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ドキュメント内 一軸性次隣接イジングモデルー (ページ 48-65)

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図2-3 基本分割則による、 スピン配列の分割例.

例として、 S=1長さ30のスピン配列(図2-3)の基本分割員IJに基づいた分割を試 みる. 図2-3では各サイトのスピン状態S二+1,0及び -1をそれぞれ“↑", "'0" 及び

“↓"を用いて表している. スピン対“↑0"に着目すると、 このスピン配列は分割操 作1,2及び3により3つのスピン配列に分割される. 分割されたスピン配列のそれぞ れに周期境界条件が課されるならば、 元のスピン配列のエネルギーは分割されたスピ ン配列のエネルギーの和に等しくなる. 分割操作l及び3によって得られたスピン配 列の どちらに も同じスピン対が存在しないので、 これ以上の分割はできない. 同様に して、 スピン対“↑↓"に着目すると、 分割操作2によって得られたスピン配列は分 割操作4,5及び6により3つのスピン配列に分割される. 分割操作4及び6によって 得られたスピン配列には“↓"という状態が3つ以上連続する配列を含んでいる. こ のような場合はスピン対“↓↓"が重複していると考え、 分割操作7,8,9,12及び13

により分害IJされる. 最後に、 分割操作5によって得られたスピン配列は、 スピン対 8"に着目することにより分割操作10及び11によって分割される. 図2-3の影を

付けたスピン配列は同じスピン対を含んでいないため、 基本分割則に基づいてこれ以 上分割できない. 影付きスピン配列のそれぞれに周期境界条件が課されるならば、 元 のスピン配列(じloscdじhain)のエネルギーは影付きスピン配列( cloぉcd chはin)のエ ネルギーの和に等しくなる. これらの影付きじloscdじhainと同じ性質を持つスピン配 列を「基本スピン配列」と呼ぶことにすると、 (2-3)式で記述されている系に対して、

Mori ta and Horiguchiのレンマは次のように拡張される、

任意のスピン配列に対する全エネルギーは、 有限個の「基本スピン配列」に対応 するエネルギー要素ε(8)の線形結合

E= 玄 K(8)n(8) ε(8)

N = L K(8) n(8)

(2-4) (2-5) によって表現される. ここでNは全スピン数である. エネルギー要素は1スピ ンあたりのエネルギーとして定義され、 それぞれの基本スピン配列は0によって ラベル付けされている. K(8)は基本スピン配列。の長さ、 言い換えると基本スピ ン配列に含まれているスピンの個数を表している. n (8)は任意のスピン配列の中 に含まれている基本スピン配列。の個数を表している.

1-2基本スピン配列

上の議論から基本分割則によって分割できないスピン配列すなわち、 「基本スピン 配列」の存在が示された. ここで述べた「基本スピン配列」は次のように定義される.

1)基本分割則によって分割できないスピン配列、 即ち同じスピン対を含んでいな いスピン配列、

2)左右の入れ換えによって互いに移るスピン配列は同一の配列と見なす、 例えば スピン配列“↑80↓"及び“↓00↑"は同一の配列と見なす.

基本スピン配列をこのように定義すると、 任意のスピン配列は基本分割則に基づき一 義的に基本スピン配列に分割される、 逆に任意のスピン配列は基本スピン配列を用い て一義的に矯成される. したがって、 任意のスピン配列のエネルギーはこのスピン配 列を構成する基本スピン配列に対応するエネルギーの和に等しくなる、 即ちエネルギー 要素の線形結合(2-4)式で表現できる.

次に基本スピン配列の個数及びその構成法について議論する. それぞれのスピンは

とができないため、 基本スピン配列に含まれるスピンの数は最大で(2S+I)�個である.

全ての基本スピン配列を情成するために、 グラフ理論で用いられる完全有向グラフ を利用する5) 基本スピン配列に対応する有向グラフは25+1個の頂点を有向辺で繋 ぐことによって構成される. それぞれの頂点は25+1個のスピン状態の1つを表して おり、 完全有向グラフは頂点、自身を繋ぐループを有する. この完全有向グラフのそれ ぞれの有向辺は順番を考慮した最隣接スピン対を表す. 基本スピン配列は完全有向グ ラフの有向辺を重複せずに回るループに対応する. 5=1/2の系に対応する完全有向グ ラフが図2-4に示されている. この場合、 6つのループはじb→u.a→b→U.b→じ

→d及びa→b→c→dがそれぞれ6つの基本スピン配列↑、↓,↑↓,↑↑↓,↑↓↓

及び↑↑↓↓ を表している. この結果はMoritaand Horiguchiの結果と一致する4) S二l及び5ニ312の系に対応する完全有向グラフが図2-5に示されている. S= 1の

系に対する基本スピン配列は9 2個存在するが、 その全てが図2-6に示されている.

