ド サ イ ン
プ レ
�
ト壁 面 広 告
軒 下 広 告
の ぼ り 旗
旗 ウ
�
ン ド ウ マ�
キ ン グオ
�
ニ ン グ店 頭 デ
�
ス プ レ イフ リ
�
ペ�
パ�
イ スo r
テ�
ブ ル足 拭 き マ
�
ト公 衆 電 話
ス タ ン ド 灰 皿
ゴ ミ 箱
植 物
C1 25 0.64 0.51 0.28 0.16 0.4 0.28 0.08 0.04 0.52 0.08 0.28 0.04 0 0.32 0.04 0.08 0.16 0.2
C2 6 1 0.5 0.4 0.6 0.4 0.4 0.4 0 0.6 0 0.2 0 0 0.6 0 0 0 0.4
C3 4 0.5 0.31 0.25 0 0.25 0 0 0 0 0 0.25 0 0 0 0 0 0 0
C4 31 0.32 0.46 0.32 0.16 0.35 0.16 0.03 0.03 0.39 0.29 0.29 0 0.1 0.29 0 0.03 0 0.29
C5 3 0.33 0.29 0 0.33 0.33 0.33 0 0 0 0.33 0.67 0 0 0 0 0 0 0
C6 13 0.62 0.24 0.23 0.08 0.38 0 0.31 0.08 0.15 0.31 0.38 0 0 0.46 0 0 0.08 0.77 C7 19 0.68 0.31 0.26 0.37 0.21 0.11 0 0.05 0.21 0.47 0.11 0 0.05 0.16 0 0.05 0.05 0.37
全平均0.55 0.41 0.28 0.21 0.34 0.17 0.09 0.04 0.34 0.25 0.27 0.01 0.04 0.29 0.01 0.04 0.06 0.33
パ
�
タ ン店 舗 の 合 計 数
補助要素
情報系 物品系
② 0.5 以上の割合 注:① C1 〜 C7 は表 2-4 を参照
建築ファサードに関する既往研究で、積田洋ら [ 注 9] は建物の「ら しさ」を研究するために、ファサードの高さ・プロポーション・ボリュ ーム構成・テクスチャー・屋根形状・開口部・シンメトリー・バルコニ ー・サインについて、それぞれ物理量分析を行った。また、これらの物 理量を用いてクラスター分析により 100 建築のファサードを 8 パター ンに分類した。類型化された各パターンの構成要素の特徴により、各パ ターンの位置づけを行った。
また素材の位置づけとファサード構成手法に関する研究「注 10」に おいて、ファサードの屋根形状、分割形状、壁面形状、素材、開口部な どの構成要素を用いて、70 年代から90年代までの建築ファサードの 類型化を行った。結果として、ファサードは素材の使い方によって閉鎖 型から徐々に開放型に変化している。つまり閉鎖型と開放型は建築の内 部空間と外部空間との境界上の2つの主な特徴であると言える。
これらのファサードの構成要素の特徴と開放度から、ファサードを類 型化し、各パターンの特徴を分析・考察することは、本章の類型化され た各パターンの名づけに大きな示唆を与える。
本章では、各類型のファサードの構成要素の特徴を明らかにするため に、ファサードの外形を表す構造要素、雰囲気を作り出す装飾要素、店 の宣伝、利用者のニーズや行動と密接な関係を結ぶ補助要素を用いて、
クラスター分析法でファサードの類型化を行った。
結果から、各パターンの構成要素の特徴として、C1 は色相が多く、
壁面広告や軒下広告、のぼり旗、旗などの情報系の要素が多く設置され るという典型的な類型が得られた。C5 は窓口型の特徴が顕著に見られ た。また C6 は福岡市の伝統建具が最も多く、一方 C2 は南京市の伝統 建具が最も多いという2つの典型的な類型が見られた。さらにファサ ードの形状や開放率、物品系の補助要素により、C4 の開放的な特徴と C3・C7 の閉鎖的な特徴が顕著に見られた。
以上のことを踏まえて、C6 を福岡市の伝統建具型、C2 を南京市の 3.3. 結果のまとめと考察
3.3.1. 全体の路面店ファサードの構成要素の特徴
伝統建具型、C5 を窓口型、C1 を多彩・広告型、C4 を開放型と、C3・
C7 を閉鎖型に分類した。また、C5 と C6 は福岡市の店舗割合が大きく、
これらのパターンは福岡市の独自性であり、一方 C1 と C2 は南京市の 店舗割合が大きく、これらのパターンは南京市の独自性である。開放型 と閉鎖型は両都市の共通性であることが示された。(図 2-23)
(1) 伝統建具型
C6 では、ファサードの上部と両サイドが一体化する B-1 の形状が多 く利用され、また不対称式の伝統建具型のファサードも多く見られた。
