5歳〜
平成 25 年 12 月改訂(PT 活性値の正常値変更のため)
4. 人員について
(1)当該診療科;外回り:最低2名(連絡、エレベータ、移動等)
(2)麻酔科:2-3 名
(3)手術部ナース:2名(器械出し、外回り)
平成 25 年 12 月改訂版
<麻酔科における臨床研修医の薬剤投与指針>
1.前投薬(麻酔科診療マニュアル参照)→「術前処置指示箋」を指導医が確認して追加サイン 2.以下の希釈・投与方法であれば、成人において臨床研修医が単独で投与可能な薬剤
☆ 初めての時は、指導医に投与法の指導を受ける ☆ 持続静注はすべてシリンジポンプを用いる。
☆ 下記に使用量を上回る場合には指導医の確認が必要。
薬剤名 商品名 希釈 シリンジ 成人での使用量 禁忌・要注意疾患
Desflurane スープレン — 吸入 7.6%以内
Sevoflurane セボフラン — 吸入 5%以内
N2O 笑気 — 吸入 66%以内 鼓室形成術・イレウス
Propofol ディプリバン(キット)
200mg/20ml または 500mg/50ml なし
20ml 一回 1.0 mg/kg 以内 10 mg/kg/hr 以内 TCI で 4 μg/ml 以内
小児・妊産婦 卵・大豆アレルギー
キット
Fentanyl フェンタネスト 0.1mg/2m/A なし 2.5 or 5ml 一回 25〜100μg 喘息 Pentazocine ソセゴン 15 または 30mg/1ml/A なし 2.5ml 30mg 以内
Ketamine ケタラール静注用200mg/20ml/V なし 5ml 一回 20mg 以内 脳圧亢進 Midazolam ドルミカム 10mg/2ml/A 1A/10ml=1mg/ml 10ml 一回 0.5〜2 mg 重症筋無力症 Sugammadex ブリディオン 200mg/V なし 2.5ml 2~4 mg/kg 腎不全では排泄遅延 Suxamethonium レラキシン 200mg/V 1V/10ml=20mg/ml 10ml 1 mg/kg 高 K 血症・筋疾患
Remifentanil アルチバ 5mg/V 1V/50ml 50ml 1ml/hr〜15ml/hr Ephedrine エフェドリン 40mg/1ml/A 1A/ 8ml=5mg/ml 10ml 一回 5 mg Phenyrephrine ネオシネジンコーワ 1mg/1ml/A 1A/20ml=50μg/ml 20ml 一回 50〜100 μg
Dopamine カタボンHi600mg/200ml/V なし 50ml 5 μg/kg/min 以内 Lidocaine 静注用キシロカイン2% 100mg/5ml/A なし 5ml 一回 1 mg/kg 以内
Atropine アトロピン硫酸塩 0.5mg/1ml/A なし 2.5ml 一回 0.5 mg 以内 狭隅角緑内障 Flurbiprofen ロピオン 50mg/5ml/A なし 5ml 50mg (1 mg/kg) 以内 腎障害・アスピリン喘息 Metoclopramide プリンペラン注 10mg/2ml/A なし 2.5ml 10 mg 以内 小児・褐色細胞腫
Droperidol ドロレプタン 25mg/10ml/V なし 2.5ml 1.25〜2.5 mg 小児・パーキンソン Famotidine ガスター注 20mg/A 1A/5ml=4mg/ml 5ml 20mg
Nicardipine ニカルピン 10mg/10ml/A なし 10ml 一回 0.5〜1 mg 20ml 10 mg/hr 以内
Nitroglycerin ミリスロール 5mg/10ml/A なし 20ml 2μg/kg/min 以内 閉塞隅角緑内障 PG-E1 プロスタンディン 500μg/V 1V/50ml=10μg/ml 50ml 0.1μg/kg/min 以内 妊婦 Nicorandil シグマート注 12mg/V 1 mg/ml (1 or 2V 使用) 20 or
30ml 2 (〜4 ) mg/hr 閉塞隅角緑内障
Furosemide ラシックス注 20mg/2ml/A なし 2.5ml 一回 2〜5 mg 低 K 血症 Ulinastatin ミラクリッド 10 万単位/2ml/A なし 5ml 30 万単位まで