図2-6においてそれぞれの長さの基本スピン配列は3つのグループに分けられる. グ ループιa'は左右の入れ換えによって不変な基本スピン配列のグループである. グルー プ‘b'及びιc'はこの左右の入れ換えによって得られた基本スピン配列がマクロに縮 退したスピン配列を作り得るかどうかによってグループ分けされる(次節参照) .

= 3/2の系に対する基本スピン配列は60487個存在し、 S二lと同様にそれぞれの長さ の基本スピン配列は3つのグループに分けられる.

b

a C

d

図2-4 S =112 ピン配列に対応す る完全有向 グ ラフ. 6つのループは,

じ,b→u,a→b→U,b→じ→d及びは→b→ じ →d がそれぞれ6つの基本スピ

(a)

\、,F/hu /SEK、

図2-5 基本スピン配列に対応する完全有向グラフ(は) s二l及び(b) S二3/'2モデル.

K(8)

↑↑O↓O

=

5

↑↑↓O↓

↑O↑↓↓la

↑00↑↓

↑O↓↓O

↑↓00↓

↑O↑↓↓

↑↑00↓

↑↑O↓↓IC

↑00↓O

↑00↓↓

↑↓O↓↓

K

(

8

)

= 3

↑↑O

↑↑↓

↑00

I

a

↑↓↓

00↓

O↓↓

↑O↓ b

C

40↓↓O↓

↓パパリ

=O↓↑↓O↓00↓ 的↑

↑0

0↓O↑OOM↑↑↑↑↑O↑↑↑

K(A)

↑↑O↓↓o

↑↑↓00↓

↑O↑↓O↓la

↑00↑↓↓

↑O↓↑↓O

↑O↓O↑↓

↑↑O↑↓↓

↑↑00↑↓

↑↑00↓O

↑↑00↓↓IC

↑↑↓O↓↓

↑00↓↓O

↑↓00↓↓

C

↓↓↓O↓O↓↓↓↓↓↓↓O↓O↓ ↓↑ 0↓↓↑O↓↑000000

↓↑↑

O ↓↓↑↓↓↑OO↓↑↑O↓↑O↓↓ 000↓↓↓↓00↓↑↓↓↓↓ 00000000↓↓↑00000 ↑↑00000O↑↑↑↑↑↑↑↑↑

a

K(8)

= 7

↑↑O↓↑↓O

↑↑↓O↑O↓

↑O↑↓00↓la

↑00↑↓O↓

↑O↓O↑↓↓

↑O↓↓O↑↓

↑↑O↑↓O↓

↑↑00↑↓↓

↑↑00↓↓O

↑↑O↓O↑↓

↑↑↓00↓↓I C

↑O↑↓O↓↓

↑00↓↑↓O

↑00↓O↑↓

↑O↓↑↓↓O

C

↓↓↓↓O↓O↓↓↓↓↓ ↓O↓O↓↓↓↑↓↑↓↓ 000↓↓↑↑O↑000 0↓↓↓↑O↓↓000↑ ↓↓↑↑↓↓↓↓O↓↑0 9↑↑000000↓↓00 =0000000000↓↓ QV小lAl小l小|小l小|小|小14lA|小l421K4|小1414|小|↑』小l小|↑l↑l小|小|

1-3基底状態の決定

1-1節で示したように、 任意のスピン配列は、 全エネルギーを変えずに、 基本スピ ン配列に分割できる. したがって、 任意のスピン配列を基本スピン配列より情成でき、

その全エネルギーが使われている基本スピン配列のエネルギーの和であるようにでき る. 基底状態は1スピンあたりのエネルギーが最小である状態であるので、 全ての基 本スピン配列の中で1スピンあたりのエネルギーが最小である基本スピン配列から基 底状態を構成できる. このとき、 基底状態のエネルギー, Eは

E =

L K(8;)η(0; )ε(8;)

(2-D)

N=玄K(8;) n(町)

(2-7)

によって与えられる. ここで8$は全ての基本スピン配列の中で1スピンあたりのエ ネルギーが最小である基本スピン配列を表す.

