際,
dV
dx = d(cosx+C)
= −sindxx
= −F (3.46)より)
となるから V は C の値が何であっても (3.44)を満たしている.
・通常は,ポテンシャルの基準点を適当に選び(例えばx= 0),その点 でのポテンシャルV の値が0 となるように(3.45)の定数 C の値を定め る.
問.力 (3.46) のポテンシャル V は,ポテンシャルの基準点を x = 0 に
とったときどのように表されるか.
解.力(3.46) のポテンシャル V の一般形は (3.47)に示したように V = cosx+C.
基準点 x = 0 ではこのポテンシャル V の値は 0 でなければならないか ら C =−1(cos 0 = 1 より).つまり,V は規準点を x = 0としたとき V = cosx−1と表される.
・物体の受けている力 F が保存力であり,従って式(3.44) を満たすよう なポテンシャルV があるとき,物体のエネルギー E を
E =T +V
(3.48) で定める.ここでT は (3.29) で定めた物体の運動エネルギーである.
・(3.48) で定めたエネルギー E は時間によらず一定値を保つ.実際,
dE
dt = dT
dt +dV dt
= F v+ dV
dt ((3.31)より)
= F v+ dV dx
dx
dt ((1.11)より)
= F v−F v ((3.44)と(3.1)より)
= 0.
従ってE は定数((1.10)より).
問.物体の受けている力F が
F =−x3
と表されるとする.この物体のエネルギー E はどのような式となるか.
ただし力F のポテンシャルの基準点を x= 0 とせよ.
解.いま
V = 1
4x4+C (Cは任意定数) (3.49) と置く.このV は位置 x のみを変数とする関数であり,しかも
dV dx = d
dx
$1
4x4 +C
%
=x3 =−F
となるから (3.44) を満たす.従って V は力 F のポテンシャルである.
基準点x= 0 ではこのポテンシャル(3.49)の値は 0 でなければならない からC = 0.従って
V = 1 4x4
従って(3.48) より物体のエネルギーは E = 1
2mv2+ 1 4x4.