自然的な素材のモルタル、石、木、布などが多用され、日本建築の伝統 的なディテールである格子戸、連子窓、暖簾と駒寄せなどが多く使用さ れており、特徴のある日本の建築文化が現れた。そして、ファサードの 色は、赤、黄赤と低明度・低彩度のトーンが多用された。さらに、植物 や旗やのぼり旗などが多く設置され、店名の文字のサイズにこだわりが あり、利用者への配慮が伺えた。このパターンの福岡市の店舗が 92.3%
で最も多い。C6 は福岡市の伝統建築の文化が表出され、地域の特徴が 表されているといえる。これらのことから、C6 が伝統建具型(福岡市)
と名づけることができる。
C2 では、上部と両サイドが分離し、横長かつ対称の形状が多い。加 えて、モルタル、石、木、瓦などの素材と、格門、花罩、対聯などの中 国建築の伝統の建具が使用されている。加えて赤や青紫と中明度・低彩 度のトーンが多く使用されている。これらの構成要素が、ファサードに、
伝統の中国風の雰囲気を作り出したといえる。看板、壁面広告、軒下広 告と足拭きマットの補助要素の設置がほかの類型と比べ最も多い。さら に、このパターンの南京市の店舗数の割合は 66.67% でやや多い。ゆえ に、南京市の地域性が演出された C2 が伝統建具型(南京市)と名づけ ることができる。
(2)窓口型
C5 の類型はファサードの面積が少なく、縦長の窓口型が多く見られ る。タイルや金属の素材、赤と中明度・高彩度のトーンが多く使用され
ている。また、補助要素が設置されていない。商品や店内を多めに展示 するため、大きなディスプレイが設置されており、開放的でかつシンプ ルな視覚的印象といえる。C5 の各構成要素の特徴により、窓口型と名 づけることができる。
(3)多彩・広告型
C1 のファサードは、上部と両サイドが分離する A-1 の形状が多く使 用され、ファサードの開放率がやや高い。加えてタイルと樹脂系の素材 が多く使用されている。また、これらのファサードの色は、赤、黄赤、黄、
黄緑と中明度・高彩度のトーンが多い。さらに、店名や看板の文字が最 も大きく、壁面広告とウィンドウマーキングが多く設置されているが、
植物が少ないと示された。これらの構成要素の特徴により、C1 が多彩・
広告型と名づけることができる。
(4) 開放型
C4 において、上部と両サイドが一体化している B-1 の形状が多く見 受けられ、開放率も最も大きく、金属の素材が使用されている。また、
装飾要素がほとんど利用されておらず、赤、黄赤と中明度・高彩度のト ーンが使用されている。さらに、補助要素のスタンドサインとイスやテ ーブルなどにより、ファサードの開放的な性格を表出している。これら の構成要素から、最も開放的な特徴が顕著にみられた C4 を開放型と名 づけることができる。
(5)閉鎖型
C3 と C7 では、閉鎖的な形状である B-2 と A-2 が多く、計測された 開放率もともに低い。C3 は木、線状、面状の抽象的な装飾要素が見受 けられ、赤などが多く使用されている。C7 は木と煉瓦の素材と、赤、
黄赤、青紫と低明度・低彩度のトーンが多く使用されている。また、看板、
プレートとオーニングなどの情報系の補助要素が使用されている。これ らのことから、C3 と C7 はファサードが閉鎖的であるという特徴があ るといえる。したがって、C3 と C7 を閉鎖型と名づけることができる。
南京(%) 福岡(%)
①一体化及び不対称の形状が多い。
②モルタル、石、木、特に布の素材が使用される。
③日本建築の伝統の建具が使用される。
④赤、黄赤と低明度・低彩度のトーンがよく使用される。
⑤店名の文字が最も小さく、のぼり旗や旗が最も多い。
⑥植物が最も多い。
①上部と両サイドが分離し、横長かつ対称の形が多い。
②モルタル、石、木、瓦などの素材が使用される。
③中国建築の伝統の建具が使用される。
④赤、青紫と中明度・低彩度のトーンがよく使用される。
⑤看板、壁面広告と軒下広告などが最も多い。
⑥足拭きマットが多い。
①窓口型で、対称かつ縦長の形が多い。
②タイルと金属の素材が使用される。
③赤と中明度・高彩度のトーンが多い。
C-1
④補助要素が少なく、店頭ディスプレイが使用される。①上部と両サイドが分離し、開放率がやや高い。
②タイルと樹脂の素材が使用される。
③赤、黄赤、黄、黄緑と中明度・高彩度のトーンが使用される。
④店名の文字が最も大きく、壁面広告とウィンドウマーキングが多い。
⑤植物が少ない。
①一体化及び開放率の最も大きい形状が多い。
②金属の素材が使用される。
③赤、黄赤と中明度・高彩度のトーンが使用される。
B-1
④スタンドサインとイスやテーブルなどが使用される。①開放率が最も低く、不対称な形状が多い。
②木と煉瓦が使用される。
B-2
③線状や面状の抽象的な装飾が使用される。④赤、黄赤、青紫と低明度・低彩度のトーンが使用される。
⑤看板、プレートとオーニングなどの情報系の補助要素が使用される。