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主観品質評価

第 3 章 3D 映像サービスに対するヘッドエンド品質監視法 26

3.2 主観品質評価

主観品質評価特性を導出し、左右眼映像の2D映像品質の差が3D映像品質に与える影響 をモデル化するため主観品質評価実験を実施した。実験では、12の原映像(SRC8)と2つ の映像コーデックを用いた。

映像コンテンツの選定は主観品質評価特性を適切に導出するための重要なポイントであ

8SouRCe

表 3.3 System A, B, Cに対するビットレート

(a) System AおよびB

System A 16, 12, 8, 4, 2, and 1 Mbps System B 32, 16, 8, 6, 4, and 2 Mbps

(b) System C

Overall bit rate Bit rate for left view Bit rate for right view

(Mbps) (Mbps) (Mbps)

32 16 16

28 16 12

24 16 8

20 16 4

18 16 2

17 16 1

16 8 8

14 8 6

12 8 4

10 8 2

9 8 1

8 4 4

7 4 3

6 4 2

5 4 1

4.5 4 0.5

4 2 2

3 2 1

2.5 2 0.5

2 1 1

1.5 1 0.5

る。選択された映像コンテンツのセットは時空間情報の観点で幅広く選定されるべきであ る。10秒のフルHDの3D映像コンテンツを以下に示すように、12種類選定した。SRC1 (Photo)は女性が葉の写真を撮影する映像;SRC2 (Mirror)は女性が鏡の前で複数のドレス を試着する映像;SRC3 (Bicycle (front face))は自転車をこぐ女性がカメラの方向へ直進す る映像;SRC4 (Basketball)はバスケット選手がドリブルする映像;SRC5 (Flower garden) は男女が花畑で立ち、花を見ている映像;SRC6 (Paint)は女性が部屋で花の絵を描いている 映像;SRC7 (Well-dressed woman)はドレスを着た女性がリビングを歩いている映像;SRC8 (Bicycle (side face))は自転車をこぐ女性が公園を右方向に移動する映像;SRC9 (Woman and maple leaves)は女性がもみじの葉を眺めている映像;SRC10 (Cheerleaders)はゲー ムでチアリーダがダンスする映像;SRC11 (Clown)はピエロが風船を少女に与える映像;

SRC12 (Tropical fish)は熱帯魚が水族館で泳いでいる映像である。SRC1、2、3、7、8、9 は情報通信研究機構の映像、SRC4、5、6、10はデジタルコンテンツ協会の映像、SRC12

は日本電信電話研究所の映像である。 勧告 で定義される および を 表3.1に示した。提案モデルが非学習データに対し精度良く3D映像品質を推定できている か検証するため、SRCは映像グループ1および2として二つのグループに分類した。

実験A1およびA2 (System A)において、サイドバイサイドフレームコンパチブルフォー

マットの映像をH.264/AVCで符号化した。実験B1およびB2 (System B)において、フ レームシーケンシャルフォーマットの映像をH.264/MVCで符号化した。実験C1およびC2 (System C)において、フレームシーケンシャルフォーマットの左右眼の映像をH.264/AVCで 独立に符号化した。ただし、実験Cにおいては左右眼の映像信号に対し、同一のH.264/AVC を用いた。ここで、実験XYを定義する。Xはシステム (System A、B、C)を示し、Yは SRCの映像グループ(Group 1、2)を示す。符号化パラメータは表3.2に示した。

表3.3 に示すように、System Aでは左右眼映像に対するビットレートは1–16 Mbps、 System Bでは2–32 Mbps、System Cでは1.5–32 Mbpsとした。System Bにおける左眼映 像のビットレートは右眼映像のビットレートの約2倍である。System Cにおいては、左右 眼映像に対し幅広い映像品質をカバーするため、左右眼映像のビットレート比を1:1から 16:1とした。

実験A1、A2、B1、B2の3D映像のPVS11数は36(6 HRC12 × 6 SRC)、実験C1およ びC2の3D映像のPVS数は126 (21 HRC ×6 SRC)とし、実験A1、A2、B1、B2の左右 眼の2D映像のPVS数は72(6 HRC× 6 SRC× 2)、実験C1およびC2の2D映像のPVS 数は84 (左眼映像のPVS数:5 HRC × 6 SRC、右眼映像のPVS数:9 HRC ×6 SRC)と した。主観品質評価実験において、3Dおよび2Dの無圧縮の原映像をアンカーとして用い たが、無圧縮の原映像の主観品質評価値を統計分析には用いなかった。

主観品質評価特性はコーデックの実装に依存するため、System A、B、Cに対するRD13カー ブを示す。ただし、PSNRは左右眼映像のすべてのフレームを用いて計算した。また、ビッ トレートおよびPSNRは12映像すべてに対し平均をとった。System Aにおいては水平方 向にアップサンプリングした後にPSNRを計算した。図3.2より、System BのRDカーブ はSystem AおよびCのRDカーブより高いことを示し、System AのRDカーブはSystem CのRDカーブとほぼ同等であることを示した。ここで、図3.2(b)に示すように、System CのRDカーブは左右眼映像のビットレート比ごとに描いた。

主観品質評価において、3D映像品質を5段階ACR14法(5:非常に良い、4:良い、3: 普通、2:悪い、1:非常に悪い)により評価した。評価者は映像が表示された後、5秒間 で品質を評価するよう求められた。これら実験におけるPVSの表示順はランダムにした。

主観品質評価値はMOS15で表した。ここで、MOS OS、MOS LS、MOS RSはそれぞれ、

9Spatial Information

10Temporal Information

11Processed Video Sequence

12Hypothetical Reference Circuit

13Rate Distortion

14Absolute Category Rating

15Mean Opinion Score

27 32 37 42

0 10 20 30

PSN R [d B]

Bit rate [Mbps]

System A System B

27 28 29 30 31

0 10 20 30 PSN

R [d B]

Bit rate [Mbps]

System C

1:14:3 2:14:1 8:116:1

図 3.2 RDカーブ

3D映像、左眼映像、右眼映像の主観品質評価値を示す。主観品質評価実験を開始する前に、

ITU-R勧告BT.1438[81]に示されている2つのスクリーニング試験 (Coarse stereopisisお よびFine stereopisis試験)を実施した。加えて、視力および色覚についてもスクリーニン グ試験を実施した。スクリーニング試験に合格した男女32名の評価者が主観品質評価実験 に参加した。評価者は20から39歳であった。評価者は約150cm(3H: 画像高(H))の視 距離で偏光眼鏡をかけ各3D映像を観視した。符号化された映像は40インチのLCDモニ タ上に1920×1080のネイティブ解像度で表示された。実験環境として室内照度を20 luxと した。2D映像品質評価実験では、評価者は偏光眼鏡をはずして評価した。