ISMS
3 評 価
11 危機管理体制の強化 1 概 要
近年、海外諸国での爆弾テロやSARSの発生、国内における児童・生徒を対象とした事件 の発生など、今まで予測しがたい事件や問題が数多く発生している。また、杉並区においても、
空き巣などの刑法犯罪の件数が増加し、身近な犯罪に対する不安の声が区民から多数寄せられ ている。
区では、このような事態に迅速で的確な対応が行えるよう、平成 15 年 7 月に危機管理室を 設置し、全庁的な危機対応力の強化を図った。
2 成 果
○ 危機管理対策会議の設置
区民等の生命、身体、財産に重大な被害が生じる緊急事態及び行政運営に著しい支障のあ る緊急事態への対処及び発生防止を図るため、平成 15 年 8 月に区長を議長、部長級職員を委 員とする「危機管理対策会議」を設置した。定期的開催による平常時からの危機管理意識の 向上、緊急時へのスムーズな移行に役立つものとなっている。
○ 安全パトロールの実施
平成 15 年 8 月、地域の犯罪抑止と防犯意識の普及啓発を主な目的として、「杉並区安全パ トロール隊」を創設。区職員(警察官OB)の指揮のもと、委託警備員による区内全域の巡 回パトロールを行い、各地域における犯罪発生の防止、区民の自主防犯意識の機運向上が図 られた。
○ 区管理施設の「安全点検調査」と改修の実施
区民が安全・安心して生活できるまちを実現するため、区が率先して自ら管理する施設に 対する安全面からの点検調査を 9 月〜10 月にかけて実施した。調査の結果、特に、児童・青 少年、障害者施設など緊急性が高く改善の必要な施設については、15 年度中に改修工事等を 行い、その他の施設は翌年度予算へとつなげた。
○ 危機管理セミナーの開催
危機管理に係る職員意識啓発のため、管理職及び係長級職員を対象に、外部講師による危 機管理セミナーを 4 回開催し、職員各自、職場における危機管理意識が高まり、定着しつつ ある。
12 防災対策の再構築
1 概要
(1)デジタル地域防災無線の設置
杉並区のこれまでの区防災行政無線システムには、①屋外放送塔から発信する「防災行政無 線」、②携帯式及び車載式の「移動系無線機」の 2 種類があった。しかし、②の移動系無線機は 2チャンネルのみで、情報伝達性が低く、老朽化してきていた。そのため、防災行政無線(移 動系)をデジタル化することにより 12 チャンネルの「地域防災無線」に整備し、通信の双方向 性を確保するとともに、災害時に被災情報が集まる防災関連機関(警察・消防・郵便局等)、災害 対応協力を仰ぐ民間協力団体(医師会、後方医療機関等)、交通機関に配置した。
平成 15 年度デジタル防災無線設置状況 単位:基
基地局 移 動 局
計
区役所 区出先機関 区有車両 携帯型
防災関係機関・
民間協力団体等
157 1 33 35 57 31
(注)平成 16 年度は、区立の小中学校に 67 基、済美養護学校に 1 基設置する。
(2)震災復興マニュアルの策定
平成 14 年 7 月に「市街地復興マニュアル」を策定したが、「生活の再建」の部分が引き続き 課題として残っていた。このため、平成 15 年 3 月に策定された東京都震災復興マニュアルとの 整合性も考慮しつつ、震災後における「都市及び生活の再建」に道筋を示すものとして「震災 復興マニュアル」を策定した。
震災復興の基本的な考え方は、次の 3 点である。
①再びの震災に被害を受けない、又は最小限にとどめることのできるまちづくりの推進。
②被災者が、自助・共助により、暮らしの再建と安定を図ることのできる支援の実施。
③雇用確保・維持や中小企業対策等、被災者の暮らしの再建・安定のための地域活性化の推 進。
2 成果
(1)デジタル地域防災無線の設置
デジタル地域防災無線の設置により、無線機の操作方法が簡明化し、双方向での通話が可能 となったため、区役所・区出先機関、防災関連機関や生活関連機関との情報伝達が迅速になる とともに、機能性の向上により庁内の内線電話との直接の交信が可能となった。
また、無線機と併せて区の機関に設置するパソコンにより、デジタル情報化した災害時の安 否・被害情報等の収集・発信が迅速かつ的確に行える第一次態勢が整えられた(平成 16 年度の 区立小中学校等 68 基の設置で完成する)。
(2)震災復興マニュアルの策定
3 経費
単位:円 事 業 名 予算現額 支出済額 執行率 特定財源
地域防災無線の整備
(決算説明書 215 頁)
305, 415, 000 259, 350, 000 84. 9%
79, 254, 000 国庫支出金 177, 000, 000 災害対策基金繰入金
4 評価
(1)デジタル地域防災無線の設置
災害時の情報収集・伝達をするために、行政無線は必要不可欠であり、地域並びに区民の生 命、身体及び財産を守るため、区が不断の点検を行いながら今後とも継続的に実施すべき事業 である。
今回のデジタル地域防災無線は、12 チャネルを確保するとともにパソコン等の連携が可能と なり、MCA無線と併用することによって情報連絡体制を一層充実することができた。また、
安全パトロール隊のパトカーに登載したことにより、防犯面でも情報伝達の迅速化を確保する ことができたことで、区民の安全・安心を高める基盤づくりにも寄与している。
今後は、無線装置の操作方法を災害時に備え、訓練を重ねていく必要がある。
(2)震災復興マニュアルの策定
震災後の復興体制の構築まで視野に入れた震災復興マニュアルは、23 区では初めての総合的 なマニュアルと評価できる。また、外部委託をせず、職員単独の作成は、職員の叡智の結集の成 果である。今後は、明らかになった課題を整理し、優先順位をつけて解決を図るとともに、より 効果的な復興マニュアルとしていくために、実際の点検を交えながら磨き上げていく。