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事訴 250 制棋 200
150 100 50 0
1996 1998 1999 調査年
2000 2001
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図 19.フタモンテン トウと在来2種テン トウムシの発生数,
アブラムシの発生量との関係.
(1996‑1998のデータは岡・久保,未発表;藤井・魚谷,未発表;寺口,未発表による) 1997
図 20.同じリーフシェルターで越冬するフタモンテントウ(右2匹)と キイロテントウ(左 2匹).
第4章飼育実験によるフタモンテントウの生理的特性の解明
はじめに
北米やヨーロッパで、はフタモンテントウは普通種であり,すでにさまざまな研究が 行われ,その生、活史や生理的特性についてはかなりの部分が解明されているが(例え ば Hodekand Hone ,k1996) ,日本においては侵入が確認されてからまだ10余年しか経 っておらず,本種の日本個体群について行われた研究はまだ少ない. しかし,本研究 の野外調査やこれまで、の研究(S北ura白血
e ta l .
,2 0 0 0 )
によって,フタモンテントウ分布地 Semyanov, 1970; Hodek and Honek, 1971; Obrycki and Tauber, 1981; Fr;包 .erand McGregor, 1992; Honek and Kocourek, 1988; Hamal出lennand M紅比凶a, 1977)の南限と考えられる( (図 3). 日本の気候下において野外では越夏としづ現象が見られるなど, 日本個体 群独特の生活史を持っていることが明らかlこなっている.また,食性についてもヨー ロッパや北米で、は,樹木寄生性アブラムシだけでなく草本植物に寄生するアブラムシ まで,さまざまな種のアブラムシを餌としているのlackman, 1965,1967; Wyss
e t
a ,.l 1999)のに対し,日本では幼虫・成虫とも特定の数種のアブラムシを捕食しているだけ であることもわかっている(S北 町 団 組ie t a
,.l2 0 0 0 ) .
しかし,その生理的特性にどのよう な変化が起こっているかはまだ研究例が少なく,不明な点が多い.そこで,本章では 室内でフタモンテントウの日本個体群を飼育することによって本種の生理的特性を明 らかにすることを目的とした.また 本実験を行うに当たってフタモンテントウの実 験用個体の安定供給を目的として代用餌による本種の累代飼育を試みた.第1節フタモンテントウの累代飼育
1 .
目的テントウムシ類の室内実験をするためには飼育個体は常に安定して供給されること が望ましく,そのためには人工飼育によって飼育個体を増殖させることが必要である.
捕食性テントウムシの人工飼育において最も重要な要因は餌の供給であり,その際に 使われる代替餌については海外では古くから広く研究されていて,代替昆虫や花粉な どが用いられ累代飼育にも成功している (Haug,1938; Sr凶rno,ff 1958; Smi也 1960; A凶lahand Newsom, 1966) .日本でもさまざまな研究が行われ,特にナミテントウの累
代飼育に対するミツバチの雄蜂児(生や冷凍だけでなく凍結乾燥粉末も含む)の有用 性が報告されて以来,この分野の研究は急激に進んだ(岡田ら, 1970,1971, 1972 ,a1972b;
岡田,1971).実際の飼育法は比較的簡単で,飼育個体の入った容器に餌を置き(粉末 の場合は別にスポンジなどに含ませた水も用意する),カピが発生しない様に定期的に 交換してやる方法である(岡田,1977).
フタモンテントウは日本国内においては基本的に年 l化性であり,継続的に室内実 験を行うにあたり,野外から卵を採取できるのは春季のみに限られ,また,採取の手 聞がかかり非効率的である.そのため累代飼育によって継続的に個体を得ることが望 ましい.しかし,本種の主な餌アブラムシであるイタヤニタイケアブラムシは樹木寄 生性のアブラムシであり, 3月‑‑‑‑‑5月頃にしか発生しないため,調封境的な供給が困難で ある.そのための代替餌としてフタモンテントウ幼虫の飼育は可能でも累代飼育には 成功していない (Kariluotoet a ,.l1976).人工餌ではなく,海外では本種が野外で餌と しているアブラムシや多化性のフタモンテントウの海外個体群を用いた実験で既に利 用されている種,その他野外の草本植物に寄生する穫の中でも京臨続して入手しやすい,
または増殖させやすいアブラムシを数種選択し,そのなかでフタモンテントウの飼育 に最も適したアブラムシの種を選び,累代飼育を試みた.
2 .
