薬局ヒヤリ ・ ハット分析表 2015年
ヒヤリ・ハット事例のうち、「一般名処方」に関する事例が282件報告されています(集計期間:
2015年1月1日~12月31日)。このうち、一般名で処方された医薬品と異なる成分の医薬品を 調剤した事例で複数回報告された医薬品の組み合わせを「主な薬効」とともに以下に示します。
医薬品名 医薬品名
主な薬効が異なる組み合わせ
血圧降下剤 鎮暈剤
【般】ベタキソロール塩酸塩錠5mg 【般】ベタヒスチンメシル酸塩錠6mg ベタキソロール塩酸塩錠5mg「サワイ」 ベタヒスチンメシル酸塩錠6mg「テバ」
主な薬効が同じ組み合わせ
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
【般】セフジトレンピボキシル錠100mg 【般】セフカペンピボキシル塩酸塩錠100mg メイアクトMS錠100mg フロモックス錠100mg
セフジトレンピボキシル錠100mg「サワイ」 セフカペンピボキシル塩酸塩錠100mg「サワイ」
消化性潰瘍用剤
【般】ランソプラゾール口腔内崩壊錠15mg 【般】ラベプラゾールNa錠10mg ランソプラゾールOD錠15mg「DK」 ラベプラゾールNa塩錠10mg「明治」
鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤
【般】ベタメタゾン・ゲンタマイシン配合軟膏 【般】ベタメタゾン吉草酸エステル軟膏0.12%
リンデロン-VG軟膏0.12% リンデロン-V軟膏0.12%
デルモゾールG軟膏 デルモゾール軟膏0.12%
※1 「主な薬効」とは、その医薬品の個別医薬品コード先頭3桁の医薬品分類を示す。
※2 薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成27年年報 131頁 図表2-9を改変
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一般名処方に関する事例
Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析… 薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成27年年報
参考資料
1)厚生労働省保険局.“処方せんに記載する一般名処方の標準的な記載(一般名処方マスタ)につ いて”.厚生労働省.http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/
shohosen_160401.html(参照2016-6-21).
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一般名処方に関する事例
薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成27年年報… Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析
【3】… 後発医薬品への変更に関する事例
はじめに
我が国の医療制度や医療提供体制が直面する課題のひとつに、限られた医療費を効率的かつ効果的に 配分することがある。患者負担の軽減や医療保険財政の健全化の観点から、処方、交付される医薬品の 中で、薬価が安価な後発医薬品の占める割合を増やすことが国の政策として取り組まれてきた。具体的 には、「経済財政改革の基本方針2007」(2007年6月19日 閣議決定)1)において、2012 年度までに後発医薬品の数量シェアを30%(現状から倍増)以上にすることとされた。そこで、厚生 労働省では、2007年10月に策定した「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」2)に 基づいて、後発医薬品の普及を図ってきた。しかし、2013年3月末の後発医薬品の数量シェアは、
薬価調査の実績ベース(低位推計)、調剤メディアス(「最近の調剤医療費(電算処理分)の動向」)の 実績ベース(高位推計)、及び両者の按分(中位推計)により試算された結果では、低位推計で24.8
%、高位推計でも26.3%にとどまり、いずれも目標には到達していないことが示された。このため、
厚生労働省では、2013年4月に「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」3)を策 定し、後発医薬品の数量シェアを2018年3月末までに60%以上とすることを目標に掲げ、取り組 みを進めてきた。さらに、2015年6月の閣議決定において、2017年央に70%以上とするとと もに、2018年度から2020年度末までの間のなるべく早い時期に80%以上とする、新たな数量 シェア目標が定められた。2015年9月の後発医薬品の数量シェアは56.2%であり、引き続き、
後発医薬品の使用促進のための取り組みが続くものと予想される。
後発医薬品の使用が促進される中で、本事業には一般名処方に関する事例や、患者の希望等により先 発医薬品を後発医薬品に変更して調剤する際に発生したヒヤリ・ハット事例が報告されている。そこで、
平成24年年報~平成25年年報では「一般名処方に関するヒヤリ・ハット」をテーマに取り上げ、分 析を行った。平成26年年報では、分析テーマを「後発変更等に関するヒヤリ・ハット」として、一般 名処方に関するヒヤリ・ハット事例や後発医薬品への変更に関するヒヤリ・ハット事例について分析を 行った。本年報では、分析テーマを「一般名処方に関する事例」と「後発医薬品への変更に関する事例」
に分けて取り上げることとし、本稿では先発医薬品から後発医薬品への変更に関する事例について分析 を行った。一般名処方に関する事例については、【2】一般名処方に関する事例(124頁)で取り上 げて分析を行っているので、参照していただきたい。
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後発医薬品への変更に関する事例
Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析… 薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成27年年報
1.後発医薬品への変更に関する事例の考え方
本分析では、先発医薬品が処方されたが、患者の希望などにより後発医薬品に変更して調剤する際 に発生したヒヤリ・ハット事例を抽出するため、報告された事例の中から一般名で記載された処方せ んによって調剤を行った事例を除外し、「先発」「後発」「ジェネリック」「GE」の語を含む事例を抽 出した。これらの事例のうち、調剤時に先発医薬品を後発医薬品に変更する際に誤りがあったことが 記載されている事例を、後発医薬品への変更に関する事例とした。
2.報告件数
2015年1月1日~12月31日に報告された後発医薬品への変更に関する事例は141件の報 告があった。ヒヤリ・ハット事例全体(4,779件)に占める割合は3.0%であった。
