• 検索結果がありません。

依存関係生成モデルへの拡張可能性

ドキュメント内 依存関係生成モデルを用いた (ページ 73-76)

表 10.1: 版による依存関係の違い

11 関連研究

変更作業支援のため,変更の対象となる中間成果物の量と順序を予測する様々な手法が 提案されている.例えば,(1)形式言語OCLによって記述された波及ルールを用いる手法 がある[13].波及ルールとは,変更された要素と波及する要素間の関係をルールで定義し たものであり,OCLで記述される.まず変更の起点となる波及ルールを適用することで,

波及解析が可能となる.また,(2)中間成果物間のトレース依存関係を適切に設定するため の指針を整備した研究もある[2, 8, 22].その多くは,トレース依存関係の分類を行ってお り,実際のトレース依存関係の設定は,開発者に任される.(1)(2)の手法では,波及ルー ルやトレース依存関係は開発者自身が記述する必要があり,また,それらのメンテナンス コストも大きい.それらのコストを軽減するため,(3)情報検索技術を利用する手法も提案 されている.この手法では,UML図やソースコードのキーワードを用いて波及解析を行う ため,さまざまな種類の中間成果物に適用可能であるが,実際に波及しない中間成果物を 多く含むという欠点を持つ[19].また,この手法は,文章が不完全なものやタイトルがな い文書群にも適用可能という優位な点を持つ.文献12においては,実際的なデータをもと に評価実験を行い,情報検索技術を適用した場合,再現率や適合率がどの程度の値になる かを示す興味深い報告が行われている.

(2)の手法において,依存関係の設定と波及解析の自動化に関する研究も行われている.

例えば,Antjeらが開発した波及解析ツールQuaTrace[3]がある.変更波及解析に利用する 中間成果物間の関係を,表記方法が異なる中間成果物間の関係を意味する‘表現関係’,あ る中間成果物とそれを具象化した中間成果物間の関係を意味する‘改良関係’,ある中間成 果物とそれを作成するのに必要となる中間成果物間の関係を意味する‘依存関係’に分類し ている.これらの分類のもとに,基本的には文書の名前を利用してトレース情報を生成す

る.波及解析ビューワは,表現関係,改良関係,依存関係を利用して,それらのトレース 情報を分類する.

その他,Unified Processで定義されたモデル間の依存関係を形式的に表現する研究[6], 依存関係に変更に役に立つ情報を付加した参照モデルの提案[4]や,分散したコンポーネン ト間に発生する依存関係の定義[1]などの研究がある.

また,本論文は,基本依存関係を自動生成するためにUMLモデルの分類を行った.こ のような特定の視点に特化したUMLモデルの分類はいくつか行われている.8.5.2節です でに詳細な比較を行ったが,例えば,Janeらはプロダクトライン開発に特化したUMLモ デルの分類を提案し[12],大西はUMLモデルの検証に特化したUMLモデルの分類を提案 した[30].

12 おわりに

12.1 まとめ

本論文では,UML1.5版のモデル要素として定義された依存関係を検討し,変更波及解 析に有用な基本依存関係(情報共有,同一概念,生存従属,コピーの4つ)を新たに定義し た.また,そのような依存関係を依存関係生成モデルを適用して自動生成する手法を提案 した.

COMET法によるエレベータ制御システムとATMシステムの事例研究を題材として,要

求定義から設計段階までのUML図面群において,提案した依存関係の自動生成法が有用 性と現段階での適用の限界を示した.

提案手法を実装したツールを設計・実装し,さまざまな種類の中間成果物に対応するた めの追加可能性を示す例として,UML図に対応するJava実装クラス群の抽出ツールを設 計・実装した.

ドキュメント内 依存関係生成モデルを用いた (ページ 73-76)