複合構造インバートは覆工とインバートのコンクリート部分の剛性のコントラストによ り接続部に応力が卓越する構造となっている.したがって,インバートコンクリート部分 の最適形状を検討することで,応力を低減することができると考えられる.また,通常の インバートは曲率半径が小さい方が,耐力が大きいとされている.よって,複合構造イン バートのコンクリート部においても曲率半径によって,耐力の違いが生じると考えられる.
以上から,コンクリート部の曲率半径を変えたパラメトリックスタディーを実施し,形状 効果を明らかにした.
4.2.1 研究内容
解析ケースを図 4.2.1 に示す.解析ケースは全4ケースである.ケース1はコンクリー ト部分の曲率半径を覆工アーチの曲率半径 R1 の2倍の構造とした.ケース2はコンクリー ト部分の曲率半径を R1 の3倍の構造とした.ケース3はコンクリート部分の曲率半径を R1 の2 倍とし,外側と内側を覆工にすり付けた構造とした.ケース 4 はコンクリート部分の 曲率半径を R1 の3倍とし,外側と内側を覆工にすり付けた構造とした.解析モデルは地山 を含めない構造体のみのモデルとした.このモデルの外周面に膨張圧0.1MPaを載荷し,耐 力の評価を行った.インバートの上下二段の鋼管部にはそれぞれの半分の大きさ 0.05MPa の載荷とした.解析は有限要素法による二次元線形弾性解析とした.
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図 4.2.1 解析ケース
表 4.2.1 に 4 ケースにおいてのコンクリート部と鋼管部の最大引張応力と最大圧縮応力 の値を示す.
表 4.2.1 各ケースの最大応力
単位:MPa 最大引張応力 最大圧縮応力 最大引張応力 最大圧縮応力 最大引張応力 最大圧縮応力
ケース1 7.1 15.3 218.0 273.2 30.8 38.6
ケース2 9.4 15.3 240.1 295.3 33.9 41.7
ケース3 13.1 19.9 248.4 303.6 35.1 42.9
ケース4 11.4 17.7 265.0 320.2 37.4 45.2
コンクリート部(覆工も含む) 鋼管 中詰めコンクリート
ケース1 ケース2
ケース3 ケース4
第4章 既往研究のまとめ
- 38 - 解析結果について以下に列挙する.
1. ケース1とケース2を比較すると,ケース1の最大応力の方が小さい.これは通常の インバートの特性(Rが小さい方が耐力が大きい)により,ケース1の方が応力的に有利 になったと考えられる.これはケース3とケース4でも同様である.
2. ケース1とケース3,ケース2とケース4を比較すると,ケース3とケース4の最大
応力が大きい.これは覆工とインバートの接続部においてすり付けをしているため,
厚さの減肉により応力度が上がったと考えられる.
ケース4で強度と比較すると以下のようである.
1. 鋼管をSTK400と想定すると降伏は235MPa,引張強度は400MPaである.引張応力
は約0.7倍であり,強度内に収まっている.圧縮応力は約1.4倍であり,降伏を上回っ ている.
2. 中詰コンクリートの圧縮強度を30MPaと想定すると,圧縮応力は約1.5倍である.引 張強度を圧縮応力の1/10倍(3.0MPa)と仮定すると,最大引張応力は約12.3倍であり,
大きく強度を上回っている.
3. 覆工とインバートコンクリートの圧縮強度を18MPaと想定すると,圧縮応力は約1.0 倍であり,強度内に収まっている.引張強度を圧縮強度の1/10倍(1.8MPa)と仮定する と,最大引張応力は約6.3倍であり,大きく強度を上回っている.
4.2.2 本研究に対するまとめと課題
4.1 節でも記したように,覆工脚部に発生する引張応力を軽減する必要がある.それに伴 い,変更した構造体に膨張圧を載荷し検討する必要がある.
- 39 - 参考文献
1) 松永拓:インバート施工による変状対策工の形状効果,首都大学東京大学院修士論文,
5章,6章,2011.2
第5章 二次元解析による構造検討
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第 5 章
二次元解析による構造検討
本章では,既往研究で課題となった覆工脚部の引張応力の抑制のために新たに考案した 複合構造インバートの構造について検討した.