第 3 章 グループ内の学習 7
3.8 ひずみゲージ用回路
ここでは,ひずみゲージ,ひずみ計測器,ホイートストンブリッジ回路について説明する.ひず みゲージ用回路(図3.22)は,ひずみ計測器,ホイートストンブリッジ回路,差動増幅回路,非反 転増幅回路,ローパスフィルター,半波整流回路,ボルテージフォロワで構成される.[13]
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ひずみゲージ
図3.22 ひずみゲージ用回路
ひずみゲージ
ひずみゲージ(図3.23)は,数ミクロン厚の金属の抵抗膜をプラスチックフィルムで作られた ベースで挟んだ構造になっている.ひずみゲージを用いた計測の原理は,外力による材料の伸び・
縮みによって抵抗値が変化し,それが電圧の変化として読み取られるというものである.抵抗値の 変化を電圧の変化として計測するために,ブリッジ回路が一般に用いられる.[9]
図3.23 ひずみゲージ
に接着剤でリード線の部分をアルミ板に固定する.[10]
ホイートストンブリッジ回路
ホイートストンブリッジ回路(図3.24)は,ひずみゲージの抵抗値の変化を電圧の変化として取 り出す回路である.ひずみが大きいほど抵抗が伸びるので,ひずみゲージの抵抗値は高くなる.ひ ずみゲージの抵抗値が高くなると,出力電圧も大きくなる.逆に,抵抗値が低くなると,出力電圧 も小さくなる.
抵抗の変化から電圧の変化を導く過程を以下に示す.
入力電圧をE,出力電圧をeとすると,
e= R1R3−R2R4
(R1+R2)(R3+R4)E 力が加えられたことにより,△Rの抵抗値の変化が生じると,
e= (R1+△R)R3−R2R4
(R1+△R+R2)(R3+R4)E ここで,R=R1 =R2 =R3 =R4とすると,
e= R2+R△R−R2 (2R+△R)2R E [9]
R2
R4
R3
E
e R1
図3.24 ホイートストンブリッジ
ひずみと抵抗値の関係
ひずみゲージに力を加えると,抵抗膜が引っ張られたり,圧縮されたりすることで伸び縮み,長
は,次の抵抗と材料の関係式を用いて説明することができる.
R= ρL A
Rが抵抗値,ρが比抵抗,Aが断面積である.ここで,両辺の対数を取り,式を変形する.
logR= logρ+ logL−logA 上式の両辺を微分すると次の式が得られる.
△R R = △ρ
ρ + △L
L −△A A ここで,金属の場合,△ρ
ρ = 0となり無視できる.また,ポアソン比をσとすると,
△A
A =−2σ△L L と書ける.これを,
△R
R = △ρρ + △LL −△AA に代入すると,
△R
R = (1 + 2σ)△L L
を得る.(1 + 2σ)はゲージファクタと呼ばれ,Ksと表される.ε= △LL とKsを用いて次のよう に変形する.
△R
R =Ks△L
L =Ksε
以上より,ひずみと抵抗値の関係を表す式を求めることができた.しかし,ひずみによる抵抗値の 変化は数百mΩと非常に小さいため,ひずみゲージを用いて検出される △R
R も非常に小さくなり,
検出方法を工夫する必要がある.そこで,例として,上記のホイートストンブリッジ回路を用いる ことが挙げられる.[9]
ひずみゲージ用回路の材料
抵抗: 300Ω1個,360Ω2個,1kΩ4個,10kΩ2個,100kΩ 3個,3.9kΩ 1個 可変抵抗: 100Ω 1個,100kΩ1個
コンデンサ: 1μF 1個 オペアンプ: OP07 6個
ひずみゲージ: KFG-2-350-C1-11 1個 コネクタ: オス 2ピン分
ユニバーサル基板: 1枚 リード線: 適量
:
め,センサ用電源とモータ用電源は分離させると良い.センサ用電源には,モータ用電源よりノイ ズが小さく出力電圧の変動が少ない電源が適している.[9]
3.10 モータ用電源
モータ用電源を選ぶ際に注意すべきことについて述べる.モータを動作させるためには,電力を 供給 する 電源 が 必要 で ある .モ ータ を 制御 する た めに は ,コン ピ ュー タが 必 要で あ るが ,通 常の ノートパソコンやデスクトップ型のコンピュータではモータを動かすような大きな電流を供給する ことができない.これより,モータを駆動させるためには電流をモータへ供給するためのモータ用 電源を用意する必要がある.モータを制御する場合,モータ用電源はモータドライバに接続するた め,電源の出力電圧は接続するモータドライバの規格に合った範囲から選ばなければならない.[9]
3.11 コネクタ回路
コネクタ回路は,筋電位計測回路の出力に繋がれたマイコンをモーターへ繋ぐための回路であ る.コネクタ回路の基板には,電源スイッチが取り付けられており,このスイッチにより直接筋電 義手を稼動させたり,停止させたりすることができる.[9]
コネクタ回路の材料
電源スイッチ(6ピンのもの):1個 電源ソケット:1個
コネクタ: オス 12ピン分 ユニバーサル基板: 1枚 被服銅線: 適量
銅線:適量
3.12 抵抗のカラーコードの読み方
ここでは,抵抗のカラーコードの読み方について説明する.抵抗には,表面に,抵抗値が数字で 書かれているものと,色の付いた帯が複数入っているものがある.数字で書かれているものはそれ がそのまま抵抗値となる.一方,色の付いた帯が入ったものは,その色の帯の組み合わせによって 抵抗値を知ることができる.抵抗値を表す部分の色は10色あり,0から9までの数字がそれぞれ の色に対応している.色と数字の組み合わせは以下のようになっている.
黒0 茶1 赤2 橙3 黄4
抵抗には,4本の帯が入っており,左から1本目と2本目の帯で0から99までを表すことがで きる.3本目の帯は,10の何乗かを表す.これら2つの値を掛け合わせることにより,抵抗値を求 めることができる.4本目は許容誤差を表しており,色との組み合わせは以下のようになっている.
茶±1% 赤±2% 金±5%
銀±10% 無着色±20% 橙±0.05% 緑±0.5% 青±0.25% 紫±0.1% [13]
(※文責:五十嵐彩乃)
3.13 はんだ付け
作業手順として以下の順で行うのが良いはんだ付けのやり方である.
1.接合する部分の錆,油脂などを取り除く.
2.接合する部分をはんだごてで加熱する(ただし,チップ部分の場合は電極にこて先を接触させて はならない).
3.加熱した部分にはんだを軽く押し付け,溶融する.
4.適切な量のはんだが付着したら,はんだとはんだごてを接合部分から静かに離す.
プリント基板におけるはんだ付けでは,部品のリード線と基板の銅箔面に自然にはんだが流れ込 み,光沢を有する富士山のような形状を作るとよいとされている[16].
(※文責:岸本弘太)