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パネルB(のれん計上企業のみ 上段:件数,下段:割合[%])

合計

製造 11 78 12 11 112

9.82 69.64 10.71 9.82 100.00

非製造 16 77 21 22 136

11.76 56.62 15.44 16.18 100.00

不明 0 0 1 0 1

0 0 100.00 0 100.00

合計 27 155 34 33 249

10.84 62.25 13.65 13.25 100.00

χ2=11.136,p-value=0.085 Fisher’s exact=0.111

 図表2-19の結果をもとに製造業と非製造業を比べると,業種による区分に関しては,

製造業の方が非製造業よりも「②規則的償却+減損処理」をより望ましいとする回答の 割合が大きく,非製造業の方が製造業よりも「③減損処理のみ(非償却)または規則的 償却+減損処理の任意選択」または「④買収案件ごとに一定の条件を満たしたのれんは 非償却とし,それ以外は規則的に償却」を望ましいとする割合が大きいことが目立つ。

製造業は有形固定資産が多く,これに対して非製造業の方は無形固定資産の部分が多 いため,その中には「識別できないかもしれないが,必ずしも長期間にわたって減価し ないと考えられる要素(本調査ではブランド価値が候補)」があり,M&Aの案件によっ ては「償却せず,減損処理で対応」の方がよいものがあると考えているかもしれない。

い」,⑤=「わからない」)

1. 減損処理なしの非償却(取得原価のまま)

2. 減損処理なしの規則的償却

3. 時価による継続的再評価(評価差額は純損益に反映)

4. 即時の一括費用計上

5. 剰余金(資本)との相殺消去

図表2-20 現在議論されている会計処理と他の代替的な可能性との比較

パネルA(減損処理なしの非償却(取得原価のまま)

全体 のれん計上企業のみ 回答件数 % 回答件数 %

①望ましい 24 5.43 15 6.05

②どちらかというと望ましい 21 4.75 10 4.03

③どちらかというと望ましくない 123 27.83 62 25.00

④望ましくない 255 57.69 154 62.10

⑤わからない 19 4.30 7 2.82

合計 442 100.00 248 100.00

パネルB(減損処理なしの規則的償却)

全体 のれん計上企業のみ 回答件数 % 回答件数 %

①望ましい 36 8.14 17 6.85

②どちらかというと望ましい 119 26.92 60 24.19

③どちらかというと望ましくない 149 33.71 93 37.50

④望ましくない 119 26.92 71 28.63

⑤わからない 19 4.30 7 2.82

合計 442 100.00 248 100.00

パネルC(時価による継続的再評価(評価差額は純損益に反映)

全体 のれん計上企業のみ 回答件数 % 回答件数 %

①望ましい 14 3.17 5 2.02

②どちらかというと望ましい 70 15.84 40 16.13

③どちらかというと望ましくない 145 32.81 71 28.63

④望ましくない 178 40.27 118 47.58

⑤わからない 35 7.92 14 5.65

合計 442 100.00 248 100.00

パネルD(即時の一括費用計上)

全体 のれん計上企業のみ 回答件数 % 回答件数 %

①望ましい 11 2.49 5 2.02

②どちらかというと望ましい 44 9.95 22 8.87

③どちらかというと望ましくない 129 29.19 67 27.02

④望ましくない 233 52.71 142 57.26

⑤わからない 25 5.66 12 4.84

合計 442 100.00 248 100.00

パネルE(剰余金[資本]との相殺消去)

全体 のれん計上企業のみ 回答件数 % 回答件数 %

①望ましい 14 3.17 6 2.42

②どちらかというと望ましい 67 15.16 42 16.94

③どちらかというと望ましくない 113 25.57 61 24.60

④望ましくない 167 37.78 102 41.13

⑤わからない 81 18.33 37 14.92

合計 442 100.00 248 100.00

 従来の「減損処理のみ(非償却)」や「規則的償却+減損処理」に比べて,Q4で取り上 げた代替的な会計処理方法は「④望ましくない」または「③どちらかというと望ましく ない」と考えられていることがうかがえる。

 その中で,「①望ましい/②どちらかというと望ましい」の回答比率がもっとも高かっ た会計処理方法は,パネル B(減損処理なしの規則的償却)(サンプル全体で35.07%,

のれん計上企業のみで31.05%)であった(他の会計処理方法の同比率は20%に満たな かった)。

 興味深い点はパネルA(減損処理なしの非償却(取得原価のまま))やパネルB(減損 処理なしの規則的償却)について「③どちらかというと望ましくない/④望ましくない」

という回答が多かった点である。パネルA(減損処理なしの非償却(取得原価のまま)

についてはサンプル全体で85.52%,のれん計上企業のみで87.10%,パネルB(減損処 理なしの規則的償却)についてはサンプル全体で60.63%,のれん計上企業のみで66.13%

であった。

 特にパネルB(減損処理なしの規則的償却)についての結果は,のれんのような資産に ついて(何らかの理由で)減損処理を避け,規則的に費用配分していく方法が現行の方 法と比べてより望ましいと考える回答者が一定割合いるものの,減損処理自体は必要 であると考えている回答者の方が多いと解釈できるかもしれない。

 パネル E(剰余金(資本)との相殺消去)は,かつて英国で行われていた処理である。

パネルD(即時の一括費用計上)の回答と比べて,「①望ましい/②どちらかというと 望ましい」の回答比率は高くなっている。

 なお,パネルD(即時の一括費用計上)の方法は,様々な利害関係者が減損損失を負担 することとなり,パネルE(剰余金(資本)との相殺消去)の方法は株主が減損損失を 負担することを意味している点に注意が必要である。