第 4 章 グループ内のインターワーキング 33
6.1.4 五十嵐彩乃
前期プロジェクト
筋電位の発生原理及び筋電位の計測について学んだ.ブレッドボードに増幅回路・フィルター・
整流回路・積算回路を組み,各々の回路において,入力信号と出力信号の違いを確認した.その後,
非侵襲式のアクティブ電極の製作方法を学んだ.
5チ ャ ン ネ ル 分 の 筋 電 位 測 定 回 路 を ブ レ ッ ド ボ ー ド に 組 み ,筋 電 位 が 計 測 で き る こ と を 確 認 し た.ブレッドボードに組む際は,差動増幅回路・ハイパスフィルター・非反転増幅回路・半波整流 回路・積算回路・反転増幅回路の順で接続した.抵抗を選ぶ際は,抵抗のカラーコードを確認し,
間違いがないようにした.カラーコードは,10種類の色に0から9までの数字を割り当てたもの だった.回路で抵抗を使用していくうちに,使用頻度が高いコードを覚えることができた.ブレッ ドボードの裏側の構造を考慮しながら抵抗やコンデンサ等の部品を配置していった.裏で金属が繋 がっていることに気がつかずに,部品を配置したときはその部分で短絡となってしまったため,期 待していた波形が見られなかった.再度ブレッドボードの構造に考慮し,組み直してみると期待し ていた波形が見られた.波形を見るときは,オシロスコープを用いた.オシロスコープに入出力の 端子を繋ぎ,入力信号と出力信号の波形を比較した.増幅回路では,電圧が増幅されることが確認 できた.整流回路では,負の成分が除去されることが確認できた.積算回路では,入力信号が積分 された滑らかな波形が見られた.時々,基準電位であるグラウンドをオシロスコープに繋ぎ忘れる ことがあったため,計測できないことがあった.しかし,何度か計測しているうちに配線の仕方が わかってきた.また,基準電位の位置や電圧の目盛を調節することによって,波形を見易くするこ とができた.電極製作では,銀板に,オペアンプ(Analog Devices,OP07CSZ)をはんだ付けし,
接着剤で補強した.このオペアンプは,今回筋電義手製作に用いるものの中では最も小さかったた め,難易度が高かった.使用しないピンをピンセットを用いて慎重に折った.オペアンプは銀板に 付きにくかったが,接続部分に少しはんだを流し薄く広がるのを待ったらきれいに仕上がった.電 極を製作した後,差動増幅回路と電極を繋ぐためのコネクタを2個製作した.コネクタ製作では,
複数の端子に銅線をはんだ付けした.部品同士を固定しにくかったため,全て接続するのに時間が かかった.電極やコネクタの動作確認は,テスターを用いて行い,通電しているかどうか丁寧に調 べた.はんだ付けは,初めて行うことだった.そこで,経験者から基本的な方法やコツを教えても らったり,実際に付けているところを見たりして,電極のはんだ付けを行っていった.最初は,は んだを付けすぎたり,はんだが少なすぎたりして部品同士を接着することができなかった.接続す る部分を十分暖めて,はんだを流し込むようにしたら,しっかり接続することができた.
最終的に,製作した回路とマイコンと筋電義手を合体させ,ジャンケンの動作と手首の前後動作 を行うことができる筋電義手を開発することに成功した.
回路製作の他に,生体信号計測班のポスターと発表用スライドに載せる回路図の下絵を描いた.
描画の際は,エディタ(DesignSpark,PCB)を使用した.班員に,この下絵を元にしてIllustrator で回路図を描いてもらった.この回路図を用いて生体信号計測班のスライドを製作した.スライド には,製作した回路や各回路を用いたときに見られる波形の写真を載せた.また,メインポスター の英文を考えた.手が空いているときは,プロジェクトで注文した材料や部品の規格や値段などを
「契約上の交渉よりも顧客との協調」,「計画の変化に応じる」等といったことが主張されていた.
つまり,良い環境が良いモノをつくるということを言っていて,その環境もチームによって様々 あって良いということであった.アジャイルの実践では,タスク看板を用いたり,朝会をおこなっ たりと気軽にできそうなことがあった.私たちのプロジェクトでは,アジャイル開発を意識して行 うことはほとんどなかったが,結果的には,メンバー同士でコミュニケーションを取りながら筋電 義手の開発を行い成功した.