実験材料と実験方法 .代替餌の選抜実験に使ったフタモンテントウは大阪市南港中央公園で,越冬後の成虫個体を採集 し,採集地のトウカエデに寄生していたイタヤニタイケアブラムシを十分に与え,恒 温室でて飼育し (200C,R.H.60%, 14L: lOD)産卵させた.そこで得られた卵を恒温室 で解化させ (200C,R且 60%,14L: lOD),解化後 l匹ずつ透明なフ。ラスチック容器 (直径 95mm,高さ 65mm)の中に入れ,継続的な入手や飼育が比較的容易と思われ る5種類のアブラムシ(表 7)を十分に与えた.アブラムシの種ごとにフタモンテン トウ幼虫を各50個体ずつ飼育し,その生存率や発育日数,産卵数を調べた.その中で もっとも発育の良好なアブラムシを代替餌として採用し,累代飼育条件の検討を行な った.
表 7.代替餌として実験に用いたアブラムシとその寄主植物
アブラムシ
│
寄主植物エンドウヒゲナガアブラムシ │カラスノエンドウ AのI1'thosiphonpisum (Hanis)
I
Vicia sψium Linnaeusマメアブラムシ Atphis craccivora Koch
セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシ Uroleucon nigrotube町ulatum(Olive)
モモアカアブラムシ J¥Jyzus persicae (Sulzぽ)
ニセダイコンアブラムシ L
抑 〆
1おeりlsimi(Kal加lbach)‑累千℃飼育条件の確立
カラスノエンドウ
セイタカアワダチソウ SoUぬgoaltissima Linnaeus
キャベツ
Br,ω'sica oleracea L. v訂~capitata L.
キャベツ
実験に使うフタモンテントウは第1節と同じ方法で得られた卵を定温室で解化させ (200C, R且60%,14L: IOD),鮮化後 1匹ずつ透明なフ。ラスチック容器(直径95mm, 高さ 65mm)の中にいれ,代替餌の選抜実験で選ばれたアブラムシ1種を十分に与え 飼育し,羽化後は大き目のフ。ラスチック容署員長さ
3 0
伽un,幅8
伽1lTIill,高さ1 0
伽1m)に成虫をまとめて入れ,同じ餌を与え続けた.交尾個体を砺忍し次第その個体を別容 器に移して個別に飼育した.また羽化成虫が産卵しない場合を考慮し,同じ年1化で あるカメノコテントウ Aiolocariahexlωipilota (Hope)の場合を参考に短日低温条件下に 置いて,一度休眠状態にして(岡田, 1977)その後産卵するかどうかの検討も行なった.
3 .
結果‑ft‑替餌の選抜
飼育実験の結果(表 8),幼虫の生存率が0%で、あったセイタカアワダチソウヒゲナ ガアブラムシは選択肢から外された.残る4種のアブラムシの結果についてが検定に 掛けたところ,フタモンテントウの生存率に関しては4種のアブラムシの間では有意 な差は無かった
(%2=0
.45d .
f.= 3
p>O.05) .しかし,発育日数を多重比較検定(Tukey‑Kramer法)に掛けたところ,エンドウヒゲナガアブラムシで飼育した場合のみ,
他のアブラムシで宮司育した時にくらべ有意に長いということが判明した (p<0.05).従 ってエンドウヒゲナガアブラムシとセイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシを除い た 3種のうち,どの種を用いても発育日数や死亡率に差が無いことから過去の研究
( K
司i阻eta ,.l2000)でも用いられたことのある飼育の容易なマメアブラムシを用いる ことが適当であると今回の実験から判断された.表 8.各種アブラムシでの飼育による卵から羽化までのフタモンテントウの生存率と 総発育日数
フタモンテントウ アブラムシ
生存率 総発育日数 マメアブラムシ 44%a 26.0+1.0a エンドウヒゲナガアブラムシ 44%a 28.5+1.5b
酔 目 可 曹司・ 酔
モモアカアブラムシ 42%a 27.2+1.6a
町
酔晶 目+町酔晶酔4・・可 ・ 曹 司 曹 司 酔+曹司曹司. ・ 曹 司 圃 司 圃 圃 曹 司 曹 司 .