Methylprednisolone ソルメドロール 1000mg/V 1V/20ml=50mg/ml 20ml 1000mg 以内 糖尿病 Hydrocortisone ハイドロコートン 500mg/10ml/V なし 10ml 500mg 以内 糖尿病
各種局所麻酔薬(カルボカインなど) 麻酔科診療マニュアルの硬麻・脊麻を参照
3.臨床研修医が投与する際には、シリンジに希釈法を明記し、指導医が希釈法・投与量を確認することが 必要な薬剤
(1) 使用頻度の少ない薬剤
セルシン・レペタン・ドプラム・ナロキソン・アネキセート・ヘルベッサー・オノアクト・カ ルチコール・プロタミン・ネオフィリン・パルタンM・トランサミン・アドナ
(2) 投与量・希釈法を間違えやすい薬剤
ヒューマリンR(30mL ロック付シリンジを用いて30 単位/30ml=1単位/ml に希釈)
イノバン・ドブトレックス・ドブトレックスK注 600mg・モルヒネ注
4.臨床研修医が投与する際には、シリンジに希釈法を明記し、指導医が希釈法・投与量を確認することが 必要で、開始時に指導医の同席が望ましい場合
(1) 使用頻度が少ない循環作動薬
プロタノールーL・ノルアドレナリン・ボスミン・ニトプロ・ミルリーラ・アムコラル・オキ シトシン(1 単位と 5 単位がある)・塩化カリウム
(2) 点滴漏れすると危険な薬剤
アレビアチン注射液(phenytoin)・チトゾール(thiamylal)
(3) 新生児
<具体的な注意事項>
静脈ラインの接続
接続が外れると、外れた部分から失血するので危険
ロック付きの延長チューブを使用しても、確実にロックを締めなければ意味がない。
ロック付きを使用しているという安心感から、締め付けが甘いとむしろ危険になりうる。
ロック付きの接続は、回路に回転力が加わると外れる場合がある。
ドレープに隠れる部分の接続や留置針への接続部分は特に注意する。
歯牙損傷
本人の申告だけでは歯のぐらつきの有無は完全に判らない 導入後に再度口腔内を確認してから挿管操作にはいる
喉頭展開時だけでなく、マスク換気時・開口時・固定時・抜管時・胃管挿入時にも折れる可能性がある 折れた歯が気管内異物になると大問題になる。すぐに折れた歯を拾えるようにマギール鉗子を準備 気管チューブの固定テープに歯がぐらついていることを書いておくと抜管時に忘れない
ラリンゲルマスク中の換気困難
患者体動や咳により急に換気不能になる場合がある
ラリンゲルマスク麻酔では気管挿管時以上に換気状態を常にモニターする
ダブルルーメンチューブのトラブル
左用が右に挿入されたことに気づかない場合がある→必ず聴診で分離肺換気できることを確認
分離肺換気中にチューブが抜けると青カフが気管分岐部を塞ぎ換気不能になる→青カフのエアーを抜く
気管チューブのカフのエアーを抜いたつもりが、抜管したらまだカフが膨らんでいた?
術後の声帯ポリープの原因になりうるので危険
カフのコネクターは一方向弁になっていて、しっかりと注射器を差し込まないと弁が開かない パイロットカフが確実にしぼんだことを確認してから抜管する
チューブ固定用のテープでカフチューブが折れているとエアーが抜けなくなるので注意 チューブが抜きにくい時はカフが未だ膨らんでいて声帯に引っかかっている可能性を考える
事故抜管
伏臥位の手術では固定をしっかりする
伏臥位で蛇管を手術台に固定するとバッキングでチューブが抜ける可能性があるので要注意 体格の良い患者では抜管時に手の抑制帯を引き抜いて自分で抜管してしまう危険がある
嘔吐
絶飲食していても嘔吐する場合がある スロー導入のときは興奮期に吐く場合がある
脊麻中の鎮静中に嘔吐する場合がある(特に開腹手術)
→直ぐに横をむかせて口腔内吸引するなどの迅速に対応する
胃管のトラブル
マニュアル通りに挿入・確認・固定・ラベル貼付する
気管内に誤挿入したままにすると換気不良・誤嚥性肺炎などの原因になる 食道下部までしか胃管が入っていないときにも誤嚥性肺炎の原因になる 口腔内でとぐろをまいていることもある
深すぎる胃管を長時間留置すると胃穿孔の原因になる
経食道心エコーを引き抜くときに胃管が抜けることがあるので再度確認する
硬膜外麻酔に関して
硬膜外針の内腔が血液などで詰まるとロスオブが判らなくなり硬膜穿刺や脊髄損傷の原因になる
硬膜穿刺すると頭痛の原因になる。術後安静が必要な場合もあるので主治医にも情報を伝える
硬膜外 PCA の薬液を間違えて持続静注?
