表 2.7.6-150 重篤な有害事象発現症例(AST)
投与群 症例
番号 WHO器官別大分類1) WHO
基本語1) 程度 治験薬との 関連性
治験薬
処置 転帰 25 IU増量群 hc 女性生殖(器)障害 卵巣過剰刺激
症候群 高度 明らかにあり なし2) 後 遺 症 を 伴 い 回復
50 IU増量群 ha 女性生殖(器)障害 卵巣過剰刺激
症候群 中等度 明らかにあり なし2) 回復 1) WHO-ART 1997年2Q版を使用した
表 2.7.6-151 有害事象一覧(AST)
25 IU増量群 (80例) 50 IU増量群 (78例) 有害事象 副作用2) 有害事象 副作用2) WHO器官別大分類1)
-有害事象(基本語)
n % n % n % n % 適用部位障害
注射部反応 1 1.3 1 1.3 0 0.0 0 0.0
一般的全身障害
腹部腫脹 1 1.3 1 1.3 2 2.6 2 2.6
腹水 0 0.0 0 0.0 1 1.3 1 1.3
背(部)痛 1 1.3 0 0.0 1 1.3 0 0.0
疲労 1 1.3 0 0.0 0 0.0 0 0.0
発熱 0 0.0 0 0.0 1 1.3 0 0.0
インフルエンザ様症候群 0 0.0 0 0.0 1 1.3 0 0.0
倦怠(感) 0 0.0 0 0.0 1 1.3 0 0.0
薬効過多 0 0.0 0 0.0 1 1.3 1 1.3
中枢・末梢神経系障害
頭痛 9 11.3 2 2.5 7 9.0 3 3.8
胎児障害
流産 2 2.5 0 0.0 0 0.0 0 0.0
稽留流産 0 0.0 0 0.0 1 1.3 0 0.0
消化管障害
腹痛 2 2.5 0 0.0 2 2.6 1 1.3
下痢 1 1.3 0 0.0 0 0.0 0 0.0
胃炎 1 1.3 0 0.0 0 0.0 0 0.0
嘔気 2 2.5 1 1.3 2 2.6 1 1.3
嘔吐 0 0.0 0 0.0 2 2.6 0 0.0
新生物(腫瘍)
卵巣嚢胞 0 0.0 0 0.0 1 1.3 1 1.3
精神障害
不安 1 1.3 0 0.0 1 1.3 0 0.0
女性生殖(器)障害
腹痛(産婦人科系) 10 12.5 5 6.3 7 9.0 3 3.8
不規則出血 2 2.5 2 2.5 0 0.0 0 0.0
女性乳房痛 1 1.3 1 1.3 0 0.0 0 0.0
妊娠時出血 2 2.5 0 0.0 2 2.6 0 0.0
卵巣過剰刺激症候群 3 3.8 3 3.8 2 2.6 2 2.6
卵巣痛 1 1.3 1 1.3 0 0.0 0 0.0
腟炎 0 0.0 0 0.0 2 2.6 0 0.0
抵抗機構障害
感染 1 1.3 0 0.0 0 0.0 0 0.0
真菌感染(症) 0 0.0 0 0.0 1 1.3 0 0.0 1) WHO-ART 1997年2Q版を使用した
2) 治験薬との因果関係が「明らかにあり」,「多分あり」,「可能性あり」に分類されるもの
2.7.6 個々の試験のまとめ(E1725)
表 2.7.6-151 有害事象一覧( AST )(続き)
25 IU増量群 (80例) 50 IU増量群 (78例) 有害事象 副作用2) 有害事象 副作用2) WHO器官別大分類1)
-有害事象(基本語)
n % n % n % n % 呼吸器系障害
咳 0 0.0 0 0.0 1 1.3 0 0.0
呼吸困難 0 0.0 0 0.0 1 1.3 0 0.0
上気道感染 1 1.3 0 0.0 1 1.3 0 0.0
皮膚・皮膚付属器障害
皮膚疾患 0 0.0 0 0.0 1 1.3 0 0.0
泌尿器系障害
膀胱炎 1 1.3 0 0.0 0 0.0 0 0.0
合計件数 44 - 17 - 42 - 15 - 1) WHO-ART 1997年2Q版を使用した
2) 治験薬との因果関係が「明らかにあり」,「多分あり」,「可能性あり」に分類されるもの
2.7.6.10.5.4 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)
OHSS の発現例数を重症度別に表 2.7.6-152に示した.計 5 例(3.2%)に OHSS が発現した.このうち 軽度が 3 例(1.9%;25 IU 増量群 2 例(2.5%),50 IU 増量群 1 例(1.3%)) ,中等度が 1 例(1.3%;50 IU 増量群),高度が 1 例(1.3%;25 IU 増量群)であった.
