• 検索結果がありません。

与=川

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 31-39)

となる。この式が基本となる速度式である。

(2 - 36) (2 -37)

本節では2つの位相及び4つの位相を取り扱うTDGL方程式の導出を行った。

系、が温度Tの熱浴中にあるとき、 微視的に見れば系を構成する 粒子はknT (kßはボ ルツマン定数)程度のエネルギーを持っており、 そのエネルギーに相当するランダ ムな運動をしている。粒子がこのような運動をする場合、 揺動散逸定理で定義され

る熱的ノイズの項クs、 クxをTDGL式に加えなければならない(88)。このようなグデ クxは以下の式を満たす。

<ηs(r,t)ηs(r' ,t') >= 2KST8(r - r')δ(t - t' )

<ηx(r,t)ηx(r' ,t') >= -2KxTV28(r - r' )8(t - t')

(2 -38) (2 -39)

<>は平均を表す。これらの式は8(r-r')および:8(tイ)の揺らぎが粒子間あるいは時間 に対して全く相関がない、 全くランダムな"white noise"で、あることを意味している。

-26-2-3

計算手順

TDGL方程式(2-31)、(2-32)あるいは(2-36)、(2 - 37)式を数値的に解くために Euler法を用いて微分方程式を差分方程式に書き直す。 空間r(x,y)、時間tの関係f=

f(r, t)の時間微分を考えると

笠=

lim

f(r, t + I1t) - f(r,t)

み 61→o I1t

(2 -40)

であるが、.1(--0の極限をはずして,

(2 -41) と近似する。 空間微分についても同様に考えるとl次元の場合、

グ f(r+ &,t) - f(r,t)

み &

(2 -42)

2次元の場合、

。2f f(r + &,t) + f(r - &,t) - 2f(r,t)

み2 (&)2

(2-43)

これらの関係を(2-31)、(2-32)あるいは(2-36)、(2-37)式にあてはめる。

シミュレーションを行う系としてNXXNyのサイト数を持つ2次元格子を考える。

時間および空間の刻み幅(タイムステップ、 メッシュサイズ)をそれぞれL1t、 L1r とすると局所的な規則度筑r ,t)、局所的な濃度X(r,t)のL1t経過後の値は、

鈴t+ I1t) = S(r川 会 +K'

5

Ss

(2-44)

X(υ+11巾X(ハt)+�ι\72 1笠 こ 1+K'xSx ( I1r)‘N, .N、 L み J

A ;;>A

(2 -45)

-27-となる。 一方、Pottsモデルによる非保存型秩序パラメータグ/r ,t)、 保存型秩序パラ メータX(r, t)のfjt経過後の値は、

η/r,t十件

(2-46)

X(r,t + ð.t) = X(ハt)+ (ð.r)� / �t ,? yr21竿

L dt J

1+K'xçx

(2 -47)

となる。 ここで演算子マ2はf{r,t)ニK人,ιけとすると、

yr2 = f(に+ð.rペ,t)+ f(rr - ð.rペ,t)+ f(に,ペ+ð.r,t) + f(ι,ペ- ð.r,t) - 4f(rrぺ,t)

(2-48) で与える。

ここで熱的ノイズの項について考える。計算機から互いに無関係な3系列のガウ ス乱数列νjl), り2), り3)を生成し、 それぞれ2次元格子のサイト上に割り当ててい

く。 このときガウス分布の平均値をO、 標準偏差をlにすると、

( v�lI)(ιiぺ11fm)vf)(にいから,.)) =δikðj,ðmm.ðllb

(2-49)

となる。 ここで規則度に対するノイズは(2- 39)式においてt=t'、1=}のとき

((fーん)2) = ((ぱ)2) = 2K'1T

(2 -50)

となる。 発生した熱ゆらぎfjfによる非保存型秩序パラメータクの変化量をクの場 合の感受率K'l (=l/(oF/θク))を用いて、

ム(r,t)= Kf勾ぃ(芸)

(2-51)

と置き換えるo tJ. fには計算 機で適当なガウス乱数を発生 させて、 それを用いる 。 一方保存型秩序パラメータXに 対するノイズは

ι川

とすると、r1 =r2かつtl=らのとき

(ηx(叩1)ηx(引))= - L

/

(ðr)2

となる。 r1とんが隣どうしで"t1 =らのとき

(ηX(rl't1)1JX(り2))=ニL

/

(ðr)2

となる。 それ以外の場合は

(ηx(rl't1)1JX(r2,ω=。

となる。

(2-52)

(2-53)

(2 -54)

(2-55)

シミュレーションを行う系としてL12単位胞をlセルとしたNxXN、の2次元格 子 に周期的境界条件を用いて、

1) 2次元格子全サイトの初期値(初期状態)を与える。

2)計算機上でガウス乱数列を発生させ、 全サイトにわたって割り当 てる。

3)(2-44)、(2 - 4 5)あるいは(2 - 46)、(2-47)式を用いてtJ.t後の秩序パラメータ を全サイトにわたって計算する。 これがNs=1ステップに相当する。 すなわちlス テップは系全体に対してTDGL方程式をl回解いたことになる。

-29-以下、 2), 3)の過程を繰り返すことにより規則度、 濃度、 位相の時間変化を計算 できる。

2-4 逆位相境界近傍での状態

逆位相境界(APB)の影響を考察するため、 規則相中に挿入されたAPB近傍での 各秩序変数を計算する。 このため、 系のサイズを100X 5とし、 2枚のAPB(r=O.

