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2,157 794 454 376 822

46.9%

17.3%

9.9%

8.2%

17.9%

*1   中外製薬が定める非経常的損益項目

を控除したうえで算出された、当社株 主に帰属する希薄化後1株当たり当期 利益

*2   米国食品医薬品局(FDA)の指定制度 で、重篤または致命的な疾患や症状の 治療薬の開発および審査の促進が目 的。指定されるためには1つ以上の臨 床的に重要な評価項目において、既存 治療を著しく上回る改善を示唆する予 備的な臨床上のエビデンスが必要と なる

「Core  EPS*1年平均成長率」(2012年平均為 替レートベース)は、「1桁半ば〜後半」の見通し に対して、実績は+18.3%と大幅な過達。売 上・利益も2015年は過去最高値を更新しまし た。株主の皆さまへの還元についても、Core  E P S配当性向はA C C E L  15の3年間平均で 49.3%となり、当初示した見通しどおり、着実 に実行しています。

 定性面でも4つの変革テーマが、いずれも順 調に進捗しました。「営業生産性の向上」では、

市場を上回る成長を実現し、業界トップクラスの 生産性へと到達しています。「グローバル開発の 加速」でも、「アレセンサ」が米国で承認、欧州で 申請を果たしたほか、「ACE910(emicizumab)」

が第Ⅲ相国際共同治験を開始するなど、非常に 順調に進展しています。また、これらを含め3つ の自社創製品がBreakthrough  Therapy*2指 定を受けたことは、中外製薬の高い創薬力の証 左だととらえています。「革新的プロジェクトの 連続創出」では、自社創製品3プロジェクトが臨 床入りするとともに、大型化が期待される免疫 チェックポイント阻害剤 a t e z o l i z u m a b で 8本の第Ⅲ相国際共同治験に参加しています。

2012年にシンガポールに設立した中外ファー マボディ・リサーチ(CPR)においても、抗体創製 が順調に進捗しています。そして、「経営基盤の さらなる強化」では、2014年にロシュとのグ

ACCEL 15の総括

ACCEL 15 は順調な成果。  

強力な成長基盤を構築

 今後の戦略解説にあたり、まずは、前中期経 営計画 ACCEL  15(2013〜2015年)を総括 したいと思います。ACCEL 15は、「すべての革 新は患者さんのために」という事業哲学のも と、強みを最大限に活かした変革が実を結び、

当初の想定以上の成果を収めることができ ました。ACCEL 15の定量ガイダンスであった

ローバル開発協働体制を見直し、早期開発に資 源を集中できるスキームとし、初期開発機能強 化を目的としたトランスレーショナルクリニカル リサーチ本部の新設や、治験薬供給体制の強 化を進めました。また、創薬・メディカルアフェ アーズ・安全性情報をはじめとする各機能にお いても、大幅な基盤強化を行いました。

中長期的な展望

国内外で厳しい環境が想定

 以上のように、ACCEL 15の取り組みにより、

当社は着実に成長基盤を構築することができま したが、今後の環境を見通せば、次なる革新に 軸足を置かなければならないと考えています。

 世界的な高齢化の進展により、人々の暮らし を支える医薬品の重要性は一層高まっており、

グローバル医薬品市場は引き続き成長が見込 まれます。また、科学技術の進展により、ICTを 活用した遺伝子情報解析などによる精緻な病 態の理解が進むとともに、次世代抗体や再生 医療などの新たな治療手段などのイノベー ション創出機会も膨らんでいます。一方、こうし た中での研究・開発における異業種も交えた スピード競争はますます激化しています。

 日本においては、急激な高齢化の進行と国 家の財政難を背景に、薬剤費抑制圧力が一層 強まっており、今後の市場成長は低い水準にと どまることが予想されます。2016年4月の薬 価改定では特例拡大再算定が実施され、主力 製品である「アバスチン」が大きな影響を受け ます。また、2017年4月に消費増税に伴う薬価 改定が行われるようであれば、3年連続の薬価 改定となり、国内環境は非常に厳しいものとな ります。当社の製品についても、2016年には

