南京(%) 福岡(%)
①一体化及び不対称の形状が多い。
②モルタル、石、木、特に布の素材が使用される。
③日本建築の伝統の建具が使用される。
④赤、黄赤と低明度・低彩度のトーンがよく使用される。
⑤店名の文字が最も小さく、のぼり旗や旗が最も多い。
⑥植物が最も多い。
①上部と両サイドが分離し、横長かつ対称の形が多い。
②モルタル、石、木、瓦などの素材が使用される。
③中国建築の伝統の建具が使用される。
④赤、青紫と中明度・低彩度のトーンがよく使用される。
⑤看板、壁面広告と軒下広告などが最も多い。
⑥足拭きマットが多い。
①窓口型で、対称かつ縦長の形が多い。
②タイルと金属の素材が使用される。
③赤と中明度・高彩度のトーンが多い。
C-1
④補助要素が少なく、店頭ディスプレイが使用される。①上部と両サイドが分離し、開放率がやや高い。
②タイルと樹脂の素材が使用される。
③赤、黄赤、黄、黄緑と中明度・高彩度のトーンが使用される。
④店名の文字が最も大きく、壁面広告とウィンドウマーキングが多い。
⑤植物が少ない。
①一体化及び開放率の最も大きい形状が多い。
②金属の素材が使用される。
③赤、黄赤と中明度・高彩度のトーンが使用される。
B-1
④スタンドサインとイスやテーブルなどが使用される。①開放率が最も低く、不対称な形状が多い。
②木と煉瓦が使用される。
B-2
③線状や面状の抽象的な装飾が使用される。④赤、黄赤、青紫と低明度・低彩度のトーンが使用される。
⑤看板、プレートとオーニングなどの情報系の補助要素が使用される。
A-2 A-1
②南京
13
6
7.69
3 33.33 66.67
25 68 32
C5
C1
図 2-24 は、本章の調査・分析の結果から得られた南京市と福岡市の 3 業態のファサードについての各類型の分布図である。そのことから、
両都市の 3 業態のファサードの共通性と、3 業態のファサードの独自性 を図 2-25、2-26 にまとめた。またどの類型が両都市のどの業態同士に 共通した類型であるか、線で結び、同じ傾向や構成要素をまとめた。
3.3.2. 両都市の 3 業態の大分類別の構成要素の特徴
(1)共通性のある両都市の各業態
・両都市の飲食業態の閉鎖型において、南京市と福岡市のファサード数 がほぼ同じであり、閉鎖型は両都市の飲食業態のファサードの共通性と いえる(図 2-25)。
・南京市の生活用品業態、福岡市の生活用品業態、南京市の服飾業態、
福岡市の服飾業態において、それぞれに開放型のファサードがやや多く、
開放型はこれらの業態の共通性と考えられる(図 2-25)。
・多彩・広告型は両都市の生活用品業態の共通性であると考えられる(図 2-25)。
(2)独自性のある両都市の各業態
・福岡市の飲食業態及び生活用品業態において、伝統建具型(福岡市)
のファサードが多く、伝統建具型がこれらの業態の独自性と考えられる
(図 2-26)。
・南京市の飲食業態において、閉鎖型を除いて、多彩・広告型と開放型 のファサードも多く、これらの特徴は南京市の飲食業態の独自性と考え
大分類
南京市の服飾業態
1 5 2
福岡市市の服飾業態
1 5 1 1
南京市の生活用品業態
10 1 5 1 1
福岡市の生活用品業態
4 1 7 4 2
南京市の飲食業態
6 3 6 8
福岡市の飲食業態
3 1 3 1 8 10
閉鎖型 開放型 窓口型 伝統建具型(福岡市)
伝統建具型 (南京市) 多彩・広告型
図 2-24 3 業態のファサードの各類型の分布図
られる(図 2-26)。
また、両都市の 3 業態において、窓口型のファサードが極めて少なく、
伝統建具型(南京市)のファサードがわずか 6 件しかなかった。福岡
伝統建具型(福岡市) ①一体化及び不対称の形状が多い。
②モルタル、石、木、特に布の素材が使用される。
③日本建築の伝統の建具が使用される。
④赤、黄赤と低明度・低彩度のトーンがよく使用される。
⑤店名の文字が最も小さく、のぼり旗や旗が最も多い。
⑥植物が最も多い。
多彩・広告型
①上部と両サイドが分離し、開放率がやや高い。
②タイルと樹脂の素材が使用される。
③赤、黄赤、黄、黄緑と中明度・高彩度のトーンが使用される。
④文字が最も大きく、広告とウィンドウマーキングが多い。
⑤植物が少ない。
開放型 ①一体化及び開放率の最も大きい形状が多い。
②金属の素材が使用される。
③赤、黄赤と中明度・高彩度のトーンが使用される。
B-1 ④スタンドサインとイスやテーブルなどが使用される。
福岡市の生活用品業態
B-1
南京市の飲食業態 A-1
福岡市の飲食業態
図 2-26 独自性のある両都市の業態傾向
閉鎖型 ①開放率が最も低く、不対称な形状が多い。
②木と煉瓦が使用される。
B-2 ③線状や面状の抽象的な装飾が使用される。
④赤、黄赤、青紫と低明度・低彩度のトーンが使用される。
⑤看板、プレートとオーニングなどが使用される。
A-2
開放型 ①一体化及び開放率の最も大きい形状が多い。
②金属の素材が使用される。
③赤、黄赤と中明度・高彩度のトーンが使用される。
B-1 ④スタンドサインとイスやテーブルなどが使用される。
多彩・広告型
①上部と両サイドが分離し、開放率がやや高い。
②タイルと樹脂の素材が使用される。
