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ドキュメント内 一軸性次隣接イジングモデルー (ページ 35-47)

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図1-25 式(1-26)のモデルの磁気相図17)

磁気相図からわかるように、 複雑な変調構造が出現するとともに強磁性相の変調梅造 相側への張り出しがあり、 その領域においてリエントラント転移が起こる. このリエ

ントラント転移の出現機構に関しては、 Jensen et.al.は特にコメン卜していない.

4--3-2 Kasuya el.a1.8)のモデル

Kasuya et.剖.は以下のような拡張ANNNIモデルによりCeSbの磁気相図の再解析を 行っている. 強い異方性を持つこの系を2準位Isingモデルにより記述し、 非線形相 互作用を考慮している. 分子場近似の適用によりその自由エネルギーは

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( 1-27) で与えられる. ここでmiは第i層の磁化、 Ko, K[及びK2は非線形相互作用であり、

本研究で扱う高次のスピン間相互作用に対応するものである. このモデルに基づき図 1-26に示されているCeSbの磁気相図の解析より

10二4, 11 = -0.9, 12 = -0.95, Ko = 4, KI = -0.25, K2二一1.32,

の値の場合、 図1-27に示されている磁気相図が得られている. CcSbの複雑な磁気相

K凶uya cl.alは主張している.

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図1-27 Kasuya cl.al.のモデルから得られた磁気相図H)

5. 本論文の研究の目的と概要

変調借造はスピン系に限らず物性物理のさまざまな系において現れ、 その基本モデ ルとしてANNNIモデルによる理解がなされてきている. 希土類イオンにおいては高 次のスピン間相互作用が双1次交換相互作用と同程度の大きさになる. さらにスピン 系以外の系においては、 その相転移・秩序状態を記述する上で高次のスピン間相互作 用が主要な相互作用となる系も考えられる. したがって高次のスピン間相互作用を持 つANNNIモデルは、 より広く物性物理の領域で現れる変調構造をANNNlモデルを 基礎にして理解する上で重要になると考えられる.

これまで研究されてきているモデルは、 通常のANNNIモデルに高次のスピン間相 互作用が加わったモデルであり、 通常のANNNIモデルにおいて出現する変調備造へ の高次のスピン間相互作用の影響という観点、から調べられている川町. しかしながら、

次隣接層間の双1次交換相互作用を高次のスピン間相互作用に置き換えたモデルに関 する研究はなされておらず、 変調構造の出現の有無についても明らかではない. さら に高次のスピン間相互作用は双1次交換相互作用と異なるスピン構造を安定化させる ことも可能であり、 このより単純化されたモデルを用いることにより通常のANNNI モデルとは異なったスピン構造閣の競合の問題についても調べることができる.

一方、 1次元反強磁性HeisenbcrgモデルにおけるHaldanegapの存在及び三角格子 上の反強磁性Isingモデルの有限温度における相転移の出現と関連して、 スピン量子 数がどのように秩序状態・相転移に関わっているのかという興味深い問題がある.

本研究においては、 次隣接層間相互作用に双1次交換相互作用S(S(はまたは高次の スピン間相互作用である双2次交換相互作用Sバ2 2 あるいは3ーサイト4-スピン 相互作用S; S2; +1 S; +2を持つ3次元S三1 ANNNIモデル

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内の最隣接間相互作用、J,及びJ:_はそれぞれ競合方向の最隣接層間及び次隣接層間相 互作用、 hは外部磁場を表している. これらの系の熱力学諸量・磁気相図及び変調情 造等を詳細に調べることにより、 これらの系における高次のスピン間相互作用及びス

ピン量子数の果たす役割とその重要性を系統的に明らかにする. また、 ANNNIモデ ルの自由エネルギーに高次のスピン間相互作用に対応する非線形項を加えた解析によ

り、 CcSb等の磁気相図をより良く再現できることが報告されており、 本研究で得ら れた知見は実験結果の定量的な解析に広く適用できると考えられる.

