3. 4. 実験結果
3. 4. 1. マラメータα2の振動数依存性および温度依存性
厚さO.34mmの試料について水素ガスの透過より求めたα 2の振動数依 存性をFig.3-2(a)に示す. 測定温度範囲は773----973Kである. α 2の値は
15
(0)
Ni - H . L = 0.34 mm5
773 K
ロ/
873 Kゆ= ø.jと近似して各々の 振動数 fに対して式(2-8)より算出した. 試料 の厚さLで規格化する ため , 横軸はf ・ Lと で整理した. 図から明ら か なように , α2とf ・ L2 の聞には原点を通る直線関係が存在する. 従っ て, この場合には透過の過程は拡散律速であると考えられる. よって,
ニ y ケル中の水素の拡散係数 D HはFig.3-3(a)の直線の傾き (π/D )か ら求められる.
さらに, 水素ガ‘ スによる透過の測定後, 同じ試料を用いて重水素ガス の透過を測定した . この結果をFi g. 3 -2 (b)に示す. 重水素の場合にも α2とf ・ L2 の聞には水素と同様の傾向がみられる. 従って, 重水素の 透過 過程も拡散支配とな っている. しか し, α2とf ・ L2 の聞に成り立 つ直線の傾きは重水素の方が大きく(π/DH く π/DD ) , 従って拡散係
数はDH> D 0となる.
3. 4. 2. 厚さ依存性
試料の厚さを0.14 , 0.23, O.34mmと変化させると, α2とf ・ L2 の聞 の関係 はFig. 3-3のように変化する. 試料が薄くなるにつれてα 2 と
f ・ L2 の閣の直線の傾きは大きくなる . また , 振動数の大きな領域で は測定値が振動数の小さ な領域の直線部分を外挿した値よりずれてく る.
anuz nぺυ
I I
(0)
Ni - H T = 873 K10←
o 0.34 mm ム 0.23 mm
ロ 0.14 mm
一
守、‘
5ト //0/
-2.5ト
Jテヌ/
,θPAJ y必〆
(b)
Ni目。FD 一
ち
一
i 2
f. L 2
i
ム 6
10-9.m2.s-1
Fig.3-3 Th e relation between α 2 and fL2 for spe cimens with dif ferent thichnesses ; (a) H2 gas permea
tion. (b) D2 gas permeation.
rhd n‘υ
3. 5. 考察
3. 5. 1. 透過過程に対する試料厚さの効果
F ig.3-3に示したように試料が薄くなるにつれてα2とf ・ L2 の間の 直線の傾きは大きくなる. 薄い試料におけるこれらの現象は次のように 考えることができる. 試料が薄くなると水素の拡散経路は短くなる. そ のために拡散による位相の遅れゆd は 小さくなる . 一方, 表面反応に起 因する遅れゆsは試料の厚さに 依存せず, 一定値である . 測定される全 位相差。は拡散による位相差ゆdと表面反応による位相差ゆsの和である.
それ故, 試料が薄くなるほど , 全位相差ゅの中でゆsはより大きな割合 を占めること になる. また, 一般に振動数が大きなほど位相の遅れは大 きくなる. 表面反応に起因する位相差ø 5も振動数の大きな領域では無 視できなくなる. 従って, 薄い試料あるいは振動数の大きな 領域では α2とf ・ L2 の間の直線関係が成り立たなくなる. 逆に考えると, 十分 厚い試料の場合には , 表面の効果(ゆ5 )が無視できるほど小さいので,
透過過程は拡散支配と なりうる. 本研究におけるFi g. 3 -3の結果からみ ると, 厚さO.34mmあるいはそれ以上の厚さの試料については拡散律速の 過程が成り立っていると考えられる. しかし, F ig. 3-3'こ示すように,
O.14mmの試料については表面効果の影響は無視できないほど大きい.
3. 5. 2. 拡散係数の温度依存性および同位元素効果
各温度での測定結果より試料の厚さと振動数依存性を検討して透過が 厚さO.34mmの試料の場合には拡散律速であるということが確かめられた.
その振動数依存性 から拡散係数を求め, その結果をFig.3-4とFig.3-5に 示した. 著者が得た結果は, vδ1 k 1とAlefeld(4わがまとめたニ ッ ケル中 の水素の拡散係数, Eichenauerらは4 )が測定した重水素の拡散係数とよ
く一致している.
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