感 想
3 保護者のために 〜活用にあたって〜
○ 保護者対象の人権教育研修会や学級懇談会など様々な機会に活用してください。
○ 保護者用ワークの他に、児童・生徒用ワークや教職員用ワークを保護者用ワークとして 活用することもできます。
○ 他の人の考え方を尊重しながら、意見や考えの違いを認め合えるようにし、人権教育上 課題となる言動があったときは、その研修の時間内で問題点を指摘し、適切な対応をしま しょう。
○ ワークシートに書いた内容を人に見せたくない場合や提出したくない場合、話したくな い内容の場合など、個々の意志を尊重しましょう。
○ ワークシートへの記入は書ける範囲でよく、全部記入する必要はないことを研修の前に 確認してください。
○ ワーク中に出てきた個人的な内容は、他の場では話さないことを確認してください。
○ 実践する前に、教師は、解説をよく読んでください。
テーマ タイトル 所要時間
①子どもへの肯定感 逆転の発想で 30 分
1 ねらい
子どもの気になるところや困っているところが、見方をかえればよいところとなることに気づ くことで、子どもへの肯定感と、その子どもを育てた自分への肯定感を高める。
2 進め方
4 人のグループでワークを行う。
(人数が 4 の倍数でないときは、3 人のグループも最小限つくる。)
① 子どもの「ここが気になる」「こういうところで困っている」と思うことを 3 つ、各自、表 に書く。(必ずしも 3 つ書けなくともよい。)
② グループの右隣の人からワークシートを受けとり、右隣の人があげた事柄を、例のように、
逆転の発想でよくいいかえるとともに、それらの事柄をあげた右隣の人に、あたたかなメッ セージを書く。書けたら、ワークシートを左隣の人に渡す。(必ずしもすべて書けなくとも よい。)
③②を 3 回繰り返す。なるべく先に書かれたものと異なることを書くようにする。
④ワークを行って気づいたこと・感じたことを 4 の①~③に書く。
⑤④で書いたことをグループの人と話す。
⑥グループの人と話して気づいたこと・感じたことを 6 に書く。
⑦ 子どもの気になるところや困っているところが、見方をかえればよいところとなること、
それに気づくことで、子どもへの肯定感と、その子どもを育てた自分への肯定感が高まるこ とを確認する。
3 解説
児童・生徒の自己肯定感を高めるためには、児童・生徒に対する保護者の肯定感を高めること が有効であるとの考えのもと、保護者対象のワークを初めて掲載しました。
このワークは、リフレーミングの手法を用い、子どもの気になるところや困っているところを、
他者によいところとして示してもらうことで、子どもの気になるところや困っているところが見 方をかえればよいところにもなることに気づき、子どもへの肯定感、さらにはその子どもを育て てきた自分自身への肯定感へとつなげることをねらいとしたものです。
リフレーミングとは、ある枠組み(フレーム)で捉えられている物事を、枠組みをはずして違 う枠組みで見ることをいいます。同じ物事でも、人によって見方や感じ方が異なり、ある角度か ら見たら短所であるものも、別の角度から見たら長所になります。
学級懇談会などで実施することにより、児童・生徒と保護者との関係をよりよいものにし、両 者の自己肯定感を高めることが期待できます。
応用として、児童・生徒自身に自分の短所・欠点と思われることを同様のシートに書かせ、それ を他の児童・生徒にリフレーミングさせることもできますが、この場合は、それらの短所・欠点を 書いたのがだれかわからないように、別のグループでリフレーミングを行うなど、工夫が必要です。
<参考資料など>
・「人権学習のための参加体験型学習プログラム集」神奈川県教育委員会(平成 24 年 3 月)
1 子どもへの肯定感 逆転の発想で
保 護 者 用
1 子どもの「ここが気になる」「こういうところで困っている」と思うことを 3 つ、次の表に書 いてみましょう。
2 グループの右隣の人からワークシートを受けとり、右隣の人があげた事柄を、例のように、逆 転の発想でよくいいかえてみましょう。
また、それらの事柄をあげた右隣の人に、あたたかなメッセージを書いてみましょう。
書けたら、ワークシートを左隣の人に渡しましょう。
3 2 を 3 回繰り返しましょう。
逆転の発想で
気になるところ 困っているところ
逆転の発想
1 人目 2 人目 3 人目
例 ・落ち着きがない ・好奇心が旺盛 ・元気がいい ・活発
1
2
3
メッセージ
ワーク
3 -①
4 次の①~③のことについて書いてみましょう。
① 他の人があげた事柄を逆転の発想でよくいいかえたり、メッセージを書いたりして、気づい たこと・感じたこと
② 自分より前の人が書いた、逆転の発想でよくいいかえたものやメッセージを読んで、気づい たこと・感じたこと
③ 子どもの「気になるところ」や「困っているところ」を逆転の発想でよくいいかえたものや メッセージを読んで、気づいたこと・感じたこと
5 4 で書いたことをグループの人と話してみましょう。
6 グループの人と話して、気づいたこと・感じたことを書いてみましょう。
①後出しじゃんけん
アイスブレーキングとは、「ice =よそよそしさや、形式ばった態度」を「break =破る、やわらげる」
ことから生まれた言葉で、「話の口火をきる」とか、「和やかな空気にする」といった意味があります。
アイスブレーキングは、通常、参加体験型の学習や研修のはじめに、参加者の緊張をときほぐし、
自由に話せる安心感をつくり出すために行われますが、学級開きなどの出会いの場や、保護者会な ど、既にある程度知り合いになっている集団の出会い直しの場で用いることもできます。
ここでは、アイスブレーキングをより広義に「人と人を出会わせ、集団の心をほぐす活動」と捉 え、通常のアイスブレーキングよりも所要時間の長いものも紹介しています。
いずれも、人権教育のねらいをふまえたアイスブレーキングとなっていますので、ワーク実施前 の導入として、また、学級活動時などに単独で、気軽に実施してみてください。
ねらい
ふだん何気なくしていることほど、ふだんと違うことをするのは難しいことを実感 する。
所要時間 約 5 分
進め方
① 2 人組になり、勝つ役の人と負ける役の人を決める。
② 教師の掛け声に合わせて 2 人でじゃんけんをし、勝つ役の人は後出しで勝つよ うにする。
③ 2、3 回じゃんけんをしたら、役割を交代し、同様に 2、3 回じゃんけんを行う。
④ 教師の掛け声に合わせて 2 人でじゃんけんをし、負ける役の人は後出しで負け るようにする。
⑤ 2、3 回じゃんけんをしたら、役割を交代し、同様に 2、3 回じゃんけんを行う。
解説
実際に後出しじゃんけんをしてみると、勝つよりも負けるほうが難しいことに気づ きます。それは、これまで勝つようにじゃんけんをしてきたからです。
固定観念や習慣、偏見といった、長期間にわたって心に刷り込まれたものは、思い のほか頑強で、頭では理解できても、本当にかえることは難しいものです。
その難しさに気づくところから、真の人権教育は始まるのではないでしょうか。