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個別地点の実例 ( 実証試験 ) に関する調査・検討

ドキュメント内 (COP3) (1997) 141 EU % RPS CO kwh kwh (ページ 107-130)

本章では,水道施設,砂防ダム,農業用水路への小水力発電導入に関する実例調査を実 施し,その結果をとりまとめて,個別地点への適用に向けた資料とした。 

今年度の調査地点を表Ⅲ‑1.1 に示す。 

表Ⅲ‑1.1 調査地点 

対象施設 調査地点  事業者  設備概要 

西原浄水場 沖縄県企業局  Q=1.3m3/s,H=30.4m,P=341kW 上水道施設 

庄和浄水場 埼玉県企業局  Q=0.222m3/s,H=21m,P=38kW  農業用水利施設 山一発電所  山一産業㈱  Q=1.06m3/s,H=16.4m,P=131kW 砂防ダム 清和発電所 山都町(旧清和村) Q=2.0m3/s,H=14.4m,P=190kW  

 

1.1  水道施設への小水力発電導入に関する実例調査 

簡易発電システムの対象施設である水道施設への小水力発電施設の設置は,既往の設備 を利用できることと安定した発電が可能になることが多いため,近年事例が増えている。 

水道施設への小水力発電計画は,パイプライン中に設けられている減勢弁などの減勢施 設に注目したものが多く,その減勢によって失われていたエネルギーを電力として吸収す るものである。パイプラインの他には,水道専用ダムの維持放流や,浄水場内の越流部・落 差工・放流工などが考えられるが事例は少ない。 

水道施設への小水力発電計画においては,地方自治体などが事業者になることが多く,

できる限りのコストストダウンが求められている。従って,簡易発電システムとして調査・

検討してきた要素技術の採用による効果が期待されるところである。 

簡易発電システムの要素技術によるコストダウン対応方法としては,土木設備のうち,

新設する管路への一般市販管の採用,発電所基礎・建屋の簡略化が考えられる。また,電気 設備では,インライン型プロペラ水車やポンプ逆転水車,サイフォン型プロペラ水車の採 用,永久磁石発電機とインバータの採用,汎用型 PLC の採用が考えられる。さらに,維持 管理面では,水道施設内の技術者による主任技術者の兼務や簡易通報装置の導入よるコス トダウンが期待される。 

以上の事項を念頭に置き,水道施設における小水力発電設施設を設置した2つの実例に ついて調査を行い,その結果を考察した。  

 

流入する落差を利用して発電を行っている。発電施設を設置する前は場内の調整池の手前 に配置された減勢弁により減圧していたが,発電設備の導入により騒音が小さくなったと いう効果も認められている。 

                   

写真Ⅲ‑1.1 西原浄水場発電施設の全景   

                 

写真Ⅲ‑1.2 水車発電機が設置されているポンプ室建屋   

有効落差 30.4m,最大使用水量 1.3m3/s,出力 341kW であり,横軸フランシス水車と誘 導発電機により年間 2,400MWh を発電している。設備稼働率は 80%程度であり,安定した 発電を継続している。 

4) 系統には直接連係していないが,所内の配電の機構を調整したうえ,電力協議の結 果を考慮して逆電力リレーを設置した。 

5) 厚生省の補助金が 75%確保できたため,企業局負担分は比較的少なくなり,5 年程 度で回収可能と考えている。 

6) 現時点で 200 万円/月程度の経費軽減となっている。 

7) 発電最大使用水量は浄水場の最大計画流量にあわせている。発電効率が最も高くな る の は 5000m3/s/hr で あ る が , 現 在 の 西 原 浄 水 場 の 処 理 水 量 は 平 均 5500 〜 6000m3/s/hr であって,比較的低い効率で運転している。他の浄水場で 500〜

1000m3/s/hr を負担してくれれば,もっと高い効率で運転可能であり,更なる経費 低減(発電)が可能となるが,なかなか難しい。 

8) 日間の処理量の変動はほとんどないが,年間では若干変動がある(最大 48 万 m3⇔ 最低 35.8 万 m3)。 

9) 取水位の変動はほとんどない。 

10) 北部の水源地から導水してきているが,途中に工業用水用の浄水場が存在する。西 原浄水場で使用する原水は工業用水として処理をされたものである。 

11) 発電所建設に対して,発電使用のための水利権は申請していない。 

12) 運転開始よりこれまで特に問題はない。 

13)水道用水の利用のため,水道の基準に準拠したものとなる。また,水車の塗装に関 しては,環境ホルモンに関して問題ないことを確認した塗料を使用している。 

14)運転監視は,浄水場内の中央監視室で,浄水設備とともに常時実施している。 

15) 定期点検(チェック項目に対する目視確認)は,浄水場の点検にあわせて月に 1 回実施している。 

 

また,調査結果を昨年度実施したモニタリング表に整理した。現地の写真と合わせ,

「Ⅳ 簡易発電システム設計マニュアル(案)の骨子巻末資料‑4 モニタリング調査」に 添付する。 

   