以下、 第2章「基底状態」では基本スピン配列という概念を導入し、 任意のスピン 配列が基本スピン配列の組合せによって表されることを示し、 1次元Isingスピン系 の基底状態の厳密な決定;去を提案する. そして次隣接閉までの相互作用を持つ、二

112, 1及び3/2 Ising系に対する基本スピン配列を求める. さらに1次元鎖聞の相互作

用がある条件を満たす場合、 この方法が2次元及び3次元系へも適用可能であること を示し、5=1及び3/2 の系の有限磁場下の厳密な基底状態の磁気相図を決定する. そ

して外部磁場が無い場合、[2-2]モデル及び[3-4]モデルはスピン量子数に関係なく強 磁性相もしくは逆位相構造相の基底状態を持つが、[2-4]モデルは、 スピン量子数に 依存して異なる基底状態を持つことを示す. さらに基底状態における縮退度の計算及 び、この方法の拡張についても議論する.

第3章「分子場近似」では分子場近似を用いた各モデルの熱力学諸量及び転移温度 の計算について述べる. 競合方向の各層の(多重極)磁気モーメントに関する多元の 超越方程式を数値的に解き、 自由エネルギーを極小にする解を求めることによって各 モデルの磁気相図を決定し、 さらに有限温度で出現し得る全ての相が縮退しているマ ルチフェイズ点近傍の詳細な計算を行う. その結果、[3-41モデルではマルチフェイ ズ点近傍で温度変化にともなって変調相→強磁性相→変調相のリエントラント転移が 起こることを示す. また、 このリエントラント転移の領域はスピン量子数の増大とと もに広がり、 特に5>1では「悪魔の花」と呼ばれている磁気相図が部分的に崩壊す

ることが示される. [2-41モデルで出現する変調構造は常に強磁性的でありその出現 領域は非常に狭いことが明らかになる. 12-4]モデル及び[3-41モデルで現れる高温で の強磁性相は、 いずれもエントロビー効果によって安定化しており、 このような振舞

は高次のスピン間相互作用を持つ系の特徴と考えられる.

第4章「モンテカル口法」では平衡状態からのゆらぎを取り込んだ計算法であるモ ンテカル口;去を使って前章の結果を検証するとともに、 分子場近似では議論できない 臨界点近傍の系の振舞を調べる. 磁気比熱・磁化及びスピン構造のフーリエ変換によ る解析から[3--41モデルのリエントラント転移は5>1でのみ出現し、 その安定領域が 分子場近似の結果に比べて非常に狭いこと、[2--41モデルの強磁性的変調犠造に関し ては相境界を明確に決定できず、 強磁性的変調構造は非常に狭いことが示される. し かしながら、 全体の磁気相図の定性的傾向は分子場近似の結果を強く支持しており、

高温での強磁性相の安定性にスピン量子数が大きな役割を果たすことが明らかとなる.

最後に、 第5章「概要及び結論」では第2章から第4章までの概要及び結論を述べ る.

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要旨

基底状態におけるスピン配列の決定は相転移の研究において基本的かつ重要であり、

本研究におけるANNNIモデルに代表される競合系の研究においては特に重要である.

第2章では基底状態における磁気相図を厳密に決定することにより、 得られた磁気相 図を通して、 高次のスピン間相互作用及びスピン量子数の果たす役割とその重要性を 明らかにする.

1次元S= 112 ANNNIモデルの基底状態に対するMorita and Horiguchiの方法の一般 化として、 「基本スピン配列」という概念を導入することにより任意のスピン配列が

「基本スピン配列」の組合せによって表されることを示し、 1次元Isingスピン系の

基底状態の厳密な決定;去を提案する. 従来の転送行列法が厳密な基底状態のエネルギー 計算から間接的に基底状態のスピン配列を決定したのに比べて、 この基本スピン配列 の方法では直接的に基底状態のスピン配列を決定できるため、 競合系においてしばし ば出現する基底状態の縮退に関する問題も容易に取り扱える.

図2-1 ANNNIモデル及び逆位相構造(↑↑↓↓)相のスピン構造. 強磁性的に秩序 化しているχγ一面が競合方向(z-軸)に↑↑↓↓の配列で積層している.

ドキュメント内 一軸性次隣接イジングモデルー (ページ 35-47)

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