文字・光による情報提供について
利用者 ・文字情報が提供されている場所が少ない(特に改札口、ホーム、車両内)。
・事故や遅延等の異常時には、放送と同じタイミングで文字情報を提供してほしい。
・内容が読み取りにくい(混雑している所、文章の長さ、文字の大きさ、コントラスト、色)。
・ホーム上では車両の入線・通過、ドアの開閉等安全に関するものは光でも警告してほしい。
施設設置管理者
・表示する文字の大きさや文章の長さ、車両内で提供する情報についてはバリアフリー整備ガ イドラインに記述がないため、調整に苦慮している。
・改札口や車両内にディスプレイを設置し、異常時に文字や路線図による遅延情報を提供する 事業者もある。
・トイレ内の天井にフラッシュライトを付ける等、異常に気づきにくい聴覚障害者に配慮した 設備を設けている商業施設・公共施設もある。
・列車が通過する場合は、ホームにスレッドライン(光による注意喚起)を設置している駅も ある。新型車両ではドアの開閉をフラッシュライトで示しているものもある。
メーカー
・
LCD
表示器では、スクロールはなるべく使用せず、文章を切り替えて表示している。・運行情報をテキストで打ち込み、音声合成と文字情報の両方で同時に提供するシステムも開 発されている。
・運転指令から情報が出されると、駅構内及び車両内の情報表示装置に情報を反映し、同時に 各社のホームページにアップされるシステムがある。
その他機器設備について
利用者 ・無人改札口にモニター付きインターフォンを設置してほしい。(聴覚障害者)
・可能なところから早急に可動式ホーム柵を設置してほしい。(視覚障害者・聴覚障害者)
施設設置管理者
・インターフォンへのニーズがあることは知らなかった。可能なところから対応していく。
・可動式ホーム柵・ホームドアの重要性は認識しているが、コスト負担の大きさや乗り入れ時 の扉数の違い等の課題があり、即時導入は難しい。
人的対応・広報について
利用者
・駅係員・施設スタッフ、周囲の人に障害を理解してほしい。(視覚障害者・聴覚障害者)
・手話や筆談に快く応じてほしい。駅係員や施設のスタッフで手話ができる人が見た目でわか ると良い。(聴覚障害者)
・バリアフリーに関する取り組みは積極的に広報してほしい。特に音響案内の意味(ホーム上 の階段には鳥の鳴き声の音響案内がある、改札口のチャイムは盲導鈴等)を障害者、他の利 用者、周辺住民に広報してほしい。(視覚障害者)
施設設置管理者
・鉄道事業者や商業施設では、介助や手話の講習、当事者団体との意見交換の場は定期的に設 けている。
・バリアフリーの取り組みに関してホームページやパンフレットで案内している施設設置管理 者は多いが、当事者に直接案内する機会を持つ管理者は少ない。
6.2.音案内について 6.2.1.検討事項
これまでの調査結果から、音案内に関する利用者のニーズを整理すると、主として「提供する場 所」、「提供する情報の内容」、「音量・音源の位置」に対する要望が挙げられた。
「提供する場所」については、ガイドラインで定めた公共交通機関旅客施設における
5
ヶ所(地 下鉄の地上出入口、改札口、エスカレーター、ホーム上の階段、トイレ入口)以外でも音案内を拡 充してほしいという意見があった。「提供する情報の内容」については、長い文章、一般的な挨拶等は避けた簡潔な内容を求める意 見が多かった。加えて、先に主たる内容を伝えるべきという順序の問題が提起された。また、遅延 や振替輸送がある場合はその情報を即時提供してほしいというニーズも高い。
「音量・音源の位置」は、エスカレーターでの音声案内やホーム上での運行情報のアナウンス等、
周囲の環境に配慮して聞き取りやすい音量での提供、他の音源との錯綜による聞き取りにくさが指 摘されていると同時に、音源定位のために反響等の影響を避けた設置位置への配慮が挙げられた。
こうした利用者からの指摘に加え、施設設置管理者の取り組み状況、機器設備メーカーの技術動 向調査を加味して、音案内に関する今後検討すべき項目を表
36
のとおり整理した。
6.2.2.検討方法
上記の検討にあたっては、安全性・利便性の検証のため視覚障害者等の参加による現地調査及び 実証実験等による検討を行うことが望ましい。合わせて、既存施設においてその施設の用途や規模、
構造、立地等の条件を整理した上で、音響測定や設置位置等を把握する必要がある。
また、音案内は、点字案内や視覚障害者誘導用ブロックとの併設により効果が得られることから、
既存の他の設備との包括的な検討も必要である。この際、視覚障害者以外の利用者等への効果も合 わせて評価することが考えられる。特に近隣への音漏れ対策及び方向定位の可能性を探るため、指 向性スピーカーの適用についての検討も考えられる。