50)を含んだ系を考える。 このときAPB間の距離(ドメインサイズ)はM=50とな る。 このシミュレーションにおいて熱揺動の項は考慮しない。 また、 計算に用いた 条件を以下に示す。

(ðr, ðt, K, L)=(l.O, l.0, 0.1, 0.0001) また、 界面エネルギー係数C、 Hは

(G,H) = (0.5,0.1) とした。

規則相と不規則相の2相共存領域のT=800Kで計算を行った結果を図2-2に示 (2-55)

(2 -56)

す。 図2-2は( 1 )の2つの位相を考慮したモデルを用いた結果である。 上段には 規則度変化を下段には組成変化を示している。 ここでステップ数はNs=50000とし たが、 十分平衡状態に達していることを確かめている。 規則度はAPBの位置で正値 から負値にスムーズに変化するのではなく、兵=0に留まる傾向を示す。 これはSr=

OでのAPBの「濡れJ ("wetting")に対応している。 このとき、 組成はAPBの部分で不 規則相の平衡組成、 規則ドメイン内では規則相の平衡組成を保つ。 この"wetting"現 象が相転移に与える影響については5-3節で示す。

( 2 )のPottsモデルを導入して4つの秩序パラメータを用いて計算を行った結果 を図2-3に示す。 上段2つがTDGLモデルで得られた非保存型秩序パラメータグと Pt組成Cで、ある。 この2つのパラメータを用いて求めた各サイトの原子占有確率を

nu qtu

ハU唱Ei

0.5

ハUハU

-0.5

-1.0 0.27

ト←cl

:0.248 0.26

0.25 '-J

70 60

50 r 40

0.24 30

図2-2 2つの位相を用いて逆位相境界を2枚挿入した 系(100X2)でT=800KでNs=50000ステップの計算を 行った規則度Sr及び組成Cフ。ロフィル。

-31-1.0

0.8 .... 0.6

乞ご

0.2

0.0 0.27

0.26 ミ」

0.25

0.24 1.0 0.8

0.6

�r

0.4

0.2 0.0 1.0

0.8

C'J 0.6

0.4

0.2 0.0

30 40 50

r

世|o ηl 一一日・η2

且五_.. I

一令・η3

ー-)(

--η4

60 70

図2-3 4つの位相を記述したモデルを利用してAPBで、Ns= 50000ステップの計算 を行った各パラメータのプロフィル。(a)非保存型秩序パラメータグi、(b)Pt原子濃 度、(c)各副格子サイト(α、 p、 y、 δ)における少数原子占有確率、(d)原子占有硲 率から計算を行った各セルの規則度。

-32-3段目に、 そして規則度を4段目に示した。 この場合もT=800Kで十分平衡状態に

達すると考えられる50000ステップの計算を行った。 APBでは規則度がOになって おり、 各サイトの原子 占有確率はそれぞれ等価な0.25の値をとっている。 APBの左 側ではαサイトに優先的に少数原子であるPtが占有し、 phaselの構造をとる。 一方、

APBの右側では/3サイトに優先 的にPt原子が 占有する構造phase2をとっていること がわかる。 初期状態でAPBはphselとphase2の界面であったが、 T=800Kの温度で、

APBは不規則化し、 APBに不規則領域が形成される。 これによってAPBではphase1 と不規則相、 不規則相とphase2の2つの界面が形成される。 この2つの界面では規 則度は連続的に減少して不規則相となる。 これを原子配置から考えるとαサイトを 優先的に 占有していた少数原子は不規則化するにつれてαサイト以外の3つのサイ トに等価に配分されていく。 このように4つの位相を記述できるモデルでは各サイ トの原子状態まで計算することができ、 正確に界面の構 造を知ることができる。

図2-2、 図2-3の結果を比べると、 規則度は共に規則領域で0.845の値をとって いること、 5<0.2の不規則領域 は共に8セルに広がっていることなどからAPB近傍 での規則度と組成の変化は非常に良く一致していることがわかる。 これは相転移過 程におけるAPBの挙動を知るためには2つの位相 でも十分で、あることを示唆してい

る。

次に、 平衡状態にいたるまで、のAPBで、の各パラメータの変 化を図2-4に示す。 こ れらの図では各時間におけるAPB近傍での規則度と組成のみを示した。 APBで規則 度は急激に低下する。 10000ステップで 規則度はAPBで0に なる。 こ の後はほとん ど変化せず、 50000ステップで十分平衡 に達したと 考え られ る。 このとき組成は 100ステップでAPBで、はPt組成が増加し、 その周辺部で、はPt組成が減少した領域が 形成される。 50000ステップで、 APBには不規則相の平衡組成(c=0.261)を持つ領 域が形成され、 規則ドメイン内では 規則相の平衡組成(c=0.248)を持つ。 これは

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 31-39)

関連したドキュメント