① 一般資産額(農漁家資産)のうち、漁船被害額は下式にて算定する。
漁船被害額=漁船トン数×漁船建造費(1 トン数当たりの建造費)×被害率 ここで、
被害率:明田らの調査結果を参考にすることができる。
■具体的算定方法(漁船被害)
漁船被害額の算定に用いる被害率は、最新の知見による調査結果を踏まえて設定する。
ここで、明田ら(1994 年)により、港内津波遡上高と漁船被害率について調査が行われて いる。被害額算定にあたっては、港内津波遡上高による被害額の変化を設定する必要がある ことから、上記調査結果を踏まえ被害率を設定し、被害額を算定してもよい。
被災した漁船総トン数
・ヒアリング、現地調査により、係留されている場所での漁船トン数データを整理する
(下表)。
・各区域の津波高を、予測結果から抽出し、津波高に応じて被害率を判定し、各区域の漁船 トン数と被害率を乗じて、被害を受けた漁船トン数を算定する。
出典:明田ら「防波堤による津波被害の低減効果について」
(1994 年、開発土木研究所月報 No.494」に一部加筆
シミュレーションにより港内津波遡上⾼を 算定
港内津波遡上⾼より漁船被害率を設定
対象⽔域に停泊している漁船隻数及び漁船 単価に被害率を乗じて被害額を算定
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(例)
被害額の算定
・被害を受けた漁船トン数に、漁船建造費を乗じて、漁船被害費を算定する。
※ 漁船建造費(1 トン数当たりの建造費) 3,690 千円/トン 出典:漁船第 311 号
② 一般資産額(農漁家資産)のうち、蓄養殖施設被害額は下式にて算定する。
蓄養殖施設被害額=被害蓄養殖施設数×施設単価×被害率 ここで、
被害率:流速 1m/s 未満→被害無し、流速 1m/s 以上→被害率 1(流失による全損)
(参考文献:首藤(2000)「津波対策小史」)
蓄養殖施設が流出したことによる、被災後の生産被害についても考慮する。
■具体的算定方法(蓄養殖施設被害)
・ 漁港内又は漁港近傍に蓄養殖施設(下図)がある等、整備により流失の被害軽減効果が 考えられる場合には、それを便益に換算する。
・ 蓄養殖施設だけでなく、蓄養殖している魚介類の損失も被害として考慮する。
・ 流速 1m/s 以上で係留物の流失が発生するため、被害率は、以下のように設定する。こ こで、蓄養殖施設がロープ等で一体的に連結している場合等には、1 つの施設が被災す ると連動して被災することに留意する。
東側 船外機船 1 61 61 3t程度 3 65 195 5t程度 5 40 200 166 456 中央 船外機船 1 37 37 3t程度 3 49 147 5t程度 5 14 70 100 254 西側 船外機船 1 36 36 3t程度 3 28 84
5t程度 5 6 30
70 150
336 860 566
合計
5.02 0.73 109 小計
4.16 0.54 136 小計
小計
被害率 被害t数
4.89 0.70 321 港区 種類 平均規模
(t/隻) 隻 t数 津波高
(m)
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③ その他農漁家資産については、海岸事業の費用便益分析指針より下式にて算定する。
農漁家資産=農漁家 1 戸当たり償却・在庫資産単価×農漁家数×被害率 ここで、
農漁家 1 戸当たり償却・在庫資産単価:治水経済調査マニュアル(案)数値
被害率:中央防災会議(内閣府、2012 年)「南海トラフの巨大地震建物被害・人的被害の被 害想定項目及び手法の概要」での調査結果を参考にすることができる。