さらに、音情報を頼りにしている難聴者もいるため、場所や情報の内容によっては、聴覚援助(磁 気ループ、集音器の活用等)の方法も合わせて検討する必要がある。
6.2.3.検討結果のとりまとめ
上記検討の結果により、障害当事者の安全性・利便性に配慮し、かつ周辺の音環境を把握した上 で、その音環境との調和に留意した、聞きとりやすい音案内の提供方法をまとめ、次回ガイドライ ン改正時にガイドラインへ反映することが望ましい。
表 36 音案内に関する今後検討すべき事項
提供する場所 提供する情報の内容 提供方法
地下鉄地上出 入口
・位置を示す音響案内
・駅名、出入口番号等の音声案内 改札口 ・位置を示す音響案内
・路線名、改札名(「東口改札」等)の音声案内 ホーム上 ・階段位置を示す音響案内
・番線、路線名、行き先等の音声案内 車両 ・扉開閉時の音響案内
・駅到着前の駅名、開扉方向等の音声案内
・異常時の状況の音声案内
・代替手段・振替輸送の音声案内 券売機・精算機 ・位置を示す音響案内
交通施設
バス停 ・バス停位置を示す音響・音声案内
・次に来るバスの行き先を示す音声案内 公共施設入口
建築物
商業施設入口
・位置を示す音響案内
・施設名、出入口名等を示す音声案内
エスカレーター ・上下方向や行き先等が乗る前に明確に判別でき る(上下を男女別の声で分ける等)音声案内
・必要な注意喚起(進入可否を含む)と提供情報 の
1
サイクルの長さエレベーター ・ホールでのかご到着時及び上下方向告知の音 響・音声案内、複数かごがある場合の到着かご の音響または音声案内
・かご内での階床の音声案内、必要な注意喚起と 提供情報の
1
サイクルの長さ・かご内の扉が
2
方向ある場合の出口の方向を知 らせる際の留意点トイレ ・一般トイレの男女別の音声案内
・便房内の音案内(
JIS
の操作機器配置の促進と 併せて)・多機能トイレの入口の音声案内 交通施設・
建築物共通
各設備共通 ・時間帯による内容の変更(上下方向、停止階、
出入り口の変更等)
・聞き取りやすい 位置・音量、音声 を流すスピード、
及び必要に応じ て可聴範囲等の 音量・音源の位 置
・放送するタイミ ング(騒音の少 ない時に行う)
・提供する情報の 優先順位(挨拶 や注意喚起より も 先に行き先を 案内する等)
6.3.文字・光による情報提供について 6.3.1.検討事項
これまでの調査結果から、文字・光による情報提供に関する利用者のニーズを整理すると、主と して「提供する場所」、「提供する情報の内容」、「表示方法」に対する要望が挙げられた。
「提供する場所」については、改札の内外、車内、公共施設、商業施設では文字等による情報が 不十分であるとして情報提供場所の拡充が求められている。その際、混雑時でも視認できる掲出高 さ等への配慮が求められている。
「提供する情報の内容」については、公共交通機関の遅延や事故の発生時には音声放送と同時の 文字による情報提供を求めている。また、公共施設等の建築物と旅客施設の共通事項として、緊急 時の迅速な情報提供を希望している。
「表示方法」については、提供する情報の量(文章の長さ)への配慮を求めており、文章の前置 きが長く肝心の情報が中々出てこない、文字の大きさ、コントラスト、背景色と文字色の組み合わ せ等によっては内容を読み取りにくい場合があることが指摘された。
さらに施設設置管理者の取り組み状況、機器設備メーカーの技術動向を加味して、文字・光によ る情報提供について今後検討すべき項目を表
37
のとおり整理した。
6.3.2.検討方法
上記の検討にあたっては、安全性・利便性の検証のため聴覚障害者等の参加による現地調査及び 実証実験等による検討を行うことが望ましい。合わせて、既存施設においてその施設の用途や規模、
構造、立地、設置されている照明等の状況を整理した上で、視認しやすい条件の測定や設置位置等 を把握する必要がある。
また、情報提供の迅速性(音声等による案内との時間差)や、視覚に入るように注意喚起する表 示方法(文字の点滅、フラッシュライト等)にも配慮することが必要である。
さらに、聴覚障害者以外の利用者等への効果も合わせて評価することが考えられる。表示器の掲 出高さ、文字の大きさ等については、弱視者や高齢者等に配慮することが望ましい。
光(フラッシュライト等)による注意喚起の表示についても一部の施設ではトイレ等に導入され ているが、精神障害者等の中にはパニックになる場合があることも想定されるため、専門家やメー カーとも協議しながら配慮すべき事項について明確にする必要がある。
6.3.3.検討結果のとりまとめ
上記検討の結果により、障害当事者の安全性・利便性に配慮し、かつわかりやすい視覚情報の提 供方法(平常時、異常時)をまとめ、次回ガイドライン改正時にガイドラインへ反映することが望 ましい。