前期 プ ロジ ェ クト で は,筋 電位 の 計測 方 法,電 極 やコ ネ クタ の製 作 方法 を 習得 す るこ とが で き た.中間発表の準備では,発表用のスライド製作に貢献できた.5チャンネル回路をユニバーサル 基板に組む役割は,1名で間に合ったため,ブレッドボードへの試作のみにしか携われなかった.
また,自分の班の仕事にのみ集中したため,他の班の発表内容をあまり理解せずに中間発表に臨ん でしまった.
後期プロジェクト
圧力センサ用回路とひずみゲージ用回路を製作した.また,コネクタ製作,ひずみ測定器製作,
回路の修理,スライド製作,ポスターの英文執筆等の活動も行った.
圧 力 セ ン サ( ニ ッ タ 株 式 会 社 ,FlexiForce)と ひ ず み ゲ ー ジ( 共 和 電 業 ,KFG-2-350-C1-11), 各々の回路をブレッドボードに試作し,圧力とひずみを計測できることを確認した.その後,ユニ バーサル基板に各々の回路を3チャンネルずつ製作した.圧力センサ用回路製作では,反転増幅回 路に圧力センサを埋め込み,最後に積分回路を接続した.ひずみゲージ用回路製作では,ホイート ストンブリッジ回路にひずみゲージを埋め込んだ.そして,差動増幅回路,非反転増幅回路,ロー パスフィルタ,半波整流回路,ボルテージフォロワの順で接続した.ホイートストンブリッジ回路 には,可変抵抗を用い,出力の基準値を調節できるようにした.また,非反転増幅回路にも,可変 抵抗を用い,出力の大きさを調節できるようにした.
各回路が完成した後,圧力センサとその回路の間をつなぐコネクタを製作した.被服銅線の両端 にメスのコネクタを取り付けた.ピンコネクタを銅線にはんだ付けする際は,はんだを付け過ぎな いように気をつけた.はんだがピンコネクタの奥まで流れると,オスのコネクタのピンが挿しにく くなるためである.被服銅線にコネクタを取り付けた後,コネクタ部分を補強するため接着剤を塗 付し完成させた.
ひずみ計測器の製作では,ひずみゲージをアルミ板に接着剤で貼り付けた.ひずみゲージの裏側 に接着剤を1滴だけ垂らすのが難しかった.接着剤を付け過ぎたときは,アルミ板からはがれ易く なり,うまく接着できなかった.残念ながら,はがれてしまったひずみゲージを再度アルミ板に接 着することはできなかった.ひずみゲージをアルミ板に貼った後,圧力センサのコネクタを製作し たときと同様に,ひずみゲージから伸びる被服銅線にメスのコネクタを取り付けた.ひずみゲージ のコネクタにはピンを2本挿すことができるメスのコネクタが必要だったが,3本挿すことができ るものしかなかった.そのため,ピンを3本挿すことができるコネクタの片端1本分をカッターナ
動作を繰り返す部分であるため,基板との接着が弱くなり基板から取れてしまった.再度,電源ス イッチを取り付け直し,接着剤を多めに塗付し補強した.電源スイッチは,これまであまり扱った ことがなかった部品であったため,部品内の構造を確認して修理することができた.
ひずみゲージ用回路製作の際,通電してはいけない部分が通電していたり,可変抵抗が故障して いたりして,最初は思い通りの動作にならなかった.しかし,一つ一つ検査し,誤りを修正して理 想の動作が得られた.モータ用のコネクタ製作では,各チャンネルのピンの間隔を空けておくと繋 ぎ易いことがわかった.ひずみ測定器製作では,ひずみゲージをアルミ板に接着剤で貼り付けた.
接着剤が速乾であるためすばやく作業する必要があったが,ほぼ真っ直ぐに貼ることが出来た.最 終的に,製作した回路とマイコンと筋電義手を合体させ,圧力とひずみをセンスすることができる 筋電義手を開発することに成功した.生体信号計測班のスライド製作では,前回製作したものより シンプルで発表者が説明し易いものとなった.メインポスターの英文の執筆では,前回のポスター を参考にしてわかり易く伝えるよう心がけた.
電子回路製作では,丁寧にはんだ付けを行うことができた.ひずみゲージ用回路をユニバーサル 基板へ組む前に,基板配置図面を作らなかったため,回路の誤りを探すのに苦労した.複雑な回路 については図面を作っておくと,他の人にとってわかり易く,自分自身も説明し易くなると考えら れた.また,はんだ付けの際は,はんだを付けすぎないよう注意し,すばやく作業を行う.これに よって,ノイズが軽減され,短絡や部品故障などを防ぐことが期待できる.
(※文責:五十嵐彩乃)