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) 2 2 (

1

1 +

-

+

=

i i

i

T

T T

 

となる。 

  また、もしも、「端が断熱」とする必要がある場合には、「端部分の2つのセル温度が等しい」という条件設定 をすれば良い。すなわち、温度差が無ければ Fourier の(1)式から判るように、伝熱量がゼロとなる。 

 

<操作方法> (先ずは、単純な例から開始) 

① ファイル 定常1次元伝熱 を開く。シート1の説明を読む。 

② シート2を開く。計算方法を「手動」に変えよ。 

(Office2003 以前では、ツール  →  オプション  →  計算方法  →  手動) 

(Office2007 では、  Microsoft Office  ボタン  →  Excel  のオプション  →  数式タブ  →  手動) 

③ 両端のセル以外のセル全てに、Ti=(Ti-1+Ti+1)/2  に相当する数式を代入せよ。 

④ 左端のセルに適当な温度(例えば 100℃)を入力し、右端のセルにも適当な温度(例えば 0℃)を入力せ よ。 

⑤ F9(再計算キー)を押し、棒内部の温度分布が収束するまで反復計算させ、収束した結果を図示せよ。 

必要に応じ、再計算における計算回数の設定を変更すること。(Office2007 では変更が必要である。) 

⑥ シート3を開き、同様に、両端のセル以外のセル全てに、Ti=(Ti-1+Ti+1)/2  に相当する数式を代入せよ。 

⑦ 右端のセルに、断熱の条件を入力せよ。すなわち、断熱の条件とは、「温度勾配がゼロである」ことであ る。具体的には、右端のセルとその隣のセルの値が常に等しくなるようにする。 

⑧ 左端のセルに適当な温度(例えば 100℃)を入力し、F9(再計算キー)によって収束値を求め、図示せよ。 

⑨ 終了時には、ファイルを保存しないこと。(保存する必要がある場合には、別名とすること。) 

   

[2]  定常2次元伝導伝熱 

  1次元の定常伝導伝熱は、直感的に理解できた。では、2次元では、どのようになるか考えてみる。2次元 の場合も、1次元のときと同様に、

「注目セル T

i

の温度は、周囲のセル温度の平均値になる」。

2次 元の場合であっても、もしも、注目セルの温度が周囲の平均値でない場合には、注目セルへの伝熱量のバ ランスが崩れ、注目セルの温度が時間と共に変化してしまい、非定常となる。(図2) 

式で表現すれば、 

) 3 4 (

1 , 1 , , 1 ,

1 ,

+

-+

-

+ + +

=

i j i j i j iJ

j i

T T

T T T

となる必要のあることが直感的に理解できる。 

     

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<操作方法> 

① ファイル 定常2次元伝熱 を開き、説明書きを読んでから、sheet2 を開き、計算方法を「手動」に変えよ。 

② 厚さ方向に温度差の無い正方形の表面を持つ板状の固体内部の伝導伝熱を考える。板は、x,y それぞ れの方向に11分割されて表現されている。 

③ 周囲を除く全てのセルに(3)式に相当する式を代入せよ。 

④ 周囲4辺のセルに一定温度(例えば0℃)を与えよ。    次に、板の中央付近の一点に一定温度(例えば 100℃)を与えよ。 

⑤ F9キー(再計算キー)を用いて再計算を実行し、計算結果が収束するまで繰り返し、その結果を図示せ よ。(グラフが変化しないときは、グラフを選択し、右クリックし、「元データ」とし、列と行のチェックを入れ 替える。) 

⑥ ④で一定温度(例えば 100℃)を与えたセルに0を代入してから、F9(再計算キー)を用いて再計算を実行 し全てのセルがゼロになるまで再計算させ、元の状態に戻す。 

⑦ 板の周囲の4辺に相当するセルに断熱条件を設定せよ。具体的には、図3に示すように、周辺のセルの 値がその中央側の隣りのセルと同じ値となるように設定する。角のセルには、その両隣りのセルの平均 値が計算されるように数式を入れよ。 

⑧ 板中央付近の1点(④で使用したセルと同一セル)に一定温度(例えば 100℃)を与えよ。 

⑨ F9キーを用いて再計算を実行し、計算結果が収束するまで繰り返し、その結果を図示せよ。 

⑩ 終了時には、ファイルを保存しないこと。(保存する必要がある場合には、別名とすること。) 

⑪ なお、この計算において、グラフが動いて表示されるが、時刻による変化を示しているのではない。収束 値を求めるために、トライアンドエラーで反復計算しているので、グラフが変化していることに注意するこ と。 

T

i,j

T

i,j-1

T

i,j+1

T

i-1,j

T

i,j+1

図2  2次元定常伝導伝熱  定常ならば、Ti,jは、周囲の平均値 

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      セル C の温度は、セル A とセル B の平均値を代入せよ。 

   

[3]  非定常1次元伝導伝熱 

図1に示した棒内の非定常な伝導伝熱を考える。Dt秒間に、i番目の注目セルの温度がDTiだけ上昇したと

する。(図4参照)  Dxは、セルの間隔である。

                       

  図4  1次元非定常伝導伝熱のモデル   

Dt秒間に、左側のセル(温度Ti-1)から注目セル(温度Ti)に移動した伝熱量は、(1)式より  x t

T kA T

qi i i ×D

D -

-=

-)

( 1

1     (4)  ・・・・(注目セルに入った量) 

