第3章 SC から見た学校支援に関する研究
第2節 SC 調査による協働的背景の現状(研究2)
2. 分 析
第3章1節の調査と第2項.方法の1.対象,2.インタビューの手続きと倫理的配慮,3.
分析方法と手順については,重複するため,割愛した。
1.学校支援における教員とSC協働の現状に関するカテゴリの該当部分については,重複
するため,割愛した。
生成されたカテゴリグループ,カテゴリ,サブカテゴリについてはTable3-10に示す。
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Table 3-10 面接内容の概念化とサブカテゴリ・カテゴリ・カテゴリグループ分類の例
(STEP2)
番号 No 本 文 ラ
ベル
サ ブカ テゴ リ
カテ ゴリ
カテ ゴリ グル ープ
属 性 次
元 コ アカ テゴ リ
643 3
そうね、やっぱり知ることから、
やっぱり個々の学校も知らない し。学校っていう平均値みたい なものも分からないし。「え」
ってかんじで毎日過ごしている と思うんですよ。びっくりでし ょうね。
学校理解の
不足:若手SC 若 手 SC の課 題
S Cの 専門 性
学校 理解
初 任者 SC
SC の職 業的 発達
2468 7
私自身も1年目なので、どうし たらいいもんかということと、
1年目のSCの 限界:動き方が 理解しづらい
※調査対象者の番号はNo.に示した。
3. 確認面接(STEP 5)
上述より生成された面接調査結果(ゴシック部分は除く)をA4用紙2枚にまとめた。そ れをSCの協働と学校支援の関連(第3章1節)と共に結果を返した。情報提供者に前述の 概念を提示した結果,「SCは臨床経験やSCとして年数の浅い方にとっては大変。」「他の人 の意見が同じでホッとした」等の意見が出た。特に若手SCの協働困難については,納得す るといった感想が述べられた。全員が理解可能なことが確認され,一定の妥当性があると 判断した。その時提供された情報は,病院・個別相談組織は学校と比べて指揮系統が明確 であること,学校は教員との2項対立になりやすいこと,ニーズを探ることが仕事になる とのことだった。疑問として,臨床経験によるとらえ方や学校種による差を知りたいとい う意見が寄せられた。
下記にコアカテゴリの詳細を記述する。Table3~7のゴシック部分は,確認面接にて付け 加えた情報である。
68 第3項. 結 果
1. コアカテゴリの生成とストーリーライン (1) コアカテゴリの生成
以下では,3章1節の2.コアカテゴリの生成で説明したように,「教員とSC協働と学校 支援に影響を与える要因はどのようなものなのか」を包括的に説明するコアカテゴリ(戈 木,2006),⑨【SCの職業的発達】,⑩【教員やSCの専門性】⑪【学校と個別相談機関の 支援形態】⑫【SCから見た学校種の特性】⑬【学校支援に特徴のある学校】についての代 表的な状況やカテゴリについての説明を再度行う。改めて表記については,コアカテゴリ 名を【 】,次元の様式名を「 」,属性を“ ”,カテゴリグループ,カテゴリ,サブカテ ゴリと協力者 No.を下線(数字)とする。
(2) 学校内の協働や学校支援の背景となるコアカテゴリのストーリーラインと属性 協働の背景に関するコアカテゴリの内,SCがより協働可能になるための⑨【SCの職業 的発達】は,⑩【学校と個別相談機関の支援形態】の違いを理解するところから始まって いた。それらの学校の支援形態も,学校によっては,⑪【学校種の特性】,⑫【学校支援に 特徴のある学校の特性】により異なり,多様性が見られた。その中でSCは,⑬【教員や SCの専門性】を理解していくことが必要と考えられた。以下に各カテゴリの属性を示す。
⑨【SCの職業的発達】において,SCが学校の中で児童生徒や保護者,教員を支援する 存在として,「若手SC」と「中堅以上SC」の2次元でどのように行動や考え方が異なるか を比較した。比較の際には,各立場の意見だけでなく,中堅以上SCから若手SCを見ると どのように見えるのかについての内容も含まれていた。“学校理解”は,学校での動き方や,
SCとして学校での支援をどのように理解しているのかについて示されていた。“心理士と してのアイデンティティ”では,SCとして仕事をする際に,心理士としてどのように向き 合い,どのようにスクールカウンセリングを捉えているのかについて示されていた。“必要 と考えるカウンセラー役割”では,SCとして仕事を行うに際して,どこまでを仕事の範囲 として捉えるのか,何をSCの仕事と考えているのかについてが見られた。“教員との関係”
では,SCとして,どのように関係を取っているのかについて示されていた。“情報管理”
では,SCとして,どのように学校内での情報を扱うのか,どのように校内での情報を収集 するのかについて示されていた。“心理学的知識の使用方法”では,大学院において学んで きた臨床心理士の基礎知識をどのように捉え,活用しているのかについてが見られた。“教
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員との学校支援の構築”については,学校支援に構築に際して,教員にどのように働きか けるのかについての内容が見られた。