表 2.7.6-152 OHSS 発現例数(AST)
25 IU増量群 (n=80) 50 IU増量群 (n=78) 合計 (n=158)
OHSS の程度
n % n % n %
軽度 2 2.5 1 1.3 3 1.9
中等度 0 0.0 1 1.3 1 0.6
高度 1 1.3 0 0.0 1 0.6
合計 3 3.8 2 2.6 5 3.2
2.7.6.10.6 結論
WHO グループⅡの不妊患者において,本剤の初期投与量を 50 IU/日,初期投与量での投与期間を 7 日間とし,径 12 mm 以上の卵胞が認められない場合に 7 日毎に 25 IU/日ずつ増量する投与方法と 50 IU/
日ずつ増量する投与方法とを比較した.
有効性の主要評価項目である排卵率は,25 IU 増量群(81.3%)の方が 50 IU 増量群(60.3%)よりも
統計的に有意に高かった.単一卵胞周期率は 25 IU 増量群が有意に高く,治験薬総投与量は 25 IU 増量
2.7.6.11 第 2 度無月経に対する Org 32489 の尿由来下垂体性性腺刺激ホルモン( hMG )との二重盲検 比較試験(治験実施計画書番号: 9603 )
2.7.6.11.1 試験の概要
表 2.7.6-153 試験の概要
有効成分名 Org 32489(フォリトロピンベータ)治験のデザイン 二重盲検(ダブルプラセボ法),無作為化,多施設共同,群間比較 治験実施計画書番号 9603
治験責任医師 産婦人科学教室 (治験総括医師) 他 47名 治験実施施設 産婦人科学教室 他47施設
治験期間 19 年 月-19 年 月 開発フェーズ 第Ⅲ相臨床試験
目的 WHOグループⅠの不妊患者(第2度無月経の排卵障害患者)を対象としてOrg 32489の 卵胞発育・排卵誘発効果と安全性の比較を尿由来下垂体性性腺刺激ホルモン(hMG)製 剤(ヒュメゴン®)と二重盲検比較試験にて行う.
患者数 (合計及び各群) 計画時:計210例(1群105例,2群)
実施症例数:76例(Org 32489群38例,hMG群38例)
ダミーキーを用いて盲検下にて中間集計を実施した中間解析の結果,両群の排卵率は症 例設定の根拠とした排卵率を下回ることが判明した.したがって本治験実施計画時の投 与量,投与方法の設定の検討が不十分であったと考えられた.このため,本治験は76例 が登録された段階で早期中止とした.
診断及び主要な組入れ基準 WHOグループⅠの不妊患者 選択基準
・年齢満20~40歳の患者
・プロゲステロンテストでは消退出血がみられず,エストロゲン・プロゲステロンテス トにて消退出血がみられる患者
・Body Mass Index (kg/m2)が15~30の患者
・本治験の実施(スクリーニング検査)に先立ち同意が得られた患者 除外基準
・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の患者
・原発性卵巣不全による血中性腺刺激ホルモン値の高い患者(FSH>30 mIU/mL,LH>20 mIU/mL)や性腺刺激ホルモンに過敏症の既往があるなどhMG製剤,hCG製剤が使用 禁忌の患者
・重篤な内分泌又は糖尿病などの代謝疾患のある患者,頭蓋内に病変(下垂体腫瘍など)
を有する患者
・卵巣嚢腫,卵巣腫瘍などのある患者
・重篤な高血圧の患者
・アレルギー体質の患者
・過去1カ月(4週間)以内に排卵誘発を行った患者
・本剤の臨床試験に参加したことのある患者
・妊婦又は妊娠している可能性のある患者
・血栓症の既往のある患者
・その他,医師の判断で不適当と思われる患者 治療期間 最長21日間投与とした.
2.7.6 個々の試験のまとめ(9603)
表 2.7.6-153 試験の概要(続き)
Org 32489(フォリトロピンベータ,日本オルガノン):1アンプル中フォリトロピンベー タ100 IUを含有する凍結乾燥製剤(Lot No. CP096053).1日1回 両側臀部上外側筋肉内 に投与し(ダブルプラセボ法),主席卵胞長径が18 mm以上でhCG 5000 IUを投与する.
