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免疫染⾊による細胞-細胞間接着の評価

ドキュメント内 美 浦 学 (ページ 110-113)

第 3 章 単層粒⼦膜を利用した細胞シートの作製

3.2 結果および考察

3.2.4 免疫染⾊による細胞単層および細胞シートの評価

3.2.4.1 免疫染⾊による細胞-細胞間接着の評価

細胞-細胞間接着の評価を⾏うために β-カテニンの免疫染⾊を⾏った。β-カテニンは細胞-細胞間接 着を形成する膜貫通型タンパク質であるカドヘリンに対して接着する細胞内タンパク質のひとつであ

a b c

0 5 10 15 20 25

0 1 2 3 4 5 6 7 8

Culture time / d Cell density / ×104 cells・cm-2

TCPS SA527

SA527(FN2.0 µg/ml)

Figure 3.12 Cell proliferation on non-coated TCPS, non-coated SA527 particle monolayer, and FN-coated SA527 particle monolayer.

る(2.2.5.2 参照)。カドヘリンによる細胞-細胞間接着を可視化するためには β-カテニンおよびアク チンの⼆重染⾊がしばしば用いられる。

<剥離前の細胞の観察(Figure 3.14)>

まず、各培養条件における細胞の状態を知るために、TCPS、SA527 粒⼦膜および FN コーティング SA527 粒⼦膜について細胞培養を⾏い、細胞-細胞間接着の観察を⾏った。TCPS では培養経過と共に 徐々に細胞数が増加し、結果的に細胞-細胞間接着が形成されていることがわかる。⼀⽅、未処理の SA527 粒⼦膜では細胞数の少ない培養初期の時点で既に緊密な細胞-細胞間接着が形成されており、

培養時間が⻑くなっても変化は⾒られない。これは 2 章でも確認した通りである。⼀⽅、FN コートし た SA527 粒⼦膜では FN 溶液の濃度によって細胞は異なる挙動を⽰した。培養初期における細胞-細 胞間接着の形成は、未処理 > FN 0.2 μg/mL > FN 0.6 μg/mL ≒ FN 1.0 μg/mL ≒ TCPS とな った。FN をコーティングすることによって基板の細胞親和性が増大し、細胞-基板間接着が細胞-細 胞間接着に対して優勢になったことが考えられる。また FN コートした SA527 粒⼦膜の場合には、培 養の経過(2 d → 6 d)に伴って細胞数が増加し、徐々に細胞-細胞間接着が発達した。第 2 章では FN コートを⾏うことによって、細胞接着に対する粒⼦膜の凹凸構造の影響が失われる(細胞-細胞間 の強固な相互作用が失われる)ことを⽰したが、本実験で用いた FN 溶液の濃度範囲においては凹凸構 造の影響が失われていないことがわかった。これは⽐較的低濃度の FN が粒⼦膜に対して吸着している ために、細胞移動が適度に促進されたためだと考えられる。

<細胞シートの観察(Figure 3.15>

続いて、細胞シートの観察を⾏った。⾼密度培養および低密度培養で作製した細胞シートについて細 胞-細胞間接着の形成を観察した。どちらの細胞シートにおいても細胞の形状は球状であり、細胞が剥 離に伴って収縮していることがわかった。また β-カテニンおよびアクチンが細胞の辺縁部に局在してい ることもわかった。このことから細胞シートは基板から剥離した後も細胞-細胞間接着を維持している ことがわかった。

Figure 3.14 Confocal microscopic images of actin cytoskeleton (red) and β-catenin (green) of HUVECs. All scale bars indicate 50 μm.

TCPS

2 d 4 d 6 d

non-coated SA527 particle monolayer

FN-coated SA527 particle monolayer (0.2 μg/mL of FN solution)

FN-coated SA527 particle monolayer (0.6 μg/mL of FN solution)

FN-coated SA527 particle monolayer (1.0 μg/mL of FN solution)

incubation time

Figure 3.15 Confocal microscopic images of actin cytoskeleton (red) and β-catenin (green) of cell sheets. Cell sheets were prepared by high cell density culture (2.0×105 cells/cm2, non-coated, 1 d) (a) and low cell density culture (5.0×104 cells/cm2, FN 0.8 μg/mL, 6 d) (b). Scale bars indicate 50 μm.

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