最初に、 基本スピン配列8$が一義的に決まる場合、 即ち1スピンあたりのエネル ギーが最小である基本スピン配列が唯一つだけ存在する場合について考える. 基本ス

ピン配列0・がグループ‘a'に属する場合、 基本分割則より(2-6)式は、 n (ff)個の基本 スピン配列8-をじhainに沿って順番を変えることなく繋ぐことによって成立させるこ とができ得る. S =1の場合を例に取ると、 基本スピン配列" ↑↑00" が1スピンあ たり最小のエネルギーを持つ基本スピン配列とすると、 基底状態は

↑↑()O↑↑00↑↑00...

で与えられる.

一方、 基本スピン配列8*がグループ‘b'に属する場合、 基本スピン配ヲIJ 8'とその 左右の入れ換えによって得られるザ のどちらを用いるかで、 2つの可能性がある.

例えば、 基本スピン配列。‘が“↑O↓"であるときザは“↓O↑"であり、 このとき 2つの可能な配列

↑C↓↑O↓↑O↓↑O↓…

↓C↑↓O↑↓C↑↓O↑…

が存在する. 第2の配列はchainの方向を逆転したものに対応し、 新しい基底状態で はない. またこのザ及び0・ の両者の組合せによって構成される任意の配列は基本分 割員Ijによって8'及び8. に再分害IJされ得ないので、 より高いエネルギーを持つことに なる. それゆえ、 基底状態は縮退していない.

(二CC↑↓)を考えると、 f-)"から構成されるスピン配列 CC ↓ ↑ CC ↓ ↑ CC ↓ ↑ CC ↓ ↑ CC ↓ ↑ ・ ・ ・

と同じエネルギーをもっ

�C↓↑CO↓↑00↑↓�O↓↑CC↑↓…

のような配列も作れる. このザ及び08rの任意の組合せは基底状態にマクロな縮退を もたらす. ザ及び0.rの1スピンあたりのエネルギーは常に等しく、 ハミルトニアン のパラメータに依存していないので、 一般にこの種の縮退は磁気相図の相境界以外の 領域においても見られる.

つぎに、 1スピンあたりのエネルギーが最小である基本スピン配列ザが複数存在 する場合を考える. このような状況は常に相境界上で見られ、 マクロな縮退をもたら す基底状態におけるマクロな縮退及びそれに伴う残留エントロビーについては次節 で議論する.

2. ANNNIモデルへの適用

次のハミルトニアンによって記述される強磁性的chain間相互作用を持つ1次元・

2次元及び3次元モデルの基底状態における磁気相図を上述の基本スピン配列の方法 によって求める、

H =-'�1

�1 [

(

�1 S

ß

.t

) + J1S,ß 2+hs l

[�-�Iモデル

(�一X) H= 一

z豆ロ臼刊 ;E引声豆到 l 1 I 今 (主かSυ川川叶S九吋小λJわい)トい+リ川J川51.)βS 川7 Sし~川山:..)+刊j戸片川+吋h

(�一Y) H =

- 判 ( 2 5

jSλ

) +

J1S,.}S引戸 [�-41モデル

(�-1 0) [2-41及び[3-41モデルにおける高次のスピン間相互作用, S7512(双2次交換相互作

用)及び5i5�+ l5i+

2 (3-サイト4-スピン相互作用)は次隣接間相互作用として考えら れている6)これらの体系は強磁性的最隣接chain間相互作用を通して相互作用するz 一軸に平行なchainからなる. J。はこのchain間交換相互作用であり、10= 0の場合は 1次元モデルを表す. l及びjに関する和はそれぞれぬはlnに沿ったスピンについての 和及びxy一面内のスピンについての和を表す. kに関する和は刀一面内のJ-サイトの スピンのz個の最隣接スピンについての和を表す.例えば、z=:2は正方格子、z=4 は単純立方格子に対応する.

強磁性的chain間相互作用(ゐ> 0)の場合、xy一面内の全てのスピンは同じスピン状 態に安定化され、異なるじhainのスピン配列の間に位相のずれが存在しないと考えら れる.それゆえ、それぞれのモデルの基底状態は次のchainハミルトニアンによって 記述し得る、

H=-Z市+ 1,5i5川ベーデル

ρ

H = 一

z昨 (件千山 刊l口仏 515i+

+ 1+ 1+ 1伊卯川札25幻以仏S口叫札5幻凡7ι15 ベ

13-4吋l モデ刊印ルレ ι

H C戸=ι一 �t毛千

宇2勾町S

7 戸 +

1

川 1 5 1丸九S丘丸ιIけ川+什, + 1伊J川7汚TS幻7LL+リ+2+汁刈+

したがつて 10> 0であるとき、これらのモテソレは本質的に1次元モデルであり、磁気 相図は基本スピン配列の方法を用いて厳密に決定できる.本研究では、競合方向の最

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