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(2)これまでの修了者数 617

※取材時(平成2811月末時点)

(3)施設の目的

日本の公立小中学校への就学を、初めて希望する外国籍児童生徒(その他、

市教委が認める者)に対して、まず、ばら教室KANIで学校教育に必要 な「初歩的な日本語指導や生活指導等」を行うことで、市内の各小中学校

(国際教室等)において円滑な指導が図られるようにする。

(4)指導内容

・学校の学習・生活上の基本的な約束やルール

⇒集団生活・行動、挨拶、係当番(日直、給食、掃除)、時間意識、持ち 物、基本的な学習姿勢、「聞く」姿勢の定着

・初期的な日本語

⇒ひらがな及びカタカナの読み書き、簡単な会話・作文、小1程度の漢

字、文章の音読(1年生の国語科教科書の一部)、修了式のスピーチ等

ばら教室KANI基礎データ

・算数・数学

⇒学年相応の「数と計算」領域の学習を基本とし、児童・生徒の実態等 に応じ、「量と測定・図形・数量関係」等の指導も弾力的に取り扱う。

(5)教材

個々の児童生徒の発達段階、能力に応じて準備する。

(適宜、必要な教材の作成も行う)

(6)授業日

月曜日~金曜日(休日は、市内の公立小・中学校に準じる。)

(7)長期休業日

原則として長期休業日は位置づけない。ただし、事情により、市内の公立

小・中学校の長期休業日を踏まえ、弾力的な運用をはかる。

また、夏季休業日には、特別な事情がないかぎり、特別授業を行う。期間

は、10 日程度を予定している。午前中3時間、日本語・算数を中心とした 授業を行う。

(8)通学方法等

原則として、保護者の責任において行う。

(徒歩、自転車、自家用車、送迎業者の車等)

(9)出席管理等

学校在籍扱いで、各月末に各学校へ報告。日本スポーツ振興センター加入。

(夏期休業日は適用されず。)

(10)一日の日課

ばら教室KANIに密着取材してきました!

<ばら教室KANIはまちがえてもよいところ>

今回の取材にあたり、ばら教室の上野室長が温 かく迎え入れてくださいました。現在のスタッフ は、室長の他、外国人児童生徒コーディネーター 1人、ポルトガル語のできる指導員2人、タガロ グ語のできる指導員1人の5人体制で対応してい るそうです。取材時に在籍していた児童生徒は、

小学生 17 人と中学生8人(学年は小2~中2)

で 、 国 籍 は ブ ラ ジ ル と フ ィ リ ピ ン の 2 か 国 で し た。室内には、在籍児童生徒の顔写真と自己紹介 が壁に貼ってあります。

指導 する に あた って は 、丁 寧に 、 根気 よく 、 何度 でも 繰 り返 して 教 える こと 、 気長に 腹を たて るこ とな く辛 抱強 く伝 えて いく こと が大 事だ と上 野室 長は 話し てく ださ いまし た。 下の 写真 は「 ばら 教室 はま ちが えて もよ いと ころ 」と いう タイ トル で入 口に 掲示さ れていたものです。ここからも上野室長の児童生徒を想う気持ちが伝わってきました。

現地レポート

取材日:平成281130

筆者は、朝の会が始まる 10 分前、8時55 分に訪 れました。ばら教室の施設に近づくと「おはよう!」

という児童の元気な声が聞こえてきます。入口には 下駄箱があり、整理整頓されていました。外から学 校内に入る時は靴を脱いで自分の下駄箱へ入れ、上 履きに履き替えるという習慣も、外国籍の児童には 当たり前ではない場合があります。些細なことかも しれませんが、ここから、ばら教室での指導は始ま っていると感じました。

9時5分になると、全員が同じ教室に入り、朝の 会が始まりました。学校同様、ここでも日直があり、

朝の会を開始する際は、日直の児童の号令により、

起立、気をつけ、礼で挨拶が行われました。取材日 に日直役を務めていたのは、ばら教室に入ってまだ 1カ月の児童だそうです。先生にフォローしてもら いながら、「○○さん、元気ですか?」と、日本語 で、クラス全員の出欠確認もできていました。

