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第 4 章 2 孤立波の干渉(追越衝突現象)

4.2 水粒子速度の時間変化

5.2.1 伝達波

図 5.3、図 5.4、図 5.5は伝達波の水面形の時間変化を示したグラフである。

壁高 10cm のケースでは、単独波も干渉波も波高は下がっているものの孤立波の波形 は維持していることが分かる。壁高10cmは、水深と同じであり、孤立波の峰の部分は直 立堤の影響は直接受けず伝播したため、このような結果になったと考えられる。また、

興味深いとこに、干渉波では、越波後も干渉が続いていると考えられる。壁の位置で追 越の瞬間であった0.0sのケースの波形を見ると、大きい山が前方寄りになった追越衝突 後のような波形であることが分かる。また、壁の位置では、追越前であった-0.1sのケー スでは、波形はほぼ左右対称となり、追越の瞬間のような波形になった。それ以外のケ ースも同様に越波後も干渉が続いていることが分かる。

壁高 12cm のケースでは、単独波も干渉波の孤立波のような波形ではなく、振動して いることが分かる。壁高10cmのケースとは違い、水面と壁の間に距離があったため、越 波した水が塊となって、水面に落下し、その衝撃で波が発生したと考えられる。そのた め、元の孤立波の波形形状が残らなかったと考えられる。

壁高14cmのケースでも壁高12cmのケースと同様に、単独波も干渉波の孤立波のよう な波形ではなく、振動していることが分かる。

図 5.6は伝達波の最大波高を示した図である。単独波では、波高が高いほど、伝達波 高も高くなっている。壁高10cmのケースでは、水面形の時間変化でも述べた通り、干渉 が続いていることが分かる。伝達波高は、壁の位置で最小だった0.0sのケースではなく、

-0.1sのケースが最小となった。また、すべての高さにおいて、干渉時の伝達波高は、第

2 波(4.0cm)と干渉時の同波高単独波(2.8cm)の間の値となった。これは、干渉時の高水位 領域が拡大し他ためであると考えられる。

図 5.7 は波高伝達率を示した図である。近藤ら(1964)による実験値および実験近似式 と同時にプロットした。単独波では、実験値および実験近似式とおおむね一致する結果 が得られた。干渉時は、壁の高さが水深と異なる、hc≠0.0の場合は、実験値および実験 近似式とおおむね一致した。一方で、hc≠0.0の場合は、大きく異なった。これは、前述 のとおり、壁衝突後も干渉が続き、元の波高に戻ろうと波高が上昇したため、波高減衰 率が大きくなったと考えらえる。

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図 5.3 伝達波(壁高:10cm) 水面形の時間変化

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図 5.4 伝達波(壁高:12cm) 水面形の時間変化

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図 5.5 伝達波(壁高:14cm) 水面形の時間変化

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図 5.6 伝達波 最大波高(上:壁高10cm、中:壁高12cm、下:壁高14cm、)

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図 5.7 波高伝達率の比較

Hi・・・入射波高、Ht・・・伝達波高、hc・・・初期水面からの壁高

hc/Ht・・・相対天端高、Hi/Ht・・・波高伝達率

図5.7の近藤ら(1964)による波高伝達率の近似式は以下のとおりである。

Ht

Hi = 0.3 (1.5 −hc

Hi) (hc/Hi≦1.25) (5.2)

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