治療開始
12
ヶ月のTRAb
が5 IU/L
以上のものは10
例中9
例(90
%)が二年では治らない 逆に
5 IU/L
以下のものは19
例中17
例(89%
)が、中止の条件に入る
診療前
TRAb
値の有用性②バセドウ病患者の抗甲状腺薬治療中に 予後を予測できる
•
抗甲状腺薬を開始したバセドウ病患者を見たとき、このまま 薬を続けて寛解する可能性があるのかどうかの判断を迫ら れることがある。•
今回の検討で、抗甲状腺薬治療開始後6
ヶ月のTRAb
が10IU/L
以上、12
ヶ月後のTRAb
が5IU/L
以上のものは、寛解 しにくいことが分かった。•
治療早期のTRAb
を見る事によって、その患者が抗甲状腺 薬で寛解しそうかどうかが分かる。•
診療時にTRAb
が分かっていれば、患者の治療方針をその 場で決定することが出来るので有用である。0 3 6 12 18 24
メルカゾール
TRAb
FT4
診断をつける時
予後の推測
投薬中止の判断
再発かどうかの判断
治療開始後の月数
バセドウ病の抗甲状腺薬治療経過
TRAb
測定が治療方針を決定する4
つの場面におけるE
テスト「TOSOH」Ⅱ(TRAb)
の有用性抗甲状腺薬中止後の経過観察中
再発かどうかの判断をせまられる状況
投薬中止後の経過観察中に FT3, FT4 値の上昇を見たとき、
•
バセドウ病の再発と考えて、抗甲状腺薬が再開されること が多かったが、無痛性甲状腺炎の場合や、投薬をしなくて も自然に正常に戻る例があることが分かってきた。•
一過性のホルモン上昇例に、抗甲状腺薬を投与することは、機能が低下する可能性もあるし、副作用の危険もある。
さらに一旦薬を開始すると長期間薬を続けることにもなる。
•
再発なのか、一過性のホルモン上昇なのかの鑑別は、治 療の再開を考える上で極めて重要である。TRAb
でこの鑑別ができるか?バセドウ病で投薬中止後に
再発した症例
一過性に甲状腺ホルモンが上昇した例 無痛性甲状腺炎を起こした例
の TRAb 値の変動
まず症例を提示します
0 1 2 3
TRAbh(IU/mL)TSH(μIU/mL)FT4(Ng/dL)
バセドウ病、再発
A.A.
0 2 4 6
0 1 2 3
中止時 3ヵ月後 6ヵ月後 9ヵ月後
再発時に
TRAb
が 上昇しているバセドウ病の再発
バセドウ病、一過性増悪
O.M.
0 1 2 3
中止時 3ヵ月後 6ヵ月後 7ヵ月後 12ヵ月後 15ヵ月後 18ヵ月後 24ヵ月後
TRAbh(IU/mL)TSH(μIU/mL)FT4(Ng/dL)
0 1 2 3 0 1 2 3
TRAb
の上昇なしFT4
は高くTSH
は感度以下になっているが、0 1 2 3
0 10 20 30 40
中止時 3ヵ月後 6ヵ月後 9ヵ月後 12ヵ月後
0
1 2 3
バセドウ病、抗甲状腺薬中止後 無痛性甲状腺炎
K.K.
TRAbh(IU/mL)TSH(μIU/mL)FT4(Ng/dL)
TRAbの上昇はない
FT4
は一過性に上昇しているTSH
は最初低値になって その後上昇しているその後
TRAb
が一過性に上昇している バセドウ病でみられる無痛性甲状腺炎 では、TRAb
が上昇することが多いが、後になって上がってくる
0 1 2 3 4 5
H18.9 H19.2 H19.5 H19.7 H19.8 H19.9 H19.11 H20.2 H20.5
TRAbh(IU/mL)TSH(μIU/mL)FT4(Ng/dL)
0 2 4 6 8 10
0 1 2 3
ATD
中止FT4
上昇時には、TRAb
の上昇はないがFT4
は一過性に上昇しているTSH
は最初低値になって その後上昇しているバセドウ病、抗甲状腺薬中止後 無痛性甲状腺炎
Y.M.
