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公営住宅システム

ドキュメント内 平成28年3月16日(: 長崎市│監査等の結果 (ページ 43-57)

長崎市は、昭和 52 年に汎用機

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を導入し、住民記録系、税系及び福祉系などの基幹 業務に係るシステムについて、順次開発及び運用を行ってきた。当該汎用機は、平成 20 年1月にハードウェアの老朽化が進んだことを理由に、新しいものに置き換えられ ている。しかし、導入から長期間継続利用してきた中で、汎用機が様々な課題を抱え はじめ、効率的な事務処理や多様化する市民ニーズへの迅速な対応が困難な状況とな った。 

そこで、長崎市は、平成 21 年 12 月に、これまでの課題を解決するための新たな基 幹業務システムを構築することを決定し、平成 26 年8月に新基幹業務システムの一部 を構成するものとして、オープン系システム

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である「税系システム」を導入した。 

税系システムのうち、市営住宅の管理運営に関連する業務(住宅家賃、駐車場使用 料)については、パッケージシステム

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である公営住宅システムが利用されている。 

ここでは、平成 26 年度に導入された公営住宅システムの導入状況と現在の運用状況 について検討することとした。 

公営住宅システムについて検討するための前提となる長崎市の情報システムの全体 像は、以下の【新基幹業務システムの全体構成イメージ】のとおりである。 

【新基幹業務システムの全体構成イメージ】 

※ 出所「情報システム課提供資料」 

        

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  汎用機とは、企業の基幹業務システムなどに用いられる大型コンピュータであり、例えば、メインフレームやホストコ ンピュータと呼称されている。相対的に大規模な組織向けであり、信頼性・安定性・容量、その他シリーズ間の互換性を保 持したものである。ミニコンピュータやオフィスコンピュータより大型で、特定用途のスーパーコンピュータ・組み込みコ ンピュータなどと異なり、汎用性がある。また、オープン系システムと異なり各メーカーによる独自設計の比率が高い。 

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  オープン系システムとは、様々なメーカーのソフトウェアやハードウェアを組み合わせて構築されたコンピュータシステ ムをいう。   

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  パッケージシステムとは、市販ソフトウェアのことであり、狭義には特定の業務あるいは業種で汎用的に利用することの できる既製の市販ソフトウェアである。 

また、公営住宅システムは、税系システムに含まれるものであり、その税系システ ムの対象業務は、以下のとおりである。 

【税系システムの対象業務】 

固定資産税(償却資産) 

固定資産税(土地、家屋) 

住登外管理 

リンケージ管理 

住居表示(住登外分) 

法人市民税 

軽自動車税 

収納消込(総合収納) 

納税組合 

送付先・宛て名管理 

口座管理 

OCR累積 

国民健康保険 

住宅管理(住宅家賃、駐車場使用料) 

※ 出所「税系システム調達仕様(平成 24 年6月 18 日)」   

(1)公営住宅システムの導入状況  ア.  概要 

公営住宅システムが含まれる税系システムの導入スケジュールは以下のとおりで あった。 

【税系システムの導入の流れ】 

時期  実施事項(主なものを抜粋) 

平成 24 年6月 18 日    公募(公募型プロポーザル方式:長崎市広告第 66 号) 

・税系システム構築業務に係る説明書発行 

・税系システム調達仕様の発行  平成 24 年8月 17 日  プレゼンテーション2社  平成 24 年8月 27 日  プロポーザルの審査結果発表 

業者選定 

平成 25 年4月 11 日  データ移行条件書の発行  1.  移行マスタ対比表  2.  移行結果検証内容  3.  移行フロー 

4.  イレギュラーデータ一覧  5.  データ加工リカバリ一覧  6.  コード変換表 

7.  車名変換案 

時期  実施事項(主なものを抜粋) 

平成 25 年 11 月  データ移行テスト1回目(平成 25 年7月末データ) 

平成 26 年6月  データ移行テスト2回目(平成 26 年5月末データ) 

平成 26 年7月 17 日〜 

平成 26 年7月 21 日 

システム本番移行処理  平成 26 年7月 22 日  システム本稼動 

※ 出所「税系システム構築業務に係る説明書(平成 24 年6月 18 日)等」 

 

なお、税系システムは、上記スケジュールで計画していた導入予定時期(平成 26 年7月)に実際に導入されている。 

 

イ.  実施した監査手続及び考察 

システムを導入する上で重要なのは、以下の2つのプロセスである。 

プロジェクト開始当初の業者選定プロセス 

プロジェクト終盤での移行の可否を判定する移行判定プロセス   

このため、ここでは、税系システム導入時の業者選定プロセス及び移行判定プロ セスを検討することとし、また、結果として当該導入に問題がなかったかを確認す るために、本稼動後の障害の発生状況について検討することとした。 

 