③赤、黄赤、黄、黄緑と中明度・高彩度のトーンが使用される。
④文字が最も大きく、広告とウィンドウマーキングが多い。
⑤植物が少ない。
福岡市の服飾業態
南京市の生活用品業態
福岡市の生活用品業態
A-1 南京市の飲食業態
福岡市の飲食業態
南京市の生活用品業態
福岡市の生活用品業態
南京市の服飾業態
図 2-25 共通性のある両都市の業態傾向
市の飲食業態と生活用品業態のファサードには伝統建築の歴史と文化が あふれているのに対して、南京市の各業態のファサードは、地域性や特 徴が失われており、伝統建築の歴史や文化を受け継いでいるファサード デザインの認識が浅く感じられた。
また、本章の調査・分析の結果により、両都市の 8 業態の小分類別 の構成要素の傾向が以下のように明らかになった。(表 2-9)
(1)共通性のある両都市の小分類の各業態
・両都市は、A‐服飾用品業態において、ともに開放型という特徴を持っ ていると考えられる。
・両都市は、C‐日用生活用品業態において、ともに多彩・広告型とい う特徴を持っていると考えられる。
・両都市は、E‐喫茶業態において、ともに開放型という特徴を持って いると考えられる。
・両都市は、F‐料理飲食業態において、ともに閉鎖型と各自の伝統建 具型の特徴を持っていると考えられる。
・両都市は、G‐軽飲食において、ともに多彩・広告型の特徴を持って いると考えられる。
・両都市は、H‐遊興飲食業態において、ともに閉鎖型の特徴を持って いると考えられる。
(2)独自性のある両都市の小分類の各業態
・南京市のB - 生活文化用品業態の特徴が多彩・広告型であるが、福岡 市が開放型という特徴を持っていると考えられる。
・福岡市のC - 日用生活用品業態は、多彩・広告型を除いて、開放型の 特徴もあると考えれる。
・両都市の D‐加工食品業態は、南京市が開放型の特徴を持っており、
福岡市が伝統建具型(福岡市)と閉鎖型の特徴を持っていると考えられ る。
3.3.3. 両都市の 8 業態の小分類別の構成要素の特徴
表2-9 各業態の特徴の対応表 多彩・広告型伝統建具型 (南京市)開放型窓口型伝統建具型 (福岡市)多彩・広告型伝統建具型 (南京市)開放型窓口型伝統建具型 (福岡市)
C 1 C 2 C 4 C 5 C 6 C 3 C 7 C 1 C 2 C 4 C 5 C 6 C 3 C 7
服飾業態A 服飾用品1
2、3、6、7、85 4 55
50、51、53、54、5652 57
B 生活文化用品9,10,11、12、13、1462
58、59、60、6163
C 日用生活用品15、16、1820 17 19
65、68、6966、6764
D 加工食品24
21、22、25、2623 74 73
70、7172、75 E 喫茶31、3227、28、2930 78
76、80、8179 77
F 料理飲食34
35.37、3833、3683
86、8785
82、84 G 軽飲食39,40
43、4442 41
90、9289、91、9388
H 遊興飲食48 49
45、46、4796,10 0, 101 97
94、95、98、99 合 計17 4 16 1 1 2 8 8 2 15 2 12 2 11
飲食業態大分類小分類
南京市の店舗サンプル福岡市の店舗サンプル 生活用品 業態
閉鎖型閉鎖型
・南京市のE‐喫茶業態は、開放型を除いて、多彩・広告型の特徴もあ ると考えられる。
・両都市のG‐軽飲食業態は、共通性の多彩・広告型を除いて、南京市 が開放型の特徴があるが、福岡市が伝統建具型(福岡市)の特徴がある と考えられる。
・福岡市の H‐遊興飲食業態は、閉鎖型の特徴を除いて、伝統建具型(福 岡市)の特徴を持っていると考えられる。
8 業態の各小分類において、南京市の伝統建具型(南京市)が福岡市 よりかなり少なく、ファサードデザインの地域性や特徴が重視されてお らず、商品や店を中心として、多彩・広告型が最も多かったことが分かっ た。
本章は、南京市と福岡市における店舗ファサードの各構成要素の物理 量調査と比較分析の結果を踏まえ、以下のようなことが明らかになった。
(1)南京市と福岡市の都心部における、101 件の店舗ファサードが構 造要素・装飾要素・補助要素の物理量により、伝統建具型(南京市)、
伝統建具型(福岡市)、窓口型、多彩・広告型、開放型、閉鎖型の 6 つ に類型化することができた。
(2)各業態における店舗ファサードの独自性からみると、福岡市の都 心部の各業態は地域性や歴史性が重視され、伝統的な建築の建具のほか に、布、植物や木など自然の素材が多く使用されている。それに対して、
南京市は伝統の歴史や文化を受け継ぐ、地域性があるファサードが少な いが、多彩・広告型のファサードが多い。多種な色、大きく書かれた店 名、数多く使用された壁面広告などにより、目立つ効果のあるファサー ドが求められている。また、開放型と閉鎖型は南京市と福岡市の共通性 であることが示された。
(3)両都市の 3 業態の大分類、8 業態の小分類の構成要素の傾向が以 下のように明らかになった。
3 業態の大分類において、閉鎖型は両都市の飲食業態のファサードの 共通性であり、開放型は両都市の服飾業態と生活用品業態のファサード 4. 本章のまとめ