硬膜外 PCA の薬液を間違えて持続静注しないように工夫する
→硬膜外 PCA と静脈内 PCA を区別しやすいように薬液バックにシールをはる →硬膜外カテーテルのコネクターには『硬膜外』シールをはる
PCA 用輸液セットの不良でポンプが逆方向に流れそうになったケースがあった
薬剤・ポンプ・用紙のそれぞれが硬膜外/静脈内PCA用であることをサインする時に再度確認
シリンジポンプの薬剤に関する間違い
シリンジのラベルがシリンジポンプのバーに一部隠れていて、薬剤の更新時に組成を間違える →ラベルが隠れないように貼る
複数のシリンジポンプを使用していて、投与量がいつのまにか入れ替わってしまう →各シリンジの内容を区別しやすいようにラベルを貼る
前の患者で残っていたシリンジ薬剤を、次の患者でも使いそうになる
→前の患者の薬剤を次の患者に間違って使うことを防ぐために、麻酔終了後は薬剤を全て破棄する シリンジポンプの薬剤は捨て忘れることがあるので特に注意
他の人に準備を手伝ってもらったときには特に注意する 一桁投与量を間違える
→シリンジポンプの小数点に注意する
誤薬
<具体例>
上級医にフェンタニル1A(2.5ml シリンジで 2ml)を全量静脈投与するように指示された研修医が、誤 ってエフェドリン1A(10ml シリンジで 8ml に希釈)を全量静脈投与してしまった。両薬剤とも予め用 意してあったもので、研修医は一度フェンタニルを手に取ったが、空気を抜くために一度手放し、再度 手に取ったときに誤ってエフェドリンを取ってしまった。投与する際に、研修医は上級医に「全部入れ ていいですね?」と聞き返しているが、上級医ははっきりとシリンジを見ることなく「いいです」と応 答していた。
区別しやすいように手術室では頻用する薬剤に関しては色付きのラベルを使用する ラベルはシリンジの目盛りを読む際に目に入るように目盛りの直ぐ横に貼付する ラベルが準備されていない薬剤に関しては、
手術室ではシリンジの目盛りの上または目盛りの直ぐ横に薬剤名を記入する
上級医などから指示されて薬剤投与する時は、もう一度薬剤名と投与量を声に出して確認してから投与
同じサイズのシリンジは特に間違えやすい
各薬剤は決まったサイズのシリンジで準備する→「麻酔科における臨床研修医の薬剤投与指針」
ラベルを貼り間違えることもあるので、薬剤を準備するときには集中する
『アンプルの開封時』・『シリンジに吸う時』・『アンプルを捨てる時』の3回は薬剤が正しいか確認する 不要になったシリンジはさっさと捨てる
麻酔器の電源コードの取り損ない
電源コードを入れ忘れるインシデント
麻酔器の電源コードと、麻酔器の上に載っているモニターの電源コードを間違えるインシデント
↓
内蔵バッテリーで立ち上がり、バッテリーが切れたところで人工呼吸器が停止するので大変危険 バッテリーが切れる際のアラームに気が付かない(鳴らない可能性もある)と致命的
電源コード接続時にはコードの元を手繰って麻酔器のものであることを確認する
手術台の頭台・足台の固定が甘いと重大な事故につながる
頭台の固定が甘いと手術中や移動中に外れて頚損を起こす危険がある 足台の固定が甘いと手術中や移動中に外れて骨折の危険がある