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上記の結果は、世帯主と世帯主の配偶者全体をみたものであり、彼らの出生年次(世代)の差 を考慮していない。離家に関する設問は「はじめて親元を離れた経験」という内容であるので、

過去の調査で出生年次が同じものをそのままあわせて分析することで、安定した結果が得られる のではないかと考えられる。ただ各回の調査は、異なる時点に、それぞれの調査の枠組みの中で 行われている。そのため、各回の調査の数値をそのまま合計するのではなく、離家理由割合を第

4

回調査から第

7

回調査までの平均をすることで分析を試みる(第

6

回調査は

3

県を含む場合)。

-90-

離家理由は

6

節で取り上げた

3

つの理由(「入学・進学」、「就職・転職・転勤など」、「結婚」)に 限定した。

まず、離家理由が「入学・進学」の割合の第

4

回調査から第

7

回調査までの平均値でみると、

男性では

1920~1949

年生まれの世代では

10%台の後半であるが、 1950

年代生まれ以降の世代で

は大きく上昇し、1970~1979 年生まれの世代では

30%台前半に達する。これは、後述する「就

職・転職・転勤など」を

1%程度上回る水準である。女性では、1920~1949

年生まれの世代では

10%を下回り、男性よりも低い。1950

年代生まれ以降の世代では、男性と同様に大きく上昇し、

1970~1979

年生まれの世代では

20%台後半に達し、男性との差は小さくなっている。第 6

回調

査で

3

県を除く場合の数値を用いた場合でも同様の傾向がみられる。

次に、離家理由が「就職・転職・転勤など」の割合についてみてみよう。男性ではこの離家理 由は最も多い理由であった。1920~1929年生まれでは

40%台半ばであったが、1930~1939

年生 まれ、1940~1949 年生まれになるにつれて上昇し、後者では

50%台半ばに近い水準で最も高く

なる。1960 年生まれ以降の世代では、この理由による離家は少なくなり、1970~1979 年生まれ の世代では「入学・進学」による離家を1%程度下回る。女性の「就職・転職・転勤など」によ る離家は、男性より水準は低いが、出生年次による動きは男性と同じような形になっている。

1940

~1949年生まれで

30%台前半でピークとなっており、 1950

年生まれ以降の世代では低下し、

1960

年生まれ以降の世代では

20%程度となっている。こうした動きは、1940~1949

年生まれの世代 は、就職の時期に高度経済成長を迎えており、親元を離れる形での移動が多かったのではないか と思われる。なお、第

6

回調査で

3

県を除く場合の数値を用いた場合でも同様の傾向がみられる。

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

19201929 19301939 19401949 19501959 19601969 19701979 19201929 19301939 19401949 19501959 19601969 19701979

男性 女性

割合

図X-2 出生年次別離家理由割合(主な理由、世帯主と世帯主の配偶者)

-第

4

回調査~第

7

回調査の平均-

入学・進学

就職・転職

・転勤など 結婚

注:第7回調査は3県をを除く。集計対象は、各調査とも出生年次別のサンプル数が、離家経験がありかつ離家理由が「不詳」をでない 世帯主と世帯主の配偶者について100以上のもの。

そして、「結婚」は女性で最も多い離家理由である。しかし、結婚による離家の割合を第

4

回 調査から第

7

回調査の平均値でみると、出生年次が最近になるにつれて、この理由による離家は 変動を持ちつつも少なくなる傾向にある。第

6

回調査で

3

県を含む場合の数値を用いた方の結果 で見ると、

1920~1939

年生まれの世代では「結婚」による離家は

60%程度を占めていたが、 1940

-91-

~1949 年生まれでおよそ

50%、1950~1969

年生まれで

40%台、1970~1979

年生まれで

40%を

若干下回る水準となっている。男性の場合、「結婚」による離家は安定的に推移している。若干 の変動はあるが、1920~1979 年生まれの各世代でおよそ

17~22%で推移している。こうした傾

向は第

6

回調査で

3

県を除く場合の数値を用いた場合でも同様である。

このように、出生年次別に離家理由をみると、男女とも「就職・転職・転勤など」による離家

1940~1949

年生まれをピークにして低下する一方で、「入学・進学」による離家が増加する傾

向にある。「結婚」による離家は女性で少なくなる傾向にある一方で、男性では安定的である(図

X-2)。

付表

入学・進学 就職・転職

・転勤など 結婚 入学・進学 就職・転職

・転勤など 結婚

1920~1929年 16.6% 44.7% 20.1% 16.6% 44.7% 20.1%

1930~1939年 15.0% 51.2% 22.0% 15.1% 51.1% 22.0%

1940~1949年 17.3% 54.6% 18.6% 17.3% 54.4% 18.7%

1950~1959年 28.4% 44.5% 17.9% 28.4% 44.3% 18.1%

1960~1969年 32.3% 34.8% 21.3% 32.2% 34.9% 21.3%

1970~1979年 34.2% 33.6% 18.1% 34.1% 33.6% 18.1%

1920~1929年 6.2% 24.4% 60.7% 6.2% 24.4% 60.6%

1930~1939年 6.3% 24.9% 61.2% 6.2% 25.0% 61.2%

1940~1949年 9.5% 34.6% 50.5% 9.5% 34.5% 50.5%

1950~1959年 18.9% 30.0% 45.2% 18.9% 29.8% 45.4%

1960~1969年 20.7% 19.2% 49.2% 20.7% 19.1% 49.3%

1970~1979年 27.0% 19.2% 39.3% 27.0% 19.1% 39.4%

X-2 出 生 年 次 別 離 家 理 由 割 合 ( 主 な 理 由 、 世 帯 主 と 世 帯 主 の 配 偶 者 )

- 第4回 調 査 ~ 第7回 調 査 の 平 均 -   デ ー タ

注:第7回調査は3県を除く。集計対象は、各調査とも出生年次別のサンプル数が、離家経験がありかつ離家理由が「不詳」でない世帯主 と世帯主の配偶者について100以上のもの。この表の右は第6回調査を3県を除いた場合で計算した参考値。

(参考)平均(第6回は3県を除く)

平均

男性

女性

-92-

-93-