と浄水池との間に生じている約 21mの落差を利用して発電を行っている。発電施設を設置 する前は場内の調整池の手前に配置された減勢弁により減圧していたが,西原浄水場の場 合と同様に,発電設備の導入により騒音が小さくなったという効果も認められている。 

庄和浄水場の発電設備は,もともと(財)水道技術研究センターによるフィールド試験

(実証試験)の一環として付設されたものであり,水車発電機による水道水質への影響や 浄水場の運営に与える影響の有無を確認することが目的であった。平成 15 年 2 月から 17 年 3 月までの約 2 年間のフィールド試験の結果,水道用水の水質への影響,および,浄水場 の運営に与える影響は,ともにないことが確認された。 

フィールド試験の完了後は施設がすべて県に委譲され,現在も順調に運転を続けている。 

                   

写真Ⅲ‑1.3 水車発電機の全景   

               

発電中 の流れ

発電停止中 の流れ 発電機 減圧弁

               

写真Ⅲ‑1.5 減圧弁(水車発電機が停止の場合,自動的に稼動する)   

有効落差 21.0m,最大使用水量 0.222m3/s,出力 38kW であり,インライン型プロペラ水 車と水車に内蔵された誘導発電機により年間 260MWh 程度を発電している。設備稼働率は 99%程度であり,極めて高い稼働率で安定した発電を継続している。 

事前に送付した調査票をもとにヒヤリングを行い,そこで確認された事項を以下に示す。 

 

1) 本発電所は、既往設備(ポンプ)の制御限界(計画値と実績値の差に対応する送水 圧の調整ができない)によって発生している余剰圧力に対し、既往の減圧弁による 対応を水車発電機に切り替えて、未利用のエネルギーを電力として取り出したもの。 

2) もともとはクボタの提案であり、最終的に(財)水道技術研究センターによるフィー ルド試験として約 2 年間の実証試験を実施。その結果、水質及び浄水場の運用に影 響を与えないことを確認。 

3) 平成 17 年 3 月 31 でフィールド試験は完了。そのご、施設は県に委譲され、県の管 理下で継続的に稼動している。平成 16 年度の稼働率は 99%。今年度も故障もなく 順調に発電している。 

4) 県としては、水質と浄水場の運用に影響を与えないことを条件にフィールドを提供。

発電停止時に送水が止まると、送水先の PC タンクの塩素が不足する可能性がある ため、発電停止に時には自動的に既設ライン(減圧弁)に水が流れるよう、自動制 御としている。また、水質に関しては、濁度、pH、残塩素、温度について継続的 に監視した。2 年間の試験プラス今年度の状況では、水質、浄水場の運用ともに全 く問題はない。 

5) 運開より約 7 ヵ月後の平成 15 年 10 月に分解点検を行ったが、羽根車周り、メカニ

7) 保安規定は、県企業局の水道事業に対応するものに、 小水力発電設備 に関する 項目を追記した。 

8) 発電装置設置前は 30 年前から稼動中の減圧弁の音が気になっていたが、水車発電 機に切り替わった結果、音が小さくなった。財団のフィールド試験結果としても、

騒音の低下が報告されている。 

9) トラブル発生時は事務所へ警報が伝わるが、遠隔操作はできない。出力等の計測・

監視記録は、経費削減のため、浄水場全体のシステムの中には取り込まず、発電基 盤に直結した専用の PC で対応した。 

10) 電気主任技術者は浄水場の主任技術者が兼務、ダム水路主任技術者は工務部職員

(土木職)を選任申請し、認定された。 

11)竣工検査としては、運転前試験として、①発電気の相回転方向確認、②ケーブル絶 縁・耐圧試験、③接地抵抗測定、④保護継続器単体テスト、試運転時試験として、

⑤発電機単独試験、⑥発電機連動試験、⑦発生電力確認、⑧保護装置テスト、⑨系 統への影響確認試験、を実施した。いずれも問題はなかった。 

12) 流量の制御は、既存装置によって浄水場の管理室から遠隔制御されるが、発電システ ムは浄水場の運用に完全従属なので、発電機が止まった場合などは、自動的に従前ラ イン(減圧弁)に切り替わる。 

13) 発電機故障(UVR、OVR、OCR、RPR)または系統連係故障(UVR、OVR、UFR、OFR)時に は、発電機停止し、主遮断器 OFF となる。 

14) 系統連係は、場内の低圧ラインに連係した。全体の容量に比べて発電機の出力が小さ いため、 みなし連係 とされ、逆潮なしで設計している。電力会社との調整は全てフ ィールド試験実施者が対応。 

15) 発電計画としては 10 年での償還を想定しているが、現実的には難しいと考えている。

ただし、庄和浄水場の場合は設備が無償で譲渡されたため、経済性についての判断は できない。現状で、年 250 万円程度の経費削減となっている。 

16) 希望・要望事項等としては、太陽光発電等にある認定品制度の導入、標準的な設計指 針の作成、太陽光・風力発電並みの補充の充実、ダム水路主任技術者の省略、など。 

   

ドキュメント内 (COP3) (1997) 141 EU % RPS CO kwh kwh (ページ 107-130)

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