0 0.25 0.5 0.75 1
0 0.25 0.5 0.75 1
0 1 2 3 4 5
m x
∆/ξ D(mJ/m 2 )
Analytical result
Local dipolar approximation nx 100 Local dipolar approximation nx 200 Local dipolar approximation nx 400 Explicit dipolar caluculation
図6.3: Dと境界部におけるmxの関係 図 6.4: 先行論文[8]の結果
まず、図6.1,6.2によりこの実験結果が先行論文の結果と定量的に一致していることがわかる。そ
して、図6.3,6.4より、Explicit dipolar approximationの条件では得られた結果は先行論文の結果と 一致することがわかる。また、図6.1によりLocal diploar approximationの条件では、計算点数が増 加するほど先行論文の結果及び解析式に近づいた。
ここで、境界部が内側を向く理由を示す。そのときの様子を図6.5に示す。
図6.5: 初期磁化状態が全て上向きと全て下向きとした場合の1次元の磁化状態の平衡状態
式(3.84)と式(3.87)においてmx0≈0, mxn−1≈0とみなせ、dxは格子間隔、D,2Aは正の定数 よりdx >0, D
2A>0である。これより計算領域の両端ではmz0, mzn−1の符号によってmx−1, mxn
の符号が決まる。初期磁化状態が上向きの場合、mz0>0, mzn−1>0であるため、式(3.84),(3.87) より計算領域のmx−1は負、mxnは正となる。つまり、計算領域に対してx軸方向は交換磁界によっ て外側を向く。式(3.86),(3.89)に対しても同様に考えるとmz−1≈mz0, mzn≈mzn−1となる。よっ
てz軸方向である上下方向の変化は少なく、交換磁界の影響がほとんどない。
ここで、計算領域の端の磁化が大きく傾いていたと考える。このときmx0<0, mxn−1>0である ため、式(3.84),(3.87)ではmx0, mxn−1の項も考慮しなければならなくなる。よって、式(3.84)で はmx−1が更に正の値が大きくなり、同様に式(3.87)ではmxnが更に負の値が大きくなる。これよ り、境界部分の傾きが大きければ大きいほど境界部分が外側を向きやすくなる。式(3.86),(3.89)に対 しても同様に考えるとmx0<0, mxn−1>0であるため、mz−1≤mz0, mzn≤mzn−1となる。よっ てz軸方向では交換磁界によって下を向きやすくなる。
これより図6.1,6.2において境界部付近の磁化が大幅に外を向くようになると思われる。
6.2 円盤薄膜モデル
円盤薄膜モデルにおいてスカーミオンが出現する場合としない場合におけるエネルギーについて 調べ、またDの値によるエネルギーの変化についても調べた。まず、エネルギーを求める各状態が 出現しているのかを確認した。先行論文 [8]では単一磁化構造とスカーミオン構造だけではなく2π rotation stateと3π rotation stateの磁化構造についてのエネルギーも求めている。この各状態の 磁化構造が出現できていることを確認するため、得られた各状態を図6.6から図6.9で示す。図6.6 から図6.9において黒色は下向きの磁化を表し、白色は上向きを表し、その他の色は面内向きの磁化 を表す。
図 6.6: D = 3.0 mJ/m2におけるQuasi-uniform state (0π rotation state)
図 6.7: D= 3.0 mJ/m2におけるSkymion state (1π rotation state)
図 6.8: D = 7.5 mJ/m2における2π rotation state
図 6.9: D = 6.0 mJ/m2における3π rotation state
続いて、図6.6から図6.9で確認できた各状態のエネルギーを先行論文と比較するためDの値に よるエネルギーの変化の結果を図6.10に示す。
-35 -30 -25 -20 -15 -10 -5 0
0 1 2 3 4 5 6 7 8
0 0.5 1 1.5 2
Energy(×10-19 J)
D(mJ/m2) D/Dc
Quasi-uniform state Skymion state 2π rotation state 3π rotation state
図 6.10: 計算点数512×512の各磁化状態のエネ ルギー比較の結果
図6.11: 先行論文[8]の各磁化状態のエネルギー比 較の結果
図6.10,図6.11より全ての条件において先行論文の結果と定量的に一致したことが確認できた。これ
より、スカーミオン構造を生成することができ、DMI効果を考慮したエネルギー計算の妥当性が確 認できる。
6.3 まとめ
本研究ではスカーミオンのシミュレーション解析を行うためにLLG方程式に対してDMI効果を加 えた。本章では加えたDMI効果の妥当性を検討するために、先行論文[8]との比較を行った。DMI効 果は実効磁界と境界条件に加える。そこで1次元薄膜モデルの実験結果によって実効磁界と境界条件に 対するDMI効果の妥当性を調べた。図6.1,6.2によりD= 3.0 mJ/m2における一次元の磁化状態が定 量的に一致した。そして、図6.3,6.4において、Explicit dipolar approximationの条件ではDの変化に よる境界部におけるmxの結果が先行論文[8]の結果と一致した。また、Local diploar approximation の条件では、計算点数が増加するほど先行論文の結果及び解析式に近づいた。これより、DMI効果 を考慮したLLG方程式の妥当性が確認できた。続いて、円盤薄膜モデルを用いて、DMI効果によ るスカーミオン生成の妥当性を確認した。さらにスカーミオンのエネルギーバリアを求めるために、
DMIによるエネルギー計算の妥当性を確認した。図6.10,図6.11より単一磁化構造、スカーミオン構 造、2π rotation state、3π rotation stateの全ての磁化構造において先行論文[8]のエネルギー 計算の結果と定量的に一致したことが確認できた。これより、スカーミオン構造を生成することがで き、DMIによるエネルギー計算の妥当性が確認できた。