8章 丸太組構法工事
1節 一般事項 8.1.1 適用範囲
この章は,構造耐力上主要な部分 (基礎及び基礎杭は除く。) に丸太組構法を用いた,延べ 面積が300m2以下,高さが8.5m以下,地階を除く階数が1以下 (小屋裏利用2階建ては可。) , 耐力壁相互の距離は6m以下で,かつ,耐力壁線により囲まれた部分の水平投影面積が30m2以 下の小規模な建築物に適用する。
なお,小屋裏を事務所の用途に用いる場合及び適用範囲以外は,特記による。
図8.2.1 機械加工の丸太組壁用木材の断面の種類(参考)
(ⅳ) 品質は,特記による。特記がなければ,次による。
① 腐れ及び虫食いがないこと。
② 傷及び穴は,顕著でないこと。
③ 曲がりは,部材の両木口を結ぶ外縁線からの最大矢高が材長の0.5%以下とし,測定 方法は,図8.2.2による。
曲がり(%)=(最大矢高/材長)×100
図8.2.2 機械加工の丸太組壁用木材の曲がりの測定方法
④ 割れの許容範囲は,表8.2.1による。
表8.2.1 割れの許容範囲
貫通割れ ないこと
木口割れ 髄を超えて伸びていないこととし,乾燥木材以外は,表面に伸びた ものは材長の1/3以下とする。
材面割れ 幅8mm以下
目回り 髄より半径2cmを超える部分にないこと
⑤ 丸太組壁用木材の所定断面からの断面欠損を丸身とし,丸身は,丸太組壁用木材の設 計断面積の10%を超えないこと。また,丸身はl箇所であり,かつ,長さは60cm以下で あること。
なお,壁の水密性に影響を与えるような丸身はないものとする。
⑥ 木材の平均年輪幅は,10mm以下とする。
⑦ 節の測定方法は図8.2.3により,許容範囲は表8.2.2による。節径比の計算は,丸太組 壁用木材断面に内接する面積最大の矩形断面に関して行う。矩形断面を求める場合には 背割りを無視するものとする。節径比は丸太組壁用木材表面の節の心と髄を結ぶ直線が 横切る矩形断面の辺長を用いて計算し,節径比の計算は各材面ごとに行う。
一枚ざね
さねなし 二枚ざね 三枚ざね
なお,節径比の計算は,傷及び穴を節と見なして扱うものとする。
表8.2.2 節の許容範囲
死節 顕著でないこと
単独節径比 60%以下
集中節径比 90%以下
節径比(%)=100×k0/B 又は 節径比(%)=100×kl/H の大きいもの k0,k1: 丸太表面上の節の辺長方向の径
図 8.2.3 機械加工の丸太組壁用木材の節径比の測定方法
⑧ 部材の長軸に対する繊維傾斜は,1/6以下とする。
⑨ 反りやねじりは使用上支障のない程度とする。
(2) 手加工の丸太組壁用木材
(ⅰ) 丸太組壁用木材の丸太の1断面積は105cm2以上,かつ,1,400cm2以下とする。
(ⅱ) 丸太組壁に用いる手加工の丸太組壁用木材は,できるだけ乾燥した皮はぎ材とし,樹 種,寸法及び径は,特記による。
(ⅲ) 加工前に全数について,目視により材の欠点がないことを確認し,報告書を監督職員 に提出する。
図8.2.4 手加工の丸太組壁用木材の断面の種類(参考)
(ⅳ) 品質は,特記による。特記がなければ,次による。
k0
k1
B 又は H k1 又は k0
盗み Mグループ
重なり幅 Vグループ
重なり幅 Uグループ
H H
① 腐れ及び虫食いがないこと。
② 曲がりは図8.2.5により,丸太の末元中心線からの最大矢高が末口直径の20%以下と する。
なお,S字曲がり及び二方向への曲がりは,それぞれの矢高の合計を最大矢高とする。
曲がり(%)=100×t0/Do 又は曲がり(%)=100×(t1+t2)/Do Do:末口直径
図8.2.5 手加工の丸太組壁用木材の曲がりの測定方法
③ 割れの許容範囲は,表8.2.3による。
表8.2.3 割れの許容範囲
貫通割れ ないこと
木口割れ 年輪の中心を超えて伸びていないこと
材面割れ 材長の1/3以下
目回り 髄から半径2cmを超える部分にないこと
④ 木材の平均年輪幅は,末口で測定し,10mm以下とする。
⑤ 根張りの影響を考慮して,元口直径は元口から1m部位の直径を6cm以上超えないこ と。
⑥ 節の測定方法は図8.2.6により,許容範囲は表8.2.4による。
なお,節径は接線径を測定するものとし,集中節径比は,任意の丸太表面の1/4の部 分で,幅15cmに係る節径の合計値とする。
表8.2.4 節の許容範囲
死節 顕著でないこと
単独節径比 45%以下
集中節径比 60%以下
曲がり部材心 末元中心線
単独節径比(%)=100×k2/Do 集中節径比(%)=100×(k1+k2)/Do
Do:末口直径 k1,k2:節の接線方向の径
図8.2.6 手加工の丸太組壁用木材の節径比の測定方法