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1.6 外国における使用状況等に関する資料

1.6.2 代表的な添付文書(和訳)の概要

1.6.2.8 副作用(有害事象)

項目 米国添付文書(2015年12月1日版) 欧州添付文書(2015年11月18日版)

副作用

(臨床試 験におけ る副作 用)

副作用

以下の重篤な副作用は本添付文書の他の項において詳細に述べる:

 消化管穿孔及び瘻孔(「警告(枠囲み)」,「用法・用量」及び「警 告・使用上の注意」の項参照)

 消化管以外の瘻孔形成(「用法・用量」及び「警告・使用上の注意」

の項参照)

 手術及び創傷治癒合併症(「警告(枠囲み)」,「用法・用量」及び

「警告・使用上の注意」の項参照)

 出血(「警告(枠囲み)」,「用法・用量」及び「警告・使用上の注 意」の項参照)

 動脈血栓塞栓症(「用法・用量」及び「警告・使用上の注意」の項参 照)

 静脈血栓塞栓症(「用法・用量」及び「警告・使用上の注意」の項参 照)

 高血圧性クリーゼ(「用法・用量」及び「警告・使用上の注意」の項 参照)

 可逆性後白質脳症症候群(「用法・用量」及び「警告・使用上の注 意」の項参照)

 蛋白尿(「用法・用量」及び「警告・使用上の注意」の項参照)

 インフュージョンリアクション(「用法・用量」及び「警告・使用上 の注意」の項参照)

 卵巣機能不全(「警告・使用上の注意」及び「特別な患者集団」の項 参照)

本剤投与患者において,発現率が10%より高く,少なくとも対照群より2 倍であった,最も一般的な副作用は,鼻出血,頭痛,高血圧,鼻炎,蛋 白尿,味覚異常,皮膚乾燥,直腸出血,流涙障害,背部痛,剥脱性皮膚 炎であった。

いくつかの副作用は化学療法においてもしばしば観察されるものだが,

本剤との併用はそれらの副作用を悪化させる可能性がある。例としては リポソーム化ドキソルビシンやカペシタビンとの併用により起こる手 掌・足底発赤知覚不全症候群や,パクリタキセルやオキサリプラチンと

有害事象

安全性プロファイルの概要

本剤の全般的安全性プロファイルは,臨床試験において主に本剤と 化学療法剤の併用投与を受けた,種々の癌患者5,200例の成績から得 られた。

最も重篤な有害事象は以下のとおりである。

 消化管穿孔(「特別な警告,使用上の注意」の項参照)。

 非小細胞肺癌患者によく見られる肺出血/喀血を含む出血(「特 別な警告,使用上の注意」の項参照)。

 動脈血栓塞栓症(「特別な警告,使用上の注意」の項参照)。

すべての臨床試験を通して本剤を投与された患者に最も高頻度に認 められた有害事象は,高血圧,疲労又は無力症,下痢,腹痛であっ た。

臨床試験の安全性データの解析によると,本剤投与に伴う高血圧及 び蛋白尿の発現には用量との相関が示唆された。

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の併用により起こる末梢性感覚ニューロパチー,パクリタキセルとの併 用により起こる爪の障害や脱毛が挙げられる。

全試験を通じ,副作用が原因で本剤の投与が中止となった患者の割合は 8.4~21%であった。

副 作 用

( 臨 床 試 験 に お け る 副 作 用)

臨床試験における副作用

臨床試験は様々な条件下で行われるため,ある薬剤の臨床試験の副作用 発現率と他剤の臨床試験の副作用発現率を直接比較することは不可能で あるし,実際の医療現場における発現率を反映していないことがある。

