第 3 章 LLG 方程式を用いたマイクロマグネティックシミュレーション 10
4.2 円盤モデル
4.2.1 実験概要
円盤中へのスカーミオン生成を通してDMI効果の妥当性を確認するため、先行論文[8]と同じ条 件でスカーミオン生成の実験を行った。
4.2.2 実験概要
計算対象は円盤とした。実験の様子を図4.3で示す。
図4.3: 円盤モデルにおける実験概要
初期磁化状態は中心部に磁化をz軸正方向を向かせ、その周囲はz軸負方向を向かせ、平衡状態(残 留磁化状態)を求めた。
4.2.3 離散化モデル
離散化モデルは格子状の計算領域から円盤状に切り出して作成した。そのときの状態を図4.4で 示す。
図4.4: 円盤モデルにおける離散化モデル
4.2.4 材料定数と計算条件
mz= 0となる部分をスカーミオンの端として得られたスカーミオンの直径を求めた。計算点数は 512×512である。使用した材料定数を表4.3に示す。
表 4.3: 2次元円盤モデルにおける材料定数
飽和磁化 Ms= 1100 emu/cm3
交換スティフネス定数 A= 1.6µerg/cm 磁気異方性定数 Ku= 12.7 Merg/cm3
損失定数 α= 0.5
磁気回転比 γ= 17.6 Mrad/s·Oe
使用した計算条件を表4.4に示す。
表 4.4: 2次元円盤モデルにおける計算条件
DMI定数 D= 0 erg/cm2 ∼ 8erg/cm2 z軸方向のセルの長さ dz= 0.6 nm
4.3 2 次元平面薄膜モデル
2次元薄膜モデルによってスカーミオンの出現範囲、エネルギーの差、エネルギーバリアを調査す るために実験を行った。
4.3.1 実験概要
計算対象を無限に広い平面の膜とした。しかし、本研究では非周期構造の計算モデルを使用するた め、有限の長さの計算領域しか定義できないため、スカーミオンに対して十分に広い計算領域を使用 することで無限に広い平面を仮想的に作成した。スカーミオンの出現範囲を調査する実験の様子を 図4.5に示す。
図4.5: スカーミオンの出現範囲の調査における実験概要
初期磁化状態は中心部にスカーミオンを配置し、その周囲はz軸負の方向を向かせ、時間が経過して からの磁化の平衡状態を調べた。
続いて、スカーミオン出現·消滅時における各状態のエネルギー差とエネルギーバリアを調査する 実験の様子を図4.6に示す。
図 4.6: スカーミオン出現·消滅における各状態のエネルギー差とエネルギーバリアの調査における 実験概要
4.3.2 離散化モデル
離散化モデルは格子状の計算領域を使用した。離散化モデルを図4.7で示す。
図4.7: 2次元薄膜モデルにおける離散化モデル
4.3.3 材料定数と計算条件
計算点数は256×256である。使用した材料定数を表4.5で示す。
表 4.5: 2次元薄膜モデルにおける材料定数
飽和磁化 Ms= 837 emu/cm3
交換スティフネス定数 A= 1µerg/cm
磁気異方性定数 Ku= 4 Merg/cm3∼6 Merg/cm3
損失定数 α= 0.5
磁気回転比 γ= 17.6 Mrad/s·Oe
使用した計算条件を表4.6で示す。
表 4.6: 2次元薄膜モデルにおける計算条件
磁気異方性定数 Ku= 4 Merg/cm3∼6 Merg/cm3
DMI定数 D= 0 mJ/m2 ∼ 2mJ/m2
z軸方向のセルの長さ dz= 1.2 nm