抗甲状腺薬中止後の経過観察中、
FT4
上昇、TSH
低値になった時TRAb で再発か、一過性かの鑑別ができるか
[
対象]
•
平成22
年6
月1
日から8
月21
日までに受診したバセドウ病患 者1021
名の中で•
経過観察中, FT4
が上昇し、TSH
が低下してきた11
名 バセドウ病の再発7
名一過性甲状腺中毒症
4
名バセドウ病再発は,
FT4
上昇およびTSH
低値が3
ヶ月以上続いたものFT4
上昇が3
ヶ月未満のものを一過性甲状腺中毒症とした.甲状腺中毒症状が強いものは,
3
ヶ月を待たずにATD
を再開したが,その後の経過で再発か一過性かの判断を行った.
一過性中毒症例 再発例
再発例 一過性甲状腺中毒症例
> 5
0 1 2 3 4 5
TRAb (IU/L)
中央値
ATD
中止時TRAb
陰性例の中毒症発症時の TRAb 値
一過性のものは すべて
2
以下で再発例は、
2
以上が多い診療前に
TRAb
値が分かることの有用性③抗甲状腺薬中止後の経過観察中、
再発かどうかの判断ができる
•
治療中止後の経過観察中に甲状腺ホルモンの上昇を見たと き、バセドウ病の再発か一過性の甲状腺ホルモンの上昇か の鑑別が重要になる。•
前者であれば、抗甲状腺薬を再開しなければいけないが、後 者であれば経過観察で良い。•
再発か一過性の甲状腺ホルモンの上昇かの判断はTRAb
値 によって可能なことが多いので、診療時にTRAb
値が分かる ことは、患者を診療する上で非常に有用性が高い。•
再発例は、TRAb 2.0IU/L
以上が多いので、E
テスト「TOSOH」Ⅱ
(TRAb)
の実行感度1.8IU/l
であれば十分判断できる0 3 6 12 18 24
メルカゾール
TRAb
FT4
診断をつける時
予後の推測
投薬中止の判断
再発かどうかの判断
治療開始後の月数
バセドウ病の抗甲状腺薬治療経過
TRAb
測定が治療方針を決定する4
つの場面におけるE
テスト「TOSOH」Ⅱ(TRAb)
の有用性抗甲状腺薬で治療中
薬を中止して良いかどうかの判断
バセドウ病の寛解の指標に
TRAb
が使えるかこの研究には、抗甲状腺薬を中止後
1
年以上の経過観察が必 要であるために、E
テスト「TOSOH」Ⅱ(TRAb)
によるデータは まだ出ていません。これまで、
TRAb human
を使って検討したデータを示します。一般的にバセドウ病の薬物治療の中止の判断はどのように行 われているかから話をします
バセドウ病薬物治療ガイドライン「中止の目安」
ステーメント
1.