ただし、Aは、伝熱面積、Dxは、セル間の距離である。 

一方、注目セル(温度Ti)から右側のセル(温度Ti+1)に移動した伝熱量は、 

B C

図3  断熱条件の設定 

T

i

T

i-1

T

i+1 側面断熱

+1

qi -1

qi

Dx

A

x t T kA T

qi i i ×D

D -

-=

-)

( 1

1 t

x T kA T

qi i i ×D

D -

-= +

+

) ( 1

1

t T xA

cp×D ×D i×D r

注目セル 

入った量 

たまった量 

出た量 

39 x t

T kA T

qi i i ×D

D -

-= +

+

) ( 1

1     (5)  ・・・・(注目セルから出た量) 

Dt秒間に、注目セルにたまった熱量は、密度・比熱×体積×上昇温度×時間であるので、 

t T xA

cp×D ×D i×D

r     (6)  ・・・・(注目セルにたまった量) 

「  入った量  =  たまった量  +  出た量    」 

であるから、 

( ) ÷

ø ç ö

è

æ × D

D

× -+ D

× D

× D

×

÷ = ø ç ö

è

æ × D

D

×

--

- +

t

x T kA T

t T xA Cp x t

T

kA T

i i 1

r

i i 1 i     (7) 

(7)式を、DTiについて解くと、 

) 2

(

1 1

2 i i i

p

i

T T T

x c

t

T k × +

-D

= D

D

+

-r

(8) 

つまり、非定常状態での伝熱計算では、Dt秒後の注目セルの温度が、(8)式のDTiだけ増加するように設定 すればよい。 

なお、

cp

k

r は熱拡散係数といい、一般的にαと表す。αは、拡散係数と同じ次元(m2/s)を持つ。 

 

<操作方法> 

①  ファイル 非定常1次元伝熱 を開き、説明書きを見よ。 

②  シート2を開く。両端のセル以外には、1次元非定常伝熱を表現する(8)式が入力されていることを確 認せよ。左端のセルに適当な温度(例えば100℃)を入力し、右端のセルにも適当な温度(例えば 0℃)を入力せよ。 

③  F9を押し、再計算を行うとシミュレーションしている現象が1秒間だけ進行し、棒内部の温度分布が 更新される。F9を押しながら、温度分布が変化する様子を図示せよ。5秒後、30 秒後および定常状 態になった状態を図示せよ。 

④  ファイルを保存せずに、一旦閉じる。(時刻をゼロに戻す為である。) 

⑤  再度、ファイル 非定常1次元伝熱 を開き、シート3を開く。右端のセルには、断熱の条件が入力さ れていることを確認せよ。すなわち、断熱の条件とは、「温度勾配がゼロである」ことである。具体的 には、右端のセルとその隣のセルの値が常に等しくなるようになっている。 

⑥  左端のセルに適当な温度(例えば80℃)を入力せよ。 

⑦  F9を押しながら、温度分布が変化する様子を図示せよ。30 秒後、500 秒後および定常状態になった 状態を図示せよ。 

⑧  断熱である右端において、常に温度勾配がゼロであることを確認せよ。 

⑨  終了時には、ファイルを保存しないこと。(保存する必要がある場合には、別名とすること。) 

   

[4]  非定常2次元伝導伝熱 

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を作成することができる。厳密な導出は省略するが、1次元における(8)式から直感的に(9)式が想像できる。 

÷÷ ø çç ö

è æ

D -+ +

D -D +

=

D

, +1, -1,2

2

, , +1 , -21

2

,

y

T T

T x

T T

T c

t

T k

i j i j i j i j i j i j

p j

i

r

    (9) 

 

<操作方法> 

① ファイル 非定常2次元伝熱 を開き、説明書きを読んでから sheet2 を開く。 

② 厚さ方向に温度差の無い正方形の表面を持つ板状の固体内部の伝導伝熱を考える。板は、x,  y それぞ れの方向に11 分割されて表現されている。 

③ 周囲を除く全てのセルに(9)式に相当する値が代入されていることを確認せよ。 

④ 板の周囲4辺のセルに一定温度(例えば0℃)を与えよ。次に、板の中央付近の一点に一定温度(例え ば100℃)を与えよ。 

⑤ F9キー(再計算キー)を押すと1秒間だけ現象が進行する。F9を押しながら、温度分布が変化する様子 を図示せよ。5秒後、30 秒後および定常状態になった状態を図示せよ。 

⑥ 終了時には、ファイルを保存しないこと。(保存する必要がある場合には、別名とすること。) 

⑦ 周囲に断熱条件を設定して同様なシミュレーションを図示せよ。 

  [記号] 

A  伝熱面積  [m2]  i  セル番号  [-] 

k  熱伝導率  [J/(m・K)] 

q  伝熱量    [W] 

T  温度      [K] 

x  位置      [m] 

y  位置      [m] 

ρ  密度      [kg/m3]  Cp  比熱      [J/(Kg・K)] 

α  熱拡散係数[m2/s] 

 

レポート提出方法 

  全ての結果(グラフ)を適切な項目名と共に Word に張り付け、ファイルを提出する。提出先は、授業用の Web 提出ページである。 

http://ka31serv.eng.shizuoka.ac.jp/reportdata/ 

ファイル名は、  学籍番号 8 ケタ  +  rep5  Word97-2003 の形式で提出すること。 

提出期限 

  実習実施日を含めて2日以内 

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