「オキサロール」と「タミフル」が、2017年にも 薬価改定があった場合、「ハーセプチン」および

「リツキサン」が1年前倒しで新薬創出加算の 返還対象になります。

グローバルに飛躍すべく 

「トップ製薬企業」の定義を追加

 こうした環境下、中外製薬が今後も世界の 患者さんに価値を届け、貢献していくために は、強みを進化させ、グローバルに飛躍し続け る企業へと変革していくことが肝要です。そう した背景から、2010年代後半に実現を目指す 姿として掲げている「トップ製薬企業」の定量目 標についても見直しを行い、これまでの売上・

利益面での目標に加え、国内外でのプレゼン ス向上の観点で目標を新たに設定しました。

(「トップ製薬企業」の定量目標の詳細は、P10、

P35をご参照ください)。

新中期経営計画IBI 18の概要

グローバルトップクラスの  競争力を獲得・発揮

 2016年から始まる中期経営計画の名称は、

「I B I 18」です。「トップ製薬企業像」実現に向け、

これまで以上の変革を成し遂げ、企業価値を高 めていきたいとの想いから、スローガンの「創造 で、想像を超える。(INNOVATION  BEYOND  IMAGINATION)」の頭文字をとりました。

 中期経営計画IBI 18では、「グローバルトップ クラスの競争力獲得・発揮」と、「成長加速のため の選択と集中」が重点テーマです。そして、その ためには、ロシュとの提携を通じた中外製薬の ユニークなビジネスモデルを最大限に活かす ことが成功の鍵だと考えています。独自性・多様 性が重要な創薬や早期開発フェーズでは、中外 製薬独自の革新的技術による創薬に資源を投 下するとともに、より早い段階での医療上・経済 上の価値証明に力を注ぎます。一方、後期開発 や発売後はグローバルでの規模の経済と、各 地域の実情に即したオペレーションが不可欠な ことから、ロシュなどの導出先との協働により、

グローバルでのスピーディーな後期開発と市 場展開を進めるとともに、中外製薬は日本をは じめとする当社テリトリーにおいて、自社創製品 とロシュ導入品の価値最大化に努めます。

PoC後プロジェクトなどの ポテンシャル

  (2015年末時点見通し)

★★★

• emicizumab(ACE910)

• nemolizumab(CIM331)

• atezolizumab(RG7446)

• オビヌツズマブ(GA101)

• gantenerumab(RG1450)

★★

• アレセンサ

• lebrikizumab(RG3637)

• peretinoin(NIK333)

• SA237 自社創製品 導入品

下線:抗体医薬品 ピークセールス規模

★★★ 【自社】   グローバル(現地) 

2,000億円超   【導入】 国内200億円超

★★  【自社】   グローバル(現地) 

1,000億円超   【導入】 国内100億円超 

★  【自社】   グローバル(現地) 

1,000億円以下

  開発品の詳細はP26をご参照ください。

アイ・ビー・アイ

社長メッセージ

グローバルに飛躍し続ける企業への 変革に向けた5つの機能別テーマ  中期経営計画I B I 18では、前述の2つの重点 テーマに沿って、各機能での変革に取り組みます。

 「創薬」では、「革新的技術によるファースト インクラス、ベストインクラスとなるプロジェク トの連続創出」を目指します。CPRに優先投資 を行い、研究テーマ創出を加速するとともに、

次なる革新的な独自技術の確立を図ります。

また、抗体改変、低分子に続く、次世代のコア 技術候補として中分子技術を選択し、集中投 資による技術確立とプロジェクトの早期創出 に取り組みます。そして、外部ネットワークとの 協働を通じ遺伝子情報解析技術などを活用 し、がん・免疫研究の基盤強化を図ります。