バセドウ病が寛解しているかどうかを正確に判断する 方法はまだ見つかっていない。現時点で実際的な方法 は、最少量の抗甲状腺薬で一定期間、甲状腺機能が正 常であることを確かめた後に、投薬中止を検討すること である。2. 薬物治療中止の目安として簡便さと有用性で、TSH受容 体抗体が参考にされている。
TRAb
はどの程度有用なのかバセドウ病薬物治療「ガイドライン」
中止の目安の条件で 薬を中止した場合
まず治療成績です
ガイドラインの条件で薬を中止したときの
治療成績
対象
• 2002
年2
月から2007
年9
月に,ガイドラインに順じATD
を 中止したバセドウ病患者114
名方法
ATD中止後、
3
年間の予後を観察した•
バセドウ病を再発したものを再発例とし•
甲状腺機能正常を維持しているもの,および甲状腺中毒症を呈しても一過性のもの は寛解例としたガイドラインの条件で薬を中止したときの
治療成績
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
0 0.5 1 2 3
寛解 維持率
(%)
(年)
寛解維持率
(%) 87.7 75.5 69.2 56.1
観察された症例数114 110 104 84
一年後に
25
% 再発ガイドラインの条件で中止しても、
1年後に25%は再発するが
70
%の症例は2
年後でも寛解している薬剤中止後の年数
投薬中止時の TRAb 値で 寛解率に差が出るのか
抗甲状腺薬中止時に
TRAb
陽性者のものとTRAb
陰性のものの寛解率を比較すると
治療中止時の TRAb 値と治療成績
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
0 0.5 1 2 3
寛解維持率
(%)
(年)
TRAb
陰性TRAb
陽性中止後の期間
TRAb陽性のもので再発が多い
治療中止時の TRAb 値と治療成績
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
0 0.5 1 2 3
寛解維持率
(%)
(年)
92 % 75 %
P<0.05
TRAb
陰性TRAb
陽性中止後の期間
問題は、
TRAb
の高さである, TRAb
陽性とした群の平均値は半年後で有意差が でている。
TRAb陽性のもので再発が多い
1.98
±0.99 IU/l
すなわち陽性としたものの 半分以上が
2.0
以下の値であるTRAb の高さに分けて検討してみると
治療中止時の
TRAb
値と治療成績の関係0 0.5 1 2 3
寛解維持率
(%)
(年)
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
TRAb
弱陽性(1.0 - 2.0) TRAb
陰性TRAb
陽性(≧
2.0
)中止後の期間
91.8%
76.2%
73.3%
TRAb
が、1.0-2.0
でも抗甲状腺薬中止後半年で再発しやすい投薬中止時の TRAb 値と予後の関係
•
最少量の抗甲状腺薬で一定期間甲状腺機能が正常である ことを確かめた後に、投薬中止を検討したとき、TRAb
が陽 性のものは、有意に再発率が高い• TRAb
陽性者のTRAb
値は、1.98
±0.99
:mean
±SD IU/l
•
すなわち、中止の判断には、かなり低濃度(1.0-2.0
)のTRAb
が正確に測定できなければいけない。•
そのためには、感度を上げるのと同時に非特異的な反応を 少なくすることが重要である。E テスト「TOSOH」Ⅱの性能をみると
•
最小検出感度0.6 IU/L
•
実効感度1.8 IU/L
•
健常人分布(平均値+2SD
)0.96 IU/ L
•
2ステップ法であるE
テスト「TOSOH」Ⅱ(TRAb)
では、検体成分の影 響を受けないこともあり、健常人は全例1.0IU/L
未満の値に出ている。•
したがって、TRAb 1.0-2.0 IU/L
の値も検討可能と思われるが、まだ実 際寛解の指標に有用かどうかの検討はできていない。•
出来れば、同じ測定系でもう少し感度を上げられれば、有用性が増す と思われるので、この点について検討した投薬中止時の
TRAb
値と予後の関係を検討したTRAb human
の実効感度は、1.35 IU/L
であるが、現行の測定システムで、
感度を上げる工夫
受容体は変更できない
トレーサーの感度は十分高い
これまでに受容体を安定させる工夫は十分してきた 固層の方法、バッファーなど
できることは⇒
低濃度域の測定精度を上げるアプローチ
診療前TRAb測定原理(TOSOH TRAb)
洗浄
検体 (血清) 100 μL 分注水 25 μL+
基質 200 μL ALP標識 ヒト抗TSHレセプター
モノクローナル抗体(M22) 100 μL
: 抗TSHレセプター抗体 : TSHレセプター
: TRAb : ALPase標識 ヒト抗TSHレセプター
モノクローナル抗体(M22) E
: 4MUP
: 4MU
: 固相
E E
E
洗浄
第一反応 第二反応 検出
10分 5分
E
干渉 物質
10
分10
分→20
分TSH
レセプターの安定性を確保するための反応液組成の最適化患者血中の
TRAb
との反応時間を長くした