⑩【教員やSCの専門性】において,SCから見て,教員やSCがどのような専門性を持 ち,またSC自身の活動や協働の在り方を各立場からどのように見ているのかについて,「SC の専門性」と「教員の専門性」の2次元により比較した。“位置づけ”では,各立場をどの ように見ているのかについてが示されていた。“役割”では,児童生徒支援に際して,各立 場について,どのような働きをし,機能する存在として見ているのかについてが見られた。
“予防活動”では,「SCの専門性」についての予防活動への考えや行動,「教員の専門性」
に際してはSCから見た教員の現状や期待等が示された。“SCの活動範囲”において,「SC の専門性」では,SC自身の考える活動範囲と,教員から見なされるSCの活動範囲が含ま れていた。“専門性の研修”において「SCの専門性」では,SC自身の専門性の研修に関し て,SCがSCとしての技能をどのような形で身に付けてきたのかについての内容が見られ た。「教員の専門性」については,調査対象者のデータからは得られなかったので,文部科 学省が定める研修の項目(2013)について示された。“専門家としての期待”では,SCか ら見て,SCに何を求めているのかについて,「教員の専門性」に際しては,教員に対して 学校内でどのような行動を期待しているのかについてが示された。“専門文化”について,
「SCの専門性」は,心理士としての基盤を基に,どのような文化を持っているのかについ てが見られた。「教員の専門性」は,SCが感じている教員のもつ独特な行動様式や考え方 なども見られた。“協働への姿勢”において「SCの専門性」では,協働に際して,SCがど のような動きや考えを持っているのか,「教員の専門性」に関しては,SCとの協働に対し てどのように見ているのか,教員間の協働はどのようにSCとの協働に影響を及ぼすのかに ついてが示されていた。
⑪【学校と個別相談機関の支援形態】において,SCから見て,「学校」と「個別相談機 関」の2次元で,支援の様式がどのように異なるのかについて比較した。比較については,
病院勤務の経験のある調査対象者(4,6,10)の語りから主に採取した。“対象者の特徴”では,
どのような対象者を支援しているのかについてが見られた。“対象とする範囲”については,
どこまでを仕事の範囲として捉えるのかについて示されていた。“異職種との方向性”では,
カウンセラー以外の異職種との援助方針についての方向性の違いが見られた。“カウンセラ ーの役割”は,カウンセラーとしてどのような役割を果たす必要があるのかについてが見 られた。“組織形態”については,どのような組織形態の中で仕事をしているのかについて
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が見られた。“情報共有”については,情報共有をどのように行うのか,また行う必要があ るのかについてが見られた。“スタッフ”については,各施設内でどのようなスタッフと共 に働いているのかについてが見られた。
⑫【SCから見た学校種の特性】において,SCとして勤務する「小学校」「中学校」「高 等学校」の3次元で,どのような特徴があるのかについて比較した。“会議の在り方”につ いては,どのような時間帯で会議を持つのかについてが見られた。“児童生徒への対応”に ついては,SCとしてどのように児童生徒を支援するのかについて示されていた。“学歴コ ンプレックス”については,各校種において,教員が学歴や修士卒以上のSCの学歴につい て,どのように見なしているのかについてが見られた。
⑬【学校支援に特徴のある学校】については,学校支援に特徴のある学校に勤務経験の ある調査対象者(9)のデータを基に分析した。次元として,「養護施設内の学校」と「不登校 を積極的に受け入れる学校」について比較した。“対象となる児童生徒”では,各学校に通 っている児童生徒の背景や,家庭的状況についてが見られた。“教員の特徴”では,そこで 勤務する教員の背景や児童生徒支援のあり方が見られた。“児童生徒の支援体制”について は,対象となる児童生徒をどのような体制の下で支援し,児童生徒はどのように取り組ん でいるのかについてが示されていた。
2. コアカテゴリの次元について
コアカテゴリの次元について,「教員とSC協働と学校支援に影響を与える要因はどのよ うなものなのか」の視点から,対象者を踏まえて検討した。
その結果,⑨【SCの職業的発達】については,第3章1節で示したように,若手SC(対
象者No.1,2,6,7)自身の語りや,若手SCについて語った内容については「若手SC」とい
う次元名とした。対象者No.1,2,3,5,6,7,8,9,10,11,12が該当した。一方,中堅以上SC(対
象者No.3,4,5,8,9,10,11,12,13)自身の語りや動きについて語った内容については「中堅以
上SC」という次元名とした。対象者No.3,4,5,8,9,10が該当した。
⑩【教員やSCの専門性】については,SC自身の専門性や背景にある専門的文化,SC としての専門性を培った研修の内容については「SCの専門性」という次元名とした。対象
者No.1,3,4,5,6,8,10,12が該当した。またSCから見て教員に期待することや,教員の実態,
考え方,教員としてのSCの見方についての内容は「教員の専門性」という次元名とした。
対象者No.1,2,3,4,5,8,10,11が該当した。