以下に示すデータは,比較試験(Study 1, 2, 4, 5, 8, 9及び10),単アーム

試験(Study 6)において,本剤の推奨用量及びスケジュールにより中央

値で6~23回の投与を受けた結腸・直腸癌,非扁平上皮非小細胞肺癌,

膠芽腫,転移性腎細胞癌,子宮頸癌,白金製剤抵抗性の再発上皮性卵巣 癌,卵管癌,原発性腹膜癌の患者4996例の成績に基づくものである

(「臨床試験」の項参照)。患者集団は18~89歳(中央値60歳),42%

が男性,86%が白人であった。患者集団には本剤を中央値で10回投与さ れた一次治療及び二次治療の転移性結腸・直腸癌患者2184例,中央値で 8回投与された一次治療の転移性非小細胞肺癌患者480例,中央値で9回 投与された膠芽腫患者163例,中央値で16回投与された転移性腎細胞癌 患者337例,中央値で6回投与された子宮頸癌患者218例,中央値で6回投 与された白金製剤抵抗性の再発上皮性卵巣癌,卵管癌,原発性腹膜癌患 者179例が含まれていた。これらのデータには,本剤の投与が中央値で 9.5回行われた転移性乳癌患者363例,本剤の投与が中央値で23回行われ た結腸・直腸癌術後補助療法患者1338例(うち669名が女性),また本 剤の投与が中央値で8回行われたびまん性大細胞型 B 細胞性リンパ腫患 者403例も含まれている。なお,転移性乳癌,結腸・直腸癌術後補助療 法,びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫への使用は承認されていない。

副 作 用

( シ ョ ッ ク , ア ナ フ ィ ラ キ シ ー 様 症 状)

過敏症/インフュージョンリアクション(「特別な警告,使用上の 注意」及び「市販後経験」の項参照)

いくつかの臨床試験において,本剤と化学療法の併用を受けた患者 では,化学療法単独の患者に比べ,アナフィラキシー反応やアナフ ィラキシー様反応が高頻度に報告されている。本剤のいくつかの臨 床試験でみられたこれら事象はよく見られるものである(本剤投与 患者で5%以下)。

副 作 用

( 消 化 管 穿孔)

注目すべき重篤な副作用の説明

消化管穿孔及び瘻孔(「特別な警告,使用上の注意」の項参照)

本剤に関連する消化管穿孔の重篤例が認められている。

臨床試験において,消化管穿孔が報告され,転移性乳癌又は非扁平

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上皮非小細胞肺癌患者における発現率は1%未満,転移性腎細胞癌又 は卵巣癌初回化学療法患者においては2.0%以下,転移性結腸・直腸 癌患者においては2.7%以下(消化管瘻及び膿瘍を含む)であった。

治療抵抗性・再発又は転移性の子宮頸癌患者を対象とした臨床試験

(GOG-0240試験)において,消化管穿孔(全 Grade)が3.2%の患者 で報告され,消化管穿孔を発現した全ての患者は骨盤部への放射線 前治療歴を有していた。

これらの事象の発現の種類,重症度はさまざまであり,腹部単純 X 線検査により腹腔内ガスがみられたが無治療で回復した例から,腸 管穿孔に腹部膿瘍を伴い死に至った例まであった。胃潰瘍,腫瘍壊 死,憩室炎又は化学療法に関連する大腸炎のいずれかによる潜在的 な腹腔内の炎症が存在する症例もあった。

致死的な転帰は、重篤な消化管穿孔を発現した症例のうち約3分の1 で報告され、これは本剤を投与した全患者における0.2%-1%に相当 する。

本剤の臨床試験では,転移性結腸・直腸癌患者,卵巣癌患者におけ る消化管瘻(全 Grade)は2%以下であるが,その他の癌腫ではそれ ほど多くは認められないことが報告されている。

GOG-0240試験で認められた消化管腟瘻

治療抵抗性・再発又は転移性子宮頸癌患者を対象とした試験におい て,消化管腟瘻の発現率は本剤投与群で8.3%,コントロール群で 0.9%であり,全例が骨盤部への放射線前治療歴を有していた。本剤 を含む化学療法で治療した患者群での消化管腟瘻の発現率は,放射 線照射野以外で癌が再発した患者(3.6%)と比較して,放射線照射 野内で癌が再発した患者(16.7%)において高かった。化学療法単独 で治療したコントロール群においては,それぞれ1.1%,0.8%と同等 の発現頻度であった。消化管腟瘻を発現した患者では腸閉塞を併発 している可能性があり,人工肛門造設等の外科的介入が必要となる こともある。

副 作 用

(瘻孔) 消化管以外の瘻孔(「副作用」の項参照)

