• 検索結果がありません。

優先的に検討・対処すべき公共施設の検討

■更新等費用試算の結果、集中的に整備された公共施設等が一斉に更新(建替え)を迎える時期(グラフの山)に は過大な歳出が見込まれる一方、更新等費用の予算見込み額を下回る時期(グラフの谷)も存在します。

■安定した財源確保の下でも、大規模修繕や建替え等の維持管理事業を安定的かつ確実に実施していくために は、更新等費用の山と谷をならし(平準化)、さらに総額(ライフサイクルコスト)を縮減するという考え方が必要で す。

更新等費用の平準化・縮減イメージ図

■平準化を行うには、施設ごとに優先度(優先的に大規模修繕や更新等の検討・対処を行うべき施設であるかどう か)を適切に判断しなければなりません。

■優先度の設定に当たっては、現時点での施設の状況(耐震化実施状況や老朽化状況、更新等の時期の見込み、

利用状況等)や、利用者(市民)の声を踏まえた検討が必要となります。

■本計画においては、優先度が高い(特に早急な検討・対処を必要とする)公共施設を、上記の観点に基づいて選 定しました。

■比較的新しく劣化が進行していない施設や、現時点での運営状況が良好な施設については、更新等の優先度 が低いため、建物の長寿命化等を前提とする更新の先送りを検討します。

■なお、インフラ施設については、長寿命化計画や点検・診断結果等に基づき、更新等の優先度を決定し、更新 等費用の平準化及びライフサイクルコストの縮減を図ります。

歳出が過大となる年の更新分 を前倒し又は先送り

更新等費用総額を縮減

優先度の高い施設 の更新を前倒し

優先度の低い施設 の更新を先送り

5.1 更新等費用試算結果から見る優先度検討

■更新等費用の試算結果から、公共施設の更新費及び大規模修繕費を、施設類型別に集計・比較し、更新等費 用の視点で施設類型ごとの優先度を検討しました。

■その結果、試算検討期間 40 年間において更新等費用が多額となる施設類型は、多い順に学校教育系施設

(35%)、スポーツ・レクリエーション系施設(14%)、公営住宅(12%)、市民文化系施設(11%)、行政系施設

(9%)となっており、更新等費用の視点において優先度の高い施設といえます。

■これらの施設を耐震性の観点で見ると、更新等費用が最も多額となる学校教育系施設については、小中学校の 耐震化工事が完了しており、耐震性に問題はありません。一方で、スポーツ・レクリエーション系施設と市民文化 系施設については、建物の全体又は一部において耐震性を満たしていない避難所指定施設(西体育館、下古 井交流センター、文化会館)があるため、これらの施設のあり方を早急に検討し、廃止、更新等の対処を行う必 要があります。

施設類型(大分類)別の更新等費用試算

ポイント

●類型別更新等費用の試算の結果、下記の施設が更新等に多額の費用を要するため、優先して 検討・対処が必要

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000

H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 H38 H39 H40 H41 H42 H43 H44 H45 H46 H47 H48 H49 H50 H51 H52 H53 H54 H55 H56 H57 H58 H59 H60 H61 H62 H63 H64 H65 H66 H67 H68

学校教育系施設 市⺠⽂化系施設

社会教育系施設 スポーツ・レクリエーション系施設

子育て支援施設 保健・福祉施設

⾏政系施設 公営住宅

公園 供給処理施設

その他

学校教育系施設 35%

市民文化系施設 11%

社会教育系施設 6%

スポーツ・レクリエー ション系施設

14%

子育て支援施設 5%

保健・福祉施設 3%

行政系施設 9%

公営住宅 12%

公園 1%

供給処理施設 0.01%

その他 4%

[百万円]

※端数処理の関係上、合計は 100%になりません。

5.2 施設現況調査・分析による優先度検討

■公共施設等マネジメントを推進するに当たり、維持管理コストや老朽化・劣化状況等の現況を調査する必要があ る主要な施設について、現況調査及び分析指標算出を行い、「公共施設カルテ」を作成しました(資料編参 照)。

■分析指標のうち、老朽化率を「施設健全性」とし、維持管理コストや利用者数などの運営に関する各指標の平均 値※を「運営効率性」として、マトリクス分析*を実施しました。

※算定不能のため指標値が 0 である場合は、改善の見込みが潜在する可能性があると考え、0 も平均値算出に 加味する。

■マトリクス分析は、横軸を施設健全性、縦軸を運営効率性としてマトリクス図(散布図)に各施設をプロット(図示)