( i ) 業者選定プロセスの検討 

長崎市は、技術的な審査の実施体制として、委員 10 名、事務局5名で組成する「税 系システム構築業務特定審査委員会」を平成 24 年6月に設置した。 

受託業者は、「技術点」と「価格点」の合計点が最も高い方を選定することとし、

以下のいずれかに該当する場合は、「技術点」又は「価格点」を不合格とし、選定し ない。 

【業者選定から除外する要件】 

( 1) 「機能要件対応内訳書」の「必須/要望」の欄が必須となっている機能要 件の対応について「対応不可(× )」がある場合 

( 2) 平成24 年度から平成 26 年度に係るシステム構築費が構築費上限を超える 場合 

( 3) 提案価格が提案費用上限額を超える場合  ( 4) 技術点が7割未満の場合 

※ 出所「税系システム構築業務に係る説明書(平成 24 年6月 18 日)」   

長崎市では、選定した業者の評価結果について、その社名と技術点、価格点、合 計点及び技術点の合否を公表している。なお、この業者選定については、情報シス テム課へのヒアリングや「税系システム構築業務特定審査委員会」の議事録及び評 価シートの閲覧を行ったところ、特に問題は認められなかった。 

また、長崎市が新システムの機能として必須とする機能や必須ではないが要望す る機能についての対応の可否、対応予定状況等を、業者に確認している。その対応 として、業者から提出された「機能要件対応内訳書」について、情報システム課に ヒアリングを行った。その結果、パッケージがそのままでは現状の業務に対応でき ない場合、パッケージを改修して対応する案よりも、実際の業務のやり方を見直す 案の方を重視して評価を行ったとのことであった。このため、業者選定については、

以下の「税系システムの構築における基本方針(3)」が遵守されているものと認め られた。 

【税系システムの構築における基本方針】 

(1)  汎用機を廃止し、サーバー方式によるパッケージシステムを導入する。 

(2)  導 入に あたっ ては 標準 化さ れた 技術仕 様及 び業 務仕 様に 基づく パッ ケ ージシステムとする。 

(3)  パッケージの改修は必要最小限度にとどめ、業務をパッケージに合わせ るよう現状業務の分析を行い、業務のやり方を見直す。 

※ 出所「税系システム構築業務に係る説明書(平成 24 年6月 18 日)」   

( i i )移行判定プロセスの検討 

公営住宅システムが含まれる税系システムの構築スケジュールを確認した。また、

構築工程ごとの内容についても確認した。 

「新基幹業務システム構築スケジュール(構築工程別)」では、以下のとおり示さ れていた。 

【税系システムの構築スケジュール】 

※ 出所「新基幹業務システム構築スケジュール(構築工程別)」を基に監査人が作成   

各構築工程のスケジュール進捗や成果物については、情報システム課、住宅課等

の所管課と開発ベンダー

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で構成される「WG(ワーキンググループ

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)進捗報告会」

と、情報システム課と開発ベンダーで構成される「進捗等報告会」において、情報 が共有、協議され、システムが円滑に導入されるように管理されているとのことで あった。そこで、その内容について、平成 26 年2月から平成 26 年6月までの各報 告会の議事録を閲覧したところ、議事録に決定事項、未決・依頼事項の確認及び発 言者等が記載されており、進捗管理上、特に問題がないことを確認した。 

しかしながら、上記スケジュールのとおり、本稼動前の段階でのテスト環境から 本番環境への移行について判定するという工程が見受けられなかった。つまり、本 稼動の直前までの作業がほぼ完了し、構築したシステムが予定どおりに導入するこ とができるかどうかという判定が実施されていることを記録した議事録等は作成さ れていなかった。 

また、今回のような大規模なシステム導入時において、準拠すべき規定について 情報システム課にヒアリングを行ったところ、そのような規定は作成されておらず、

長崎市としての情報システム(IT)に係る規定については、「長崎市情報セキュリ ティポリシー」とその下位の規定のみであり、ITガバナンス

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に係る規定は作成 されていないとのことであった。 

  ( i i i ) 本稼動後の障害発生状況の検討 

公営住宅システムの本稼動後に発生した障害の発生状況と内容について、情報シ ステム課にヒアリングを行ったところ、発生した障害は以下の3つであった。なお、

障害の重要度については、A、B2つのランクに判定することとなっており、障害 ランクAは、住民にまで障害の影響が及ぶ場合のランクとされている。 

【公営住宅システムの障害発生状況】 

  発生日  ランク  内容  件数 

① 平成 27 年4月 16 日  A  印 刷 物 の カ ス タ マ ー バ ーコードの未表示 

家賃 8, 126 件  駐 車場 使 用 料 4, 556 件 

② 平成 27 年4月 24 日  B  駐車場使用料納付書作 成処理の異常終了に伴 う納付書出力不能 

102 件 

③ 平成 27 年6月3日  A  駐車場使用料口座2重 引き落とし 

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※ 出所「長崎市情報システム課提供資料」 

  上記いずれの障害についても、「長崎市情報セキュリティポリシー  第3章情報セ キュリティ対策基準」や「基幹業務系システム利用ガイドライン」に規定されてい         

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    ベンダーとは、「売り手」を意味する英語であり、製品の供給業者をいう。 

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    ワーキンググループとは、特定の問題の調査や計画の推進のため設けられた部会、作業班をいう。 

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    ITガバナンスとは、ITへの投資・効果・リスクを継続的に最適化するための組織的な仕組みをいう。 

ドキュメント内 平成28年3月16日(: 長崎市│監査等の結果 (ページ 43-57)

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