投与量,期間は下記のとおり.長径15 mm以上の卵胞が4個以上みられた場合は投与を 中止する.
投与1*~14日目 投与15**~21日目 Org 32489群 100 IU/日 100 IU/日又は200 IU/日 hMG群 75 IU/日 75 IU/日又は150 IU/日
*:薬剤による消退出血の5~6日目より投与する.
**:投与15日目に主席卵胞径12 mmを目安に増量の有無を決める.
被験薬,用量及び投与方法,
ロット番号
対照治療,用量及び投与方 法,ロット番号
Org 32489 プラセボ:1 アンプル中実薬と識別不能なサッカロースを含む凍結乾燥製剤
(Lot No. CP096185)
hMG製剤(ヒュメゴン®):1アンプル中下垂体性性腺刺激ホルモン(FSHとして)75IU を含有する凍結乾燥製剤(Lot No. CP095063)
hMGプラセボ:1アンプル中実薬と識別不能なD-マンニトールを含む凍結乾燥製剤(Lot No. CP094181)
投与方法は上記に示した通り.
評価基準 有効性評価
下記の基準に従い,有効率(著効+有効の割合)を評価した.
①著効:排卵を認めたもの
②有効:hCG投与は行ったが排卵を認めなかったもの
③やや有効:長径10 mm以上の卵胞が認められたがhCG投与に至らなかったもの
④無効:長径10 mm以上の卵胞が認められなかったもの
⑤hCGキャンセル:長径15 mm以上の卵胞が4個以上認められhCG投与をキャンセル したもの
⑥判定不能 安全性評価
下記の基準に従い,安全率(問題なしの割合)を評価した.
①問題なし:副作用なし
②やや問題あり:副作用が発現したが特に処置を必要としなかった.又はグレードⅠの OHSSが認められた.
③問題あり:副作用に対し処置を必要としたが投与継続可能であった.又はグレードⅡ のOHSSが認められた.
④多大な問題あり:副作用で投与中止又は中止すべきであった.又はグレードⅢのOHSS が認められた.
⑤判定不能 有用性評価
2.7.6.11.2 治験対象患者
計 76 例が無作為に Org 32489 群(38 例)と hMG 群(38 例)に割付けられた.割付けられた症例の うち Org 32489 群 36 例が, hMG 群 33 例が治験薬の投与を受け,このうち Org 32489 群の 19 例(52.8%)
が,hMG 群では 15 例(45.5%)が hCG の投与を受けた.
表 2.7.6-154 症例の内訳
Org 32489群 hMG群 合計
症例 n % n % n %
無作為化された症例 38 - 38 - 76 -
FSHの投与を受けた症例(AST1)) 36 100.0 33 100.0 69 100.0 hCGの投与を受けた症例 19 52.8 15 45.5 34 49.3 1) AST (All-subjects-treated):治験薬の投与を少なくとも1回以上受けた症例からなるデータセット
2.7.6.11.3 患者背景
スクリーニング時における年齢,身長,体重及び BMI に関して,両群間で類似していた.
表 2.7.6-155 患者背景因子(AST)
Org 32489群 (n=36) hMG群 (n=33)
項目 平均 SD 平均 SD
年齢(歳) 28.5 3.7 29.8 3.8
身長(cm) 159.57 5.14 160.29 5.88 体重(kg) 52.58 10.56 49.54 6.12 BMI(kg/m2) 20.65 4.08 19.29 2.25
2.7.6 個々の試験のまとめ(9603)
2.7.6.11.4 有効性 2.7.6.11.4.1 排卵率
排卵率は Org 32489 群で 50.0%,hMG 群で 36.4%であった.
表 2.7.6-156 排卵率( AST )
Org 32489群 (n=36) hMG群 (n=33)
項目 n % n %
排卵例数(排卵率%) 18 50.0 12 36.4
2.7.6.11.4.2 FSH 投与量及び投与期間
治験薬の総投与量の平均値は,Org 32489 群で 1888.9 IU,hMG 群で 1502.3 IU であった.また,投与 日数の平均値は,Org 32489 群で 16.3 日,hMG 群で 16.8 日であった.いずれも両群間で統計的に有意 な差は認められなかった.
表 2.7.6-157 FSH の投与量及び投与日数(AST)
Org 32489群 (n=36) hMG群 (n=33)
項目 平均 SD 平均 SD
総投与量(IU) 1888.9 804.6 1502.3 606.6
投与日数(日) 16.3 5.3 16.8 5.4