参考として、2014年に報告された後発医薬品への変更に関する事例は142件でヒヤリ・ハッ ト事例全体に占める割合は2.6%であった。
図表3-1 後発医薬品への変更に関する事例の報告件数 報告件数 ヒヤリ・ハット事例 4,779(100.0%)
後発医薬品への変更に関する事例 141 (3.0%)
3.後発医薬品への変更に関する事例の分析
1)事例の概要(1)発生場面と実施の有無
後発医薬品への変更に関する事例について、「発生場面」、医薬品の交付の有無を示す「実施の有 無」について集計を行った。
図表3-2 事例の発生場面と実施の有無… (単位:件)
発生場面 後発医薬品への変更に関する事例 (参考)調剤に関する事例 実施あり 実施なし 合計 実施あり 実施なし 合計 内服薬調剤 65 50 115 1,386 1,153 2,539
外用薬調剤 8 9 17 237 185 422
注射薬調剤 0 0 0 17 19 36
その他の調剤に関する場面 2 7 9 73 490 563
内服薬管理 0 0 0 22 17 39
外用薬管理 0 0 0 2 0 2
注射薬管理 0 0 0 0 1 1
その他の管理に関する場面 0 0 0 0 2 2
交付 0 0 0 106 17 123
合 計 75 66 141 1,843 1,884 3,727
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後発医薬品への変更に関する事例
薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成27年年報… Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析
発生場面では「内服薬調剤」が115件/141件(81.6%)と最も多かった。この割合は、
調剤に関するヒヤリ・ハット事例全体における内服薬調剤の割合2,539件/3,727件
(68.1%)と比較して多かった。
実施の有無を見ると、患者に医薬品を交付したことを示す「実施あり」が選択されていた事例は 75件/141件(53.2%)であった。調剤に関するヒヤリ・ハット事例全体における「実施 あり」の割合1,843件/3,727件(49.4%)と比較してやや多かった。
(2)事例の内容と実施の有無
後発医薬品への変更に関する事例の「事例の内容」別の内訳を「実施の有無」とともに示す。
図表3-3 事例の内容と実施の有無… (単位:件)
事例の内容 後発医薬品への変更に関する事例 (参考)調剤に関する事例 実施あり 実施なし 合計 実施あり 実施なし 合計
調剤忘れ 0 0 0 73 97 170
処方せん監査間違い 3 1 4 159 28 187
秤量間違い 0 0 0 11 18 29
数量間違い 4 1 5 491 563 1,054
分包間違い 0 0 0 63 38 101
規格・剤形間違い 6 6 12 293 294 587
薬剤取違え 50 54 104 344 432 776
説明文書の取違え 0 0 0 2 1 3
分包紙の情報間違い 0 1 1 26 11 37
薬袋の記載間違い 6 1 7 151 72 223
その他(調剤) 6 2 8 100 293 393
充填間違い 0 0 0 14 16 30
異物混入 0 0 0 6 1 7
期限切れ 0 0 0 4 0 4
その他(管理) 0 0 0 0 3 3
患者間違い 0 0 0 31 3 34
説明間違い 0 0 0 6 2 8
交付忘れ 0 0 0 45 9 54
その他(交付) 0 0 0 24 3 27
合 計 75 66 141 1,843 1,884 3,727
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後発医薬品への変更に関する事例
Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析… 薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成27年年報
「事例の内容」では「薬剤取違え」が104件/141件(73.8%)と多かった。調剤に関す るヒヤリ・ハット事例全体では「数量間違い」が1,054件/3,727件(28.3%)、「薬剤 取違え」が776件/3,727件(20.8%)であったのに比べ、後発医薬品への変更に関する 事例では「薬剤取違え」の事例の割合が大きかった。
次に、特に「薬剤取違え」について、医薬品の交付の有無を示す「実施の有無」をみると、「実 施あり」が選択されていた事例は50件/104件(48.1%)であった。調剤に関するヒヤリ・
ハット事例全体の「薬剤取違え」では「実施あり」の事例は344件/776件(44.3%)で あり、後発医薬品への変更に関する事例では「実施あり」の割合がやや大きかった。
2)後発医薬品への変更に関する「薬剤取違え」の事例の分析
後発医薬品への変更に関する事例のうち、「事例の内容」で特に報告件数の多かった「薬剤取違え」
について分析を行った。
(1)事例の内容
後発医薬品への変更に関する事例のうち、「薬剤取違え」の事例104件について、報告された 事例に記載されている内容から分類し、図表3-4に示す。後発医薬品に変更して調剤するところ、
異なる成分の医薬品と取違えた事例が14件/104件(13.5%)、同じ成分の医薬品と取違え た事例が90件/104件(86.5%)であった。異なる成分の医薬品と取違えた事例は、患者 への影響が大きくなる可能性があり、注意を要する。
図表3-4 後発医薬品への変更に関する「薬剤取違え」の内容 後発医薬品への変更に関する「薬剤取違え」の内容 件数 異なる成分の医薬品と取違えた事例 14 (13.5%)
同じ成分の医薬品と取違えた事例 90 (86.5%)
合 計 104(100.0%)
(2)異なる成分の医薬品と取違えた事例
後発医薬品への変更の「薬剤取違え」に関する事例のうち、後発医薬品に変更して調剤すべきと ころ異なる成分の医薬品と取違えた事例14件について、事例に記述されていた内容から主な薬効 の相違を分類した。
図表3-5 異なる成分の医薬品と取違えた事例の内容 後発医薬品に変更して調剤するところ異なる成分の
医薬品と取違えた事例の内容 件数
主な薬効が異なる組み合わせ 1 (7.1%)
主な薬効が同じ組み合わせ 13 (92.9%)
合 計 14(100.0%)
主な薬効が異なる組み合わせは1件/14件(7.1%)、主な薬効が同じ組み合わせは13件/
14件(92.9%)、であった。
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後発医薬品への変更に関する事例
薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成27年年報… Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析