<朝の会の様子>

次に、「あいうえおで遊ぼう」や「九九のうた」

を音楽にのせて全員で歌います。まだ慣れない子に は先生が横について一緒に歌ってあげていました。

その後、室長や先生から児童へのお話がありまし た。取材日は、ばら教室の一部の児童の「修了式」

の日だったこともあり、上野室長は、「日本の学校 は式や行事を大切にする」ことや「みんなで準備す るために個々が周りに迷惑がかからないように行動 する」ことなど、日本の学校生活の基本的なあり方 等を含めてお話しされていました。

これで朝の会は終了ですが、ここまですべて日本 語です。日本語を聞かせるため、また、日本の学校 の環境に慣れてもらうため、授業中も含め基本的に 日本語のみで行うようにしているそうです。

そ の 他 、 教 室 内 に は 「 た の し か っ た い も ほ り 」 と題し、児童の絵と感想文が飾られていました。体 験的な学習をとおして日本の文化・伝統・習慣に対 する理解を深めてもらおうと、芋掘り以外にも、社 会見学や施設見学に出かけたり、書き初め会や七夕 会等の活動をしたりしているそうです。

<日本語指導の授業の様子> 9時 30 分からは、1時間目として日本語指導の

授 業 が 始 ま り ま す 。 取 材 時 は 小 2 か ら 中 2 ま で の 25 人の児童生徒がいましたが、学年関係無く、能 力 別 に 4 グ ル ー プ に 分 け て 実 施 し ま す 。 そ の た め 、 入 学 時 に 面 談 と レ ベ ル チ ェ ッ ク テ ス ト を し て い る そ う で す 。 各 グ ル ー プ の 授 業 を 見 学 し ま し た が 、 能 力 別 に 行 う こ と で 、 授 業 に つ い て い け ず 何 も で き な い 、 と い う 状 態 の 児 童 は お ら ず 、 み ん な い き い き と 勉 強 し て い ま し た 。 算 数 ・ 数 学 は さ ら

<教材について>

授業の合間に、教材保管庫を見せていただ きました。写真のようなレターケースがいく つも並び、日本語指導、算数・数学等すべて において、児童生徒個々の能力に応じて対応 できるよう、細かなレベル別の教材が用意さ れていました。手作りしたり、インターネッ トのフリー教材を使ったりと、工夫して揃え ているそうです。

<一日の流れについて>

取材日は「修了式」のため特別時間割でしたが、通常は、36 ページ掲載の「日課」のと おりのスケジュールで行われます。午前中に3時間授業を行ったあと、近くの土田小学校 へみんなで歩いて行き、給食当番、給食、昼休みのグランドでの遊びを学校の中に入って 行います。そして、再びばら教室に戻った後は、教室掃除を行います。給食当番や教室掃 除 等 は 日 本 以 外 で は あ ま り 無 い 文 化 で す が 、 実 際 に 経 験 す る こ と で 学 ん で い き ま す 。 ま た、午後は、総合・音楽・図画工作等の時間が設けられています。例えば、リコーダーが 吹けない、ということも学校の中で取り残されてしまう原因となる場合があるため、そう ならないよう、音楽をしたり、絵を描いたり、作文を書いたりする時間としているそうで す。このように、「実際に学校に入っていったときに児童が困らないように」という視点 で1日のスケジュールが組まれていると感じました。

<修了式について>

14 時 か ら は 、 ば ら 教 室 の 修 了 式 が あ り ま し た 。 約3カ月、この教室で学んだ児童生徒が、いよいよ 自分の校区の学校へ入っていくにあたっての節目と なるのがこの修了式です。修了式には、保護者、所 属する学校の校長先生、担任の先生なども出席して いました。この日、教室を卒業するのは7人です。