本剤の投与に関連する瘻孔の重篤例及び瘻孔から死亡に至った症例 が認められている。

治療抵抗性・再発又は転移性子宮頸癌患者を対象とした臨床試験

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(GOG-0240試験)において, 消化管以外と腟, 膀胱又は女性生殖器 との間での瘻孔の発現率は, 本剤投与群で1.8%,コントロール群で 1.4%と報告されている。

種々の適応において,消化管以外の部位(例えば,気管支胸腔及び 胆管)での瘻孔がまれにあらわれることがある(≥ 0.1%~< 1%)と 報告されている。市販後においても,瘻孔は報告されている。

瘻孔は本剤の投与後,1週間から1年以上にわたるいずれの時期にお いても報告されているが,ほとんどの事象は投与後6カ月以内に発現 した。

副 作 用

( 創 傷 治 癒遅延)

手術及び創傷治癒合併症

術後の創傷治癒・創傷出血合併症の発現率は,本剤の投与を受けた転移 性結腸・直腸癌患者において,化学療法のみを受けた患者より高かっ た。試験治療を受けた後60日以内に手術が必要となった患者では,創傷 治癒・創傷出血合併症の発現率は,IFL 療法単独群で4%(1/25)に対し IFL療法 + 本剤併用群では15%(6/39)であった。

Study 6において,術後の創傷治癒合併症(開頭部位の創傷治癒遅延及び 脳脊髄液漏出)が前治療歴のある膠芽腫患者(3/84例が本剤単剤群,

1/79例が本剤 + イリノテカン併用群)に起こった(「警告(枠囲

み)」,「用法・用量」及び「警告・使用上の注意」の項参照)。

創傷治癒(「特別な警告,使用上の注意」の項参照)

本剤は創傷治癒に影響を及ぼすおそれがあるため,過去28日以内に 大きな手術を受けた患者は第III相試験対象から除外した。

転移性結腸・直腸癌に対する臨床試験において,本剤投与開始前28

~60日以内に大きな手術を受けた患者で,術後に出血及び創傷治癒 合併症が起こるリスクが本剤投与により上昇することはなかった。

手術時に本剤の投与を受けていた患者の場合には,大きな手術後60 日以内に術後出血又は創傷治癒合併症の発現率が上昇した。発現率 は10%(4/40例)~20%(3/15例)の範囲であった。

吻合部合併症を含む重篤な創傷治癒遅延合併症が報告されており,

症例の中には致死的な転帰を辿ったものもいた。

局所再発・転移性乳癌に対する臨床試験において,Grade 3~5の創傷 治癒合併症(NCI-CTCAE v.3)は,対照群で0.9%以下であったのに対 し,本剤投与群では,1.1%以下の患者において認められた。

卵巣癌患者を対象とした臨床試験では,Grade 3~5の創傷治癒遅延合 併症(NCI-CTCAE v.3)が対照群で0.1%以下だったのに対して本剤群 では1.2%以下の患者で認められた。

副 作 用

(出血) 出血

転移性結腸・直腸癌患者における鼻出血の発現率は,IFL療法 + 本剤群 で IFL 療法 + プラセボ群より高かった(本剤群35%及びプラセボ投与 群10%)。これらの有害事象は1例を除きすべてが Grade 1で医学的処置 を行わずに回復した。その他に,Grade 1又は2の出血事象が IFL 療法 + プラセボ投与群に比べ,IFL療法 + 本剤投与群で高頻度に報告され,消 化管出血(それぞれ24%及び6%),軽度の歯肉出血(それぞれ2%及び 0%)及び腟出血(それぞれ4%及び2%)が含まれていた(「警告(枠囲 み)」,「用法・用量」及び「警告・使用上の注意」の項参照)。

出血(「特別な警告,使用上の注意」の項参照)

すべての適応症に関する臨床試験において,NCI-CTC v.3のGrade 3~ 5の出血の発現率は,化学療法単独投与群の4.5%以下に対し,本剤投 与患者では0.4~6.9%であった。

治療抵抗性・再発又は転移性子宮頸癌患者を対象とした臨床試験

(GOG-0240試験)において,パクリタキセル,トポテカンを投与し

た患者では4.6%であったのに対し,パクリタキセル,トポテカンと 共に本剤を投与した患者では8.3%で Grade3-5の出血が報告されてい る。

臨床試験で認められた出血の多くは腫瘍関連出血(下記参照)及び

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