ニセダイコンアブラムシ 40%a 25.7+2.0a
ー ・4・ 曹司曹司・4・ 咽 "圃曹司曹司・・・ ・ 圃 圃 曹 司可・4・ 曹 司 曹 司 曹 司 可 . 町酔+咽町酔町酔町酔+町酔咽 町酔曙 目町酔町酔 晶目町酔目町酔 町酔目 園田 ・晶 晶 目町酔町酔咽
セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシ 0% 計測不能 (閉じアルファベット聞には有意差無し)
‑累代飼育条件の確立
成虫は羽化から 10日前後より 200C環境下で、あっても餌の摂取量が減り,飼育容器 の隅に数匹単位で集団を作り休止していることが多くなり,活動が鈍くなった.そこ でこれらの成虫を 100
C,1OL14Dの短日条件下に 2週間ほど置き,その後再び200C, 14LlODの条件下に戻したところ,産卵を確認することができた.しかし,世代を重 ねるごとに産卵数が減っていき,野外から採取してきて産卵させた雌成虫個体の総産 卵数が1個体あたり平均 160+15個(鮮化率77.2%)を超えていたのに対し,代替餌 で飼育した次世代では総産卵数は平均30+5個(鮮化率76.0%) と激減し,次々世代 では平均 10士2個前後(鮮化率79.0%) と飼育個体数を維持できないまでに減少した
(表 9).
表 9.累代飼育に代替餌を用いた場合の世代別総産卵数と瞬化率 総産卵数(個) (1雌あたり) 解化率(%) 野外採集個体 160+15 77.2 代替餌での飼育第 1世代 30+5 76.0 代替餌での飼育第2世代 10+2 79.0
L
4 .
考察以上の結果からフタモンテントウの累代飼育において上記の餌や方法では十分では ないということが判明した.
原因としては a) 餌の不適合 b) 飼育装置の不適
c) 生活サイクルを乱すことによる生理的変化 d) 近親交配による個体群の弱体化
などがあげられる.現に上記の問題は人工飼料ではあるが,他のテントウムシ類の人 工飼育においても生じている(岡田, 1977).フタモンテントウにおいても人工飼料に よる幼虫の飼育に成功したとしづ報告がされているが (Kariluotoet al., 1976) ,累代飼 育はできていない.今回の場合ではa)については発育日数や死亡率に影響は無いが,
卵の発育に必要な栄養素が不足していた可能性がある.b)については一般的な飼育法 を用いたので,これが影響しているとは考えにくい.c)については温度や日長を変え たことで産卵前期なと生理的なサイクルを乱してしまい,今回の結果のようになっ た可能性がある.d)についてはナミテントウのように数世代飼育してもほとんど影響 の出ない種もあるが(岡田, 1977),ココノホシテントウやカメノコテントウのように 2'"'‑'3世代で繁殖が止まってしまう例あり(岡田, 1977),これも可能性としては十分に ありうると思われる.従って今回の結果の要因としてはa)ι)d)のどれか,あるいはそ れらの複合的な要因だと考えられる.しかし,産卵条件 (150Cの低温で1OL14Dの短
日条件でに約2週間)が判明したことから,いつ野外で成虫を採取しても産卵させる ことが可能になったため(本種の成虫は野外ではほぼ1年中見られる(第3章第l節),
室内実験に必要なフタモンテントウの個体を随時得るというこの実験の本来の目的は ある程度達成されたといえる.
第2節 フタモンテントウの温度と発育の関係,増殖能力
1.目的
フタモンテントウは,北米やヨーロッパを主な分布域とする種で、あり
( H o d e ka n d H o n e
,k1 9 7
1),これらの地域は日本の温暖湿潤の気候とはかなり異なっている(表1).そのため日本における本種の生理的特性がヨーロッパ産のものとくらべ異なっている 可能性があると考えられる.そこで飼育実験を行ない,発育零点(to)や有効積算温度(め を求め海外のデータと比較し,本種の生理的特性を調べた.
2.実験材料と実験方法
ブタモンテントウは大阪市南港中央公園で,越冬後の成虫個体を採集し,採集地の トウカエデ、に寄生していたイタヤニタイケアブラムシを十分に与え,定温室でて飼育し
( 2 0
0C
, R.H.60%
,1 4 L : 1 O D )
産卵させた.産卵された卵は約5 0
個ずつ1 5
,2 0
,2 5
,3 0
,3 5
0C
の各温度区におき,解化後l匹ずつ透明なフOラスチック容器(直径
95mm
,高さ65mm)
の中に入れ,卵 羽化までにかかる日数をステージごとに調べ,温度と発育速度の関 係や生存率,発育零点ω
と有効積算温度(めを求めた.また,卵,幼虫,踊の各ステ ージ別の有効積算温度と発育零点についても同様に求めた.餌はトウカエデに寄生し ていたイタヤニタイケアブラムシを十分に与えた.さらに野外から採取したフタモンテントウのうち, 1ベアを
2 0
0Cの温度下で宮司育し 産卵させ,その卵から僻化したフタモンテントウ幼虫にイタヤニタイケアブラムシを 十分に与え飼育し,その生存率や日当たり産卵数,内的自然増加率を調べた.3.結果
実験の結果,フタモンテントウは