 「開発」の目標は、「グローバルトップクラス のT C R*3・開発による早期上市、市場浸透の 促進」です。今後の成長を担うemicizumab、 

atezolizumab の開発を最優先で行うほか、

2015年に整備したグローバルのTCR体制*4 のもと、早期開発ステージに資源を集中させ 迅速なPoC*5取得を目指します。また、後期開 発および市場浸透の加速に加え、PoC 段階で 医療上・経済上の高いポテンシャルを証明す べく、各機能連携によるIDCP*6の構築により 早い段階から着手し、エビデンスの創出に注力 していきます。

 「製薬」では、開発・市販後の双方で重要な役

*3   創薬で生み出された科学的コンセプト を臨床で検証する、前臨床研究から PoCまでの臨床研究(Translational  Clinical Research)

*4   中外製薬では、自社で創薬した開発品 についてPoCを迅速に取得し、グロー バル開発へのいち早い移行を目指し て、初期臨床開発に特化しその機能を 強固なものとすることを目的としたト ランスレーショナルクリニカルリサーチ 本部を2015年に設置

*5   研究段階で構想した薬効がヒトでも有 効性を持つことを実証すること(Proof  of Concept)

*6   開発候補品の価値を示すストーリーを

確立するための統合的な開発〜市場 展開計画。通常はPoC段階までに作成 される。創薬段階から各機能の連携に より構築(Integrated  Development  and Commercialization Plan)

割を担っており、「グローバル複数同時開発・高 速上市とコスト低減への製薬体制強化」に取り 組みます。早期PoC取得に向けて、タイムリー な治験薬供給を可能とする柔軟な設備・要員 体制の整備を行うと同時に、中分子などの製 剤難度の高いプロジェクトに対応する技術の 高度化を図ります。加えて、後期開発から初期 生産までの一貫した、スピーディーでコスト競 争力の高い生産基盤を構築すべく、浮間工場 などへの設備投資を実行します。あわせて、グ ローバルの主要市場でのレギュラトリー動向 への対応力を高めていきます。

 「営業・メディカル・安全性」では、大きく変化 する医療提供環境やニーズを踏まえ、「機能間 の協業・分業による高度・多様なソリューション の提供」を図ります。「アバスチン」「アクテム ラ」などの成長ドライバーと、emicizumab、 

atezolizumabなどの新製品に活動を集中す るとともに、営業・メディカル・安全性をはじめ とする各機能が本部の枠を超えて連携し、より 高度な情報提供と医療連携支援などを通じて 医療問題の解決に貢献する体制を強化します。

また、エリアごとに多様な医療ニーズに的確に 対応するため、地域特性に合わせて編成した 機能横断チームにより各エリアが自律的に戦 略を構築・実行する体制を構築していきます。

 そして、これらの重点テーマ実現に向けて は、人財が価値の源泉になることは間違いあり ませ ん 。I B I  18 では、今まで以 上に人 財に フォーカスをあて、革新を生み出し、激変する 環境に対応する人財輩出を目指し、重点強化 ポジションの選定と人財プロファイルの設定 を行い、計画的かつ迅速な人財の獲得・育成・

配置を進めます。

IBI 18の定量見通し

2020年代からの飛躍的な成長に向け、

着実な成長軌道を描く

 収益成長を見通すうえで、先に申し上げた厳 しい環境見込みに加え、これまで二桁成長を 2016年製商品売上高(タミフル除く)予想

2,203 858 408141 141180 180 878

4,668

億円

+66億円, +1.4%

+10億円,  +0.3%

国内

3,790

      億円 国内

3,780

      億円

4,602

億円

がん

+46億円, +2.1%

骨・関節

+64億円, +8.1%

▲46億円, ▲10.1%

その他

▲37億円, ▲17.1%

移植・免疫・感染症

▲18億円, ▲11.3%

海外 +

+56億円, +6.8%

’16(予想)

2,157 794 454 159 159217 217 822

’15