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人体の三次元スキャンデータの前処理

本研究では,Cyberware(株)の3次元人体形状計測装置であるWhole Body Scanner を利用して人体計測を行い,人体の3次元スキャンデータを獲得した.このWhole Body

Scannerはレーザー方式であり,4方向に配置されたレーザーにより人体の計測を行い,

立体スキャンデータを作成する.走査は水平方向5mm,上下方向2mm間隔で行う.そ こで,4方向から得られたデータを統合し,表面点での3次元座標を算出することで一人 の人体スキャンデータが得られる.

この得られた3次元人体のスキャンデータから人体の計測点と対応する特徴点をより高 速に,かつ,容易に高率とするため,統合した人体のスキャンデータに対して以下の前処 理を行う.

4.2.1 人体のデータの整列

まず,計測された対象人体を式(4.1)で表す.

R(p)n =

³

x(p)n , yn(p), zn(p)

´

(4.1) 人体 (p)のスキャンデータの頂点nは,y(人体の高さ)軸方向に等間隔(2mm)で得ら れている.その人体のいくつかのy 座標での断面の例を図4.1の右に示す.xz 座標は 点の間に対応関係がないため,同じy 座標で部位ごとにデータを反時計回り(図4.1の矢 印の向き)に整列する.図4.1の(a:頭部)のように,一つの閉曲線で表現される場合もあ り,図4.1 の (b:左腕, 胴体, 右腕),(c:左,右脚)のように複数の閉曲線になる場合も ある.

第4章 人体の三次元スキャンデータの前処理および仮特徴点の抽出

y

x

CCW Loop CCW Loop

(a) (b) (c)

(d)

4.1: 人体の断面データの整列

また整列された人体のデータを, 頭部(1:部位番号),胴体(3),左腕(2)と右腕(4), 左脚(5)と右脚 (6)の6つの部位に分割する.分割は断面y ごとに行う.図4.2の(a1)

,(a3)を含む断面では閉曲線が分離していて容易である.

㗡ㇱ䋨䋱䋩

⢵૕㩿㪊㪀 ฝᚻ㩿㪋㪀

Ꮐᚻ㩿㪉㪀

Ꮐ⿷㩿㪌㪀 ฝ⿷㩿㪍㪀

brmin

p

(a1)

blmin

p

frmin

p

flmin

p

(a2)

(a3)

4.2: 人体分割

しかし図4.2の(a2)の場合は,一つの閉曲線を3つの部位に分割する必要がある.そ こで断面yごとのデータから求めた主軸(分散の大きい方向)を基準として,背面のデー タで主軸までの距離が極小となる点Pblmin, Pbrmin,前面のデータで主軸までの距離が極 小となる点Pf lmin, Pf rmin が抽出できたときに,部位として分割する.例えば,腕と胴体 を分割する場合は,断面yごとに3つの領域に分類されるかを判定する.6つに分割した 人体の例を図4.2の右に示す.

第4章 人体の三次元スキャンデータの前処理および仮特徴点の抽出 この分割結果を見ると,各特徴点とそれに対応する周辺領域(5.2.1節で述べる)は同じ 部位に属している.表5.1に各特徴点が属する部位の番号(parts)を示す.この人体分割 により,特徴点探索処理において,属する部位のデータのみを使用すれば良いため,効率 が高まり,特徴点をより高速に,かつ,容易に抽出できる.

4.2.2 対象人体の正規化

本研究は,対象人体の特徴点を効率的に抽出するために,あらかじめ標準人体を用意し 標準人体の特徴点と対応とする対象人体の候補の特徴点の位置を求めておく.標準人体の 特徴点と対応とする対象人体の候補の特徴点を求めるために,標準人体と対象人体のサイ ズを合わせる正規化処理が必要である.

そこで図4.3(a),(c)に示すように,標準人体と対象人体それぞれのサイズ(H, W, D)を

計算し,標準人体の23個の特徴点を対象人体R(p)n のサイズ (H(p), W(p), D(p)) に合わ

せ,式(4.2)により正規化を行う.

4.3: 正規化(仮特徴点の抽出)

ただし,H:身長,W:胴体の幅(胴体のx座標の平均値),D:胴体の厚み(胴体のz 座標の平均値)とする.(H(0), W(0), D(0))は,標準人体R(0)n のサイズである.

F0(p)k =

³ ˆ

x(p)nk,yˆn(p)k,zˆ(p)nk

´

=

µW(p)

W(0) ·xˆ(0)k ,H(p)

H(0) ·yˆ(0)k ,D(p) D(0) ·zˆk(0)

(4.2) この正規化された特徴点の位置 (図4.3(b))を対象人体の特徴点の初期値とし,周辺領 域を探索する処理により最適な特徴点の位置を求める.

第4章 人体の三次元スキャンデータの前処理および仮特徴点の抽出