多数の死傷者が発生したり,建造物が破壊される等の具体的な被害が発生した場合に は,当初,その被害の原因が明らかではないことも多いと考えられる。このため,県は,
武力攻撃事態や緊急対処事態の認定が行われる前の段階において,住民の生命,身体 及び財産を保護するための初動体制を次のとおり確立する。
法第29条第11項,基第3章第2
第1節 県危機管理対策本部の設置及び初動措置(
節5)
1 県危機管理対策本部の設置
(1) 知事は,現場からの情報により多数の人を殺傷する行為等の事案の発生を把握し た場合においては,県として的確かつ迅速に対処するため,県危機管理対策本部を 速やかに設置する。
県危機管理対策本部は,本部長を知事,また,副本部長を副知事が務め,事務 局長を防災・危機管理部長が務める。本部には,部が設けられ,各部長が本部員 を構成する。
なお,本部長に事故があるとき又は本部長が欠けたときは,知事の職務代理の 順序により,副本部長がその職務を代理する。
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本部長及び副本部長にともに事故があるとき又は欠けたときは 本部員のうち 茨城県知事の職務を代理する上席の職員を定める規則(平成19年茨城県規則第 24号)に規定する職員である者が,同規則に規定する順序に従い,本部長の職 務を代理する。
(2) 県は,県危機管理対策本部を設置したときは,直ちに事案の発生について,消 防庁を経由(県警察本部長においては,警察庁を経由)して国〔内閣官房〕に連 絡する。
(3) 県危機管理対策本部は,県警察,消防,自衛隊等の関係機関を通じて当該事案 に係る情報収集に努め,国,市町村,指定公共機関,指定地方公共機関等の関係 機関に対して迅速に情報提供を行う。
茨 城 県 の 危 機 管 理 体 制
*1)茨城県国民保護対策本部 :武力攻撃事態等の発生時に設置
*2)茨城県緊急対処事態対策本部:緊急対処事態(大規模テロ等)の発生時に設置
平時の危機管理
危機管理関係情報の収集・分析
茨城県危機管理対策本部
本 部 長 : 知事 副本部長 : 副知事
本 部 員 : 各部長等
・事件等の情報収集・分析
・事件等への対策の決定・実施
・関係機関との連絡調整
事務局
事 務 局 長 : 防災・危機管理部長 事務局次長 : 防災・危機管理次長
武力攻撃事態等における国民の保護のための措 置に関する法律ほか
茨城県国民保護対策本部
(茨城県緊急対処事態対策本部)
本 部 長 : 知事 副本部長 : 副知事 本 部 員 : 各部長等
・国民保護措置の実施
事務局
事 務 局 長 : 防災・危機管理部長 事務局次長 : 防災・危機管理次長
茨城県危機管理連絡会議
議 長 : 防災・危機管理課長 副議長 : 消防安全課長 会議員 : 各部企画監等
・事件に関する情報収集・分析
・事件等への対策の検討
・関係機関との連絡調整
対象事象
○武力攻撃事態等
・着上陸侵攻
・ゲリラ・特殊部隊による攻撃
・弾道ミサイルによる攻撃
・航空攻撃
○緊急対処事態(大規模テロ等)
・原子力事業所等の破壊等
・ターミナル駅の爆破等
・サリン等化学剤の散布等
・航空機等による自爆テロ等 国民保護法に基づく県国民保護対策 本部設置の指定
茨城県危機管理連絡会議 設置要綱
国 民 保 護 対 策
国の指定に より移行
災害・事故等の発生
茨城県危機管理対策本部 設置要綱
(緊急対処保護措置の実施)
茨城県防災監会議
議 長 : 防災・危機管理部長 副議長 : 防災・危機管理部防災監 会議員 : 各部防災監等
・全庁的な防災・危機管理の推進
・防災・危機管理に必要な事務の担当部局の協議・調整 茨城県防災監会議 設置要綱
国 が 指 定
防災・危機管理課長 防災・危機管理課長
*1
*2
2 初動措置の実施
県は,県危機管理対策本部において,事態に応じて関係機関により講じられる消
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防法 警察官職務執行法 災害対策基本法等に基づく避難の指示 警戒区域の設定 救急救助等の応急措置についての情報を収集・分析し,被害の最小化を図る。
なお,事態認定後においては,県国民保護対策本部において,避難の指示等の所 要の国民保護措置を実施し,被害の最小化を図る。
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3 知事は 事案に伴い発生した災害への対処に関して 必要があると認めるときは 国の関係機関や他の都道府県に対し支援を要請する。
4 県国民保護対策本部を設置すべき県の指定の要請等(法第26条第1項及び第2 項)
知事は,県が県国民保護対策本部を設置すべき県の指定が行われていない場合に おいて,県における国民保護措置を総合的に推進するために必要があると認める場 合には,内閣総理大臣に対し,消防庁を経由して県国民保護対策本部を設置すべき 県の指定を行うよう要請する。県の区域内の市町村の長から,市町村対策本部を設 置すべき市町村の指定を行うよう要請があった場合も,同様とする。
基第3章第2節5)
第2節 県国民保護対策本部に移行する場合の調整(
県危機管理対策本部を設置した後に政府において事態認定が行われ,県に対し,県 国民保護対策本部を設置すべき県の指定の通知があった場合は,直ちに県国民保護対 策本部を設置して新たな体制に移行するとともに,県危機管理対策本部は廃止する。
なお,県国民保護対策本部の設置前に災害対策基本法に基づく避難の指示等の措置 が講じられている場合には,すでに講じられた措置に代えて,改めて国民保護法に基 づく所要の措置を講ずるなど必要な調整を行う。
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第3節 市町村における初動連絡体制の迅速な確立及び初動措置 (法第29条第11項
基第3章第2節5)
(1) 多数の人を殺傷する行為等の事案を市町村長が把握した場合,市町村は,県に準 じた対応をとるものとする。
(2) 市町村が「危機管理対策本部(仮称 」等を設置した後,政府において事態認定) が行われ,市町村国民保護対策本部を設置すべき市町村の指定の通知があった場合 は,直ちに市町村国民保護対策本部を設置し 「危機管理対策本部(仮称 」等は, ) 廃止するものとする。
(3) (2)の場合において,市町村国民保護対策本部の設置前に災害対策基本法に基づ く措置が講じられている場合には,必要な調整を行うものとする。