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前知事が理解を示していたという主張の欺瞞性について

ドキュメント内 Microsoft Word - H271020第5意見書(印刷用) (ページ 70-99)

(1) 仲井 眞前知 事 は 防 衛大 臣 の回答 内容 を否定 する 答弁 をし ている こと

審査請求書・執行 停止申立書は 、「 前知事からの2回にわた る質 問…に対して、防衛大臣から具体的な回答(防防日第15062号

(23.12.19))及び(防防日第15963号(24.12.

11))が行われており、その後、3回目の質問状が発出されなかっ たことは、前知事が、上記①に掲げる抑止力論、②に掲げる地理的 優位論、③に掲げる一体的運用論について理解を示したことの証左 である」と主張している。

しかし、仲井眞前知事は、第1次回答後の県議会(平成 24 年第 1回)において、「御質問は特に海兵隊に係る抑止力論、それから米 軍基地が集中しているこの沖縄の地理的なある種の基地としての優 位性といいますか、適性というか、これがよく国会の議論の中で出 てくる点についての知事の見解いかんという御趣旨だと思いますが、

この地理的な、基地に逆に向いているという一種の適性論というの は、全くこれはナンセンスだと私は実は思っております。特に、こ

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れは最近外務大臣も国会で公明党の遠山議員への質問の中で、紛争 地域に等距離で近いとか、したがって場所的に非常にそこにいるこ とが意味があるんだという御趣旨のことを言い、さらに地政学とい うような言葉も持ち出しておられますが、私は地政学というのは、

僕らの記憶ではヒトラーの時代に『学』とも言いがたいような『学』

だと言われたぐらいのよくわからない学問を今ごろ持ち出すという のはとんでもない話でして、さらに基地としての適性といいますか、

場所も遠くもなく近くもないというこの変なよさというのは、これ だけ軍事技術といいますか、防衛技術といいますかそういうものが 変化している中で、そういう論点というのは俗論以外の何物でもな くて全く説得力がないと私は実は思っております。それと、我々も 防衛省に対して、抑止力論というのは、特に海兵隊についてどうい う抑止力があるか、また米軍の抑止力はどうか、さらにまた、一般 的にこの抑止力がどういうものかというのを防衛省の見解を聞いて いるわけですが、きちっとした返事はいただいておりません。」と答 弁をしていたものである。

また、仲井眞前知事は、第 2 次回答後の県議会では、「普天間飛 行場の移設につきましては、地元の理解が得られない辺野古移設案 の実現は事実上不可能であると考えております。他の都道府県への 移設が合理的かつ早期に課題を解決できる方策であると考えており ます。この考えに変わりはなく、引き続き日米両政府に一日も早い 危険性の除去、県外移設・返還を強く求めてまいります。」「辺野古 というのは前からVで滑走路を2つ、埋め立てをして 1800 メート ルぐらいの滑走路を2つつくるというのが主になっているわけです。

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まず埋め立てそのものが、これはもう少しよく聞かないとわからな いんですが、前に予定されていた地域だとすればかなり深いし、技 術的にもそう生易しくはないというように聞いております。ですか ら、かなり時間がかかるだろうと思います。これは当時聞いた話で は技術的にはどのぐらいの時間がかかるのだろうかという、これは あらあらですから大体の感触ですが四、五年はかかるでしょうとい うふうに建設の専門家から聞いたことがございます。ですが、この 反対運動とか市長さんも反対されているなどなど周辺の事情を考え ますと、5年が 10 年、10 年が 15 年と完成のめどというのは今こ れはあらあら考えての話ですが、そう簡単にはつきにくかろうとい うふうに考えております。さすれば、日本の沖縄に近い地域で、滑 走路があって那覇空港みたいにフルに活用されていない空港という のは結構あるだろうと考えております。ですから、2本の滑走路を つくるということが最大の目的でしょうから、滑走路が既にあるも のであれば、少し付加的な工事その他をやれば直ちに使うことが可 能だというふうに私は考えます。単純な考えなんですが、そうすれ ばつまり辺野古で5年かかるか10年かかるか15年かかるかと考え ると、結局そのままその期間、普天間は固定化されるということと 同義語ですから、むしろ早くできるとすれば埋め立てして滑走路を つくるのではなく、既に滑走路があるところを選ぶというのが最も 合理的でしかも早期に普天間の閉鎖が完了するということです。で すから、政府・防衛省も含めて早く、普天間の固定化はあってはな らないということは政府、総理も言っておられるんですから、もっ と早くできるところというのをしっかりと調べて、手をつけるべき

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だろうというのをかねてから申し上げていることでございます。そ のほうが断然早いということです。」と答弁をしている。