1 人ひとりが上野室長から修了書を受け取った後、

これまで学んだ日本語を使って、みんなの前でスピ ーチを披露します。

スピ ーチ の 中で は、 「 日本 の算 数 難し かった けど、 がん ばっ てわ か るよう にな った 。先 生 あ りがと う。 お父 さん 、 お母さ んあ りが とう 。 」

「お父 さん と日 本語 で 話せる よう にな って 嬉 し かった 。お 父さ ん、 お 母さん 、ば ら教 室へ 連 れ て き て く れ て あ り が と う 。 」 と い う 言 葉 も あ り、保 護者 の方 々は 涙 を流し なが ら聞 いて い ま した。

また、来賓者を代表して可児市立今渡北小学校の 大野校長先生から、児童に向けて「あなたたちを待 っていました。クラスのみんなも待っています。こ こでみんなと勉強したこと、丁寧に教えてもらった ことへの感謝の気持ちを忘れないで、楽しい学校生 活を送りましょう!」という温かい言葉がありまし た。さらに、保護者に対しても「どうぞ安心して預 け て く だ さ い 。 本 校 に は 通 訳 者 も 常 駐 し て い る の で 、 困 っ た こ と が あ れ ば い つ で も 教 え て く だ さ い。」と力強い言葉がありました。

修了式の後、上野室長に改めてお話を聞くことができました。

この日修了 した7 人は 、これでば ら教室 は終 えることに なりま すが 、既に次の 7人の 入 室が決まっており、中には1ヶ月近く待っている児童もいるそうです。しかし、25 人が消 防法上の定員 となるう え、室長含め 5人とい う状況を考え ても、児 童生徒1人ひ とりをし っかりフォローしていくためには、現在の数が限界ということでした。

また、昔は 半年か ら1 年近く在籍 してい た児 童がいたも のの、 外国 人児童が増 え、待 機 が出ている現 状では、 約3カ月から 約4カ月 の在籍として いるそう です。在籍期 間は少し 短くせざるを 得なくは なりましたが 、その中 でも個々の能 力をしっ かり把握し、 日本語、

国語、算数そ れぞれに ついて、1人 ひとりの 細かなチェッ ク表を作 成し、この部 分は十分 できる、ここ はもう少 し、ここは不 十分とい うのがわかる ようにし ているそうで す。そし て、このチェ ック表は 、児童が在籍 する学校 の国際教室へ 引き継が れ、国際教室 では、そ れを児童の指 導にいか しているとの ことでし た。さらに、 国際教室 担当者会議で 状況を話 したり、国際 教室の先 生にばら教室 に様子を 見に来てもら ったりし て、チェック 表だけで はわからない ことも伝 えていくそう です。ば ら教室と国際 教室をう まく引き継い でいくこ とは、難しいことでもありますが、非常に重要なことだと話してくださいました。

なお、ばら 教室に 来る のは、国際 教室の 先生 だけではあ りませ ん。 市内、どの 学校に い つ外国籍等の 児童が入 学するかわか らないた め、可児市で 採用され た教員は、初 任者研修 として、毎年、ばら教室で学んでいくそうです。

その他、課 題面とし ては、予習・ 復習・自 主学習など、 「学び」 の習慣化をど のように 図るか、いか に保護者 と連携を図る か、基準 項目の内容・ 日数等を 含め、ばら教 室修了の 判定基準の適 正化をい かに図るか、 学習の障 害・発達の障 害等をど のように把握 するか、

時 間 外 勤 務 と の 関 係 に お け る 、 教 材 ・ 教 具 の 作 成 、 準 備 等 の 時 間 の 確 保 を ど う し て い く か、などがあると話してくださいました。

<ばら教室の現状や課題について>

<ゆめ教室について><国際教室について>

ばら教室 に入 室待ち を している 児童 はどこ で 学習して いる のでし ょ うか。ま た、 ばら教 室を修了した児童は、その後、在籍学校でどのように勉強しているのでしょうか。

今回は、 ばら 教室と あ わせて、 この 2点に つ いても取 材し てきま し たので、 次の ページ でご紹介します。

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