第 8 章 スカーミオン MRAM のシミュレーション解析 53
8.2 三角形モデルにおけるスカーミオンのスピン電流駆動
8.2.1 三角形モデルにおける電流密度分布計算
三角形領域に電流を流した場合の電子のポテンシャルエネルギーを調べた。まず、領域の上側から 左側に電流を流した場合の電子のポテンシャルエネルギーを求める。ここで、穴の境界条件には自由 境界条件を用いた。図8.9で領域の上側から左側に電流を流した場合の概略図を示す。
図8.9: 上側から左側に電流を流した場合の概略図
領域の上側から左側に電流を流した場合の電子のポテンシャルエネルギーの図を図8.10、図8.11 で表す。ここでは、最高のポテンシャルエネルギーを1、最低のポテンシャルエネルギーを0とした。
図8.10: 電流を上側から左側に流した場合における
LC = 10 nm時の電子のポテンシャルエネルギー
図8.11: 電流を上側から左側に流した場合における
LC= 20 nm時の電子のポテンシャルエネルギー
次に領域の右側から左側に電流を流した場合の電子のポテンシャルエネルギーを求める。図8.12で 領域の右側から左側に電流を流した場合の概略図を示す。
図 8.12: 右側から左側に電流を流した場合の概略図
領域の右側から左側に電流を流した場合の電子のポテンシャルエネルギーの図を図8.13、図8.14で 表す。
図8.13: 電流を右側から左側に流した場合における LC= 10 nm時の電子のポテンシャルエネルギー
図8.14: 電流を右側から左側に流した場合における
LC= 20 nm時の電子のポテンシャルエネルギー
図8.10から図8.14より高い電位の電極の方から低い電位の電極の方に電位が下がっていくことが確 認できた。また、三角形モデルにおける中心の円のサイズを変更しても各場所における電位に大きな 違いはないことがわかった。
図8.10から図8.14で求めた電子のポテンシャルエネルギーにより電流密度を求め、三角形領域に 電流を流した場合の電流密度分布を求めた。領域の上側から左側に電流を流した場合の電流密度分布 の図を図8.15、図8.16で表す。図8.15、図8.16における色と矢印の向きは電流密度の向きを表し、
矢印の大きさは電流密度の大きさを表す。
図 8.15: 電流を上側から左側に流した場合におけ
るLC= 10 nm時の電流密度分布
図 8.16: 電流を上側から左側に流した場合におけ
るLC= 20 nm時の電流密度分布
領域の右側から左側に電流を流した場合の電流密度分布の図を図8.17、図8.18で表す。図8.17、図 8.18における色と矢印の向きは電流密度の向きを表し、矢印の大きさは電流密度の大きさを表す。
図 8.17: 電流を右側から左側に流した場合におけ るLC = 10 nm時の電流密度分布
図 8.18: 電流を右側から左側に流した場合におけ
るLC= 20 nm時の電流密度分布
図8.15から図8.18より三角形モデルにおける中心の円のサイズを変更しても各場所における電流密 度分布に大きな違いはないとわかった。