3回目の質問状がないから理解を示していたということは、議会 における答弁内容と明らかに反するものである。

(2) 防衛大臣の回答自体が無内容若しくは欺瞞的なものであること ア 審査請求書・執行停止申立書は、「沖縄の地理的優位性について

は…前知事からの質問に対する防衛大臣からの回答(防防日第1 5062号(23.12.19)14頁)でも明らかにしている とおり、海兵隊が 仮に九州や本 州に駐留した場合、『確 かに朝鮮 半島に近くなる場合がある一方で、それだけ台湾、東南アジアと いった地域から遠ざかることとなり、これらの地域における種々 の事態への対処に 遅れが生じる 』といったデメリットが生じる」

としているが、一方に近づけば他方から遠ざかるということを言 っているだけでまったく無内容であり、沖縄が地理的に優位であ るという論理はまったく示されていない。

先に述べたとおり、普天間飛行場に配備されている航空部隊は、

長崎県・佐世保基地を母港とする揚陸艦に搭載されて任務につく ものである。揚陸艦に搭載されて洋上展開している期間が一年の うちの半分以上を占めるが、洋上展開している期間に「台湾、東 南アジアといった地域…における種々の事態への対処」をする際 には、沖縄の地理的位置は問題とならない。また、洋上展開をし ていない時期に沖縄から出撃するとした場合、朝鮮半島に関して は長崎県・佐世保基地から朝鮮半島とは逆方向の沖縄に揚陸艦が 向かい、沖縄で部隊を搭載した後に、朝鮮半島に向かうことにな

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り、仮に九州に駐留している場合と比較すると、時間的なロスは 著しいものとなる。他方、台湾、東南アジアといった地域につい ても、1年のうちの半分以上を占める洋上展開をしている時期に ついては、航空基地がどこに所在しているのかは問題とならない。

洋上展開していない時期についても、長崎県・佐世保基地から揚 陸艦が到着するのを待たなければならないのであるから、例えば、

長崎県・佐世保基地の近隣の地域と比較して、沖縄の地理的優位 性は認められないことになる。

イ(ア) また、執行停止申立書は、「(防防日第15062号(23.

12.19))の22頁に示すとおり、海兵隊が本土に駐留した 場合との比較における沖縄駐留の優位性に係る前知事からの質 問に対し、防衛省から具体的に回答したところである」として いる。

しかし、これも具体的に見るならば、およそ論拠とはなり得 ないものであり、このような内容を防衛大臣名で回答し、審査 請求書・執行停止申立書においても「海兵隊が本土に駐留した 場合との比較における沖縄駐留の優位性」の根拠とされている ことこそ、普天間飛行場に配備された部隊の駐留先が沖縄でな ければならないとすることに合理的な根拠がないことを示して いる。

(イ) 防衛大臣の第1次回答の全文を引用すると、以下のとおりで ある。

仮に、海兵隊が、九州や本州に駐留した場合、沖縄と比較し、確かに

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朝鮮半島に近くなる場合がある一方で、それだけ台湾、東南アジアとい った地域から遠ざかることになる。

・ 例えば、沖縄から比較的近い九州に所在する米海軍佐世保基地で あっても、沖縄北東約800㎞に位置しており、当該基地から我が国 最西端に所在する与那国島までは約1200㎞の距離、時間にすれば、

艦船(20㏏)で約32時間、回転翼機(120㏏)で約5時間半 を要することとなる。

・ 他方で、沖縄から与那国島までは約500㎞の距離であり、同様 に換算すれば、艦船で約13時間半、回転翼機で約2時間となり、

米軍佐世保基地との比較において、艦船、航空機のいずれの場合に おいても半分以下の時間で展開が可能であることを意味する。

(ウ) 佐世保と与那国島、沖縄(沖縄島の意味であろう)と与那国 島の距離を比較すれば、沖縄と与那国島の距離の方が短いこと は、もって回った言い方をしなくても、わかることである。

同様に、朝鮮半島に近接した九州や日本海に面した地域との 関係では、沖縄は佐世保よりも遠ざかることになる。

また、平成 21 年 12 月 17に国家安全保障会議決定・閣議決 定された「平成 26 年度以降に係る防衛計画の大綱について」

においては、「ロシアは、軍改革を進展させ、即応体制の強化と ともに新型装備の導入等を中心とした軍事力の近代化に向けた 取り組みが見られる。また、ロシア軍の活動は、引き続き活発 化の傾向にある」として、「我が国を取り巻く安全保障環境」の なかでロシアを取り上げているが、日本の最東端、最北端の地 域や、ロシア太平洋艦隊の本拠地であるウラジオストクとの距

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