し、プロットされるエリアによって、優先度を分類する手法としました。さらに、マトリクス図中の右上にあるものほど 評価が低いことを視覚的に分かりやすくするため、背景色を青(課題が軽微)から赤(課題が深刻)のグラデーショ ンで表現しました。

マトリクス分析の手法

優先順位 施設健全性 運営効率性 方向性

1 老朽化 不良 統合・複合化 類似施設の統合、異機能施設との複合化、施設の除却 2 老朽化 良好 施設の強化 施設機能を強化するための長寿命化や更新

3 健全 不良 運営の強化 施設の運営方法や利用形態の見直し、施設目的の変更 4 健全 良好 現状の維持 良好な施設環境の維持・向上のための予防保全等の推進

1 2 3

施設健全性 老朽化

健全

運営効率性良好

不良

■対象施設をマトリクス図にプロットした結果、最優先で検討・対処すべき施設として、庁舎(本館、西館)、保育園

(古井第一、古井第二、太田第一、太田第二 等)、小中学校(西中、蜂屋小、伊深小 等)、文化会館、プラザ ちゅうたい等が抽出されています。

■第 2 優先のうち、施設健全性が最低値(1)の施設として、西体育館等のスポーツ施設、下古井交流センター等 が抽出されています。スポーツ施設のあり方を検討する際は、市民プールの跡地利活用と併せて検討する必要 があります。

■下古井交流センターは、耐震性を満たしていないため早急な対処が必要です。また、約半数の交流センターが マトリクス図中の赤色の領域にプロットされており、各地区の施設統合・複合化のベース施設として考えられること から、優先的な検討が必要です。

マトリクス分析の結果

※加茂野交流センターは、検討時点で建替え中でありデータがないため、分析から除外しています。

ポイント

●マトリクス分析の結果、下記の施設について優先的な検討・対処が必要

5.3 市民アンケートの結果から見る優先度検討

■前述の「更新等費用試算結果から見る優先度検討」及び「施設現況調査・分析による優先度検討」は、いずれも 数値的・客観的な優先度の検討を試みたものです。これに加え、市民のニーズを反映するため、市民満足度調 査(市民アンケート)の結果に基づく優先度を検討しました。

■市民アンケートの結果、今後維持すべき公共施設の上位として、「災害時の防災拠点となる行政施設(庁舎)」

「学校教育を行う施設(小中学校)」「福祉サービスの提供や保健活動の支援を行う施設(高齢福祉施設 等)」

「子育てを支援する施設(保育園、児童館 等)」が抽出されています。

■庁舎については、市民アンケートでは「防災拠点」としての性質が重要視されていますが、建物本体が限界を迎 えつつあることから、大震災発生時に行政機能を確保するためには早急な対処が必要となります。また、近年の 公共施設等マネジメントの事例において、庁舎へのその他機能の複合化事例が増えていること等から、その他の 施設のあり方を考えるうえでも重要な位置付けにあります。

■図中の緑枠内の施設は、特定の世代が利用する施設であり、少子高齢化の影響を受けやすい施設であるといえ ます。これらの施設に対する市民の優先度が高いことは、少子高齢化に対する市民の潜在的な懸念の表れとも いえます。小中学校や保育園等の子育てに関連する施設は、今後少子化によってニーズが低下する一方、高 齢化の進行による福祉施設へのニーズの高まりは容易に想像できるところです。ソフト事業による対策とともに、複 合化や統合も視野に入れていく必要があります。

■これらの施設に続いて「スポーツ・レクリエーション・観光施設」「市民の文化活動や生涯学習活動を支援する施 設(文化施設(文化会館)、集会施設(交流センター等)」の優先度が高く、これらの施設は、前述の検討におい ても優先度が高い施設として抽出されています。

■全体的に数値的・客観的な優先度と市民アンケートによる優先度の結果が類似しているといえます。

市民アンケート設問「将来にわたって優先的に維持していくべき公共施設」の回答結果

ポイント

●市民アンケートの結果、下記の施設について優先的な検討・対処が必要

庁舎、小中学校、福祉施設、保育園、スポーツ施設、文化施設、集会施設

45.4%

38.4%

46.2%

58.7%

62.3%

61.1%

62.8%

10.2%

29.3%

8.0%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70%

①市民の文化活動や生涯学習活動を支援する施設

②市民の社会教育を支援する施設

③スポーツ・レクリエーション・観光施設

④子育てを支援する施設

⑤福祉サービスの提供や保健活動の支援を行う施設

⑥学校教育を行う施設

⑦災害時の防災拠点となる行政施設

⑧公営住宅

⑨公園施設 無回答