• 検索結果がありません。

ー ー 竜

ドキュメント内 教化研究 No.05 (ページ 96-102)

浄土宗法式雑考

( 九 )

ー ー

北陸富山倶利迦羅不動寺・東京目白不動金乗院などが挙

③ げられ︑工芸としては奈良当麻寺奥院に国宝の経宮が伝

わっているのが好例である︒

更に龍王は准眠観音の侍者となり︑千手観音に仕える

二十八部衆にも列せられている︒奈良興福寺には天竜八

部衆像が伝わるが︑そのうち沙渇羅像が竜に相当する︒

④ また同寺には華原磐と呼ばれる究音具があって︑四頭の

竜を配した鋳物であるが︑憧幡や洪鐘の龍頭・手水舎の

竜口など︑寺院の様々な荘厳具に採り入れられている︒

同じく仏法守護の立場より︑禅宗の法堂の鏡天井

( 一

面板張りの平天井)には必ず丸龍が描かれる︒花園妙心

寺の法堂(明暦二年再建)には︑周囲を瑞雲で囲んだ円

(

e

ハ )

相内に︑狩野探幽筆の巨竜が描かれ︑寛永十三年再建の

大徳寺法堂にも同人の筆になる雲竜がある︒この

ほか

05

相国寺の播竜図(慶長十年狩野光信筆

)の

ように鳴竜と

して名高いものもある︒

伝説には︑これら護法の竜と共に︑毒竜・悪蛇の話も

多く︑それぞれ封じ込めた跡は徳島の焼山寺・慈眼寺 香川の竜水寺・奈良の竜蓋寺などの霊場となって継承さ

れている︒

インドの方でも︑大菩提寺南側の蓮華池(泳浴場)中

︿

﹀ ⑧

ミャンマーから寄贈のムチリンダ竜王像があると

央に

いうが︑釈尊降誕のときにも竜王が甘露の法雨を酒いだ

とか︑成道後七日間の禅定三昧中︑暴風雨より身を守っ

たなどと説話にこと欠かないが︑宗祖法然上人

ω

絵伝

ある

﹃勅修御伝﹄にも竜は登場する︒

上人黒谷にして︑華厳経を講じ給けるに︑あをき小ぐ

8 7  

ちなは︑机のうへにありけるを︑法蓮房信空に︑とり

てすつべきよし︑おほせられければ︑かの法蓮房︑か

ぎりなく︑くちなはに︑をづる人なりけれども︑師の

命そむきがたきによりて︑出文机の明障子を︑あけま

ふけて︑ちりとりにはきいれて︑なげすて¥障子を

たて︑けり︒さてかへりて見れば︑くちなは︑なをも

とのところにありけり︒これを見るに︑遍身にあせい

でて

︑おそろしかりけり︒上人見給て︑など︑りては

すてられぬぞと︑仰せられければ︑法蓮房しかじかと

こたへ申さる︑に︑上人黙然として︑物ものたまはざ

りけり︒其後法蓮房の夢に︑大竜かたちを現じて︑我

はこれ華厳経を︑守護するところの竜神なり︒

おそ

る︑事なかれ︑といふとおもひて︑ゆめさめにけり︒

中略

上人の披講まこといたりて︑竜神を感ぜしめたま

ひける︒ゅ︑しくぞ侍ける

︒ 栄 ﹂

第二段⑨

毎年御忌大会に︑唱導師によって古式ゆかしく読まれる

認調

文に

﹁華厳披聞の窓には青蛇化して燭を挙ぐ﹂と

あるのはこのことである︒

法然上人の師であった皇円阿闇梨は﹃扶桑略記﹄の著

一説には弥勅下生を待つために

⑪ 竜に変じたと云い︑その遺跡は遠州桜ケ池として残って 者として有名であるが︑

いる

︒また類似の伝説が信州善光寺にもあり︑山内本覚

lt院に阿闇梨池として顕彰されている︒

さて︑浄土宗寺院に於ても本山蓮華寺や天童仏向寺

(雨乞の竜神堂)のように︑鎮守として竜神を杷る所も

あるが︑これらは稲荷社・八幡社のように境内に別堂を

建てて鎮座する︒これに対し︑護法神を堂内に勧請する 例は常行堂に於ける摩多羅神もそうであるが︑比叡山西塔輪法輪堂(釈迦堂)内陣に︑山王社はじめ赤山明神等の八所明神間として奉杷せられ︑高野山にでも明神社が別に建立されてはいるが︑金堂内に高野四所明神が描かれている︒

本宗に於て念仏護法・伽藍守護のためド主 主著

‑ 一訟

手 喧

3元(一六一五}C誉高天の二竜を杷ることは周知の如く︑幡随意白道上人

の故事による︒この二竜のように異類に戒名(法号)を

授けた例は︑山口県大日比向岸寺に鯨の過去帳として保

存され︑また竜に関して云えば︑山形県鶴岡市にある善

宝寺(曹洞宗三大祈構道場之一)の竜神が前例であろう

と思われる︒

︿ 九

ih

寺伝によれば天慶・

天暦

の頃

法華経の行者開山妙達

上人のもとへ二竜神が示現し聞法したと云い︑その後総(

O1

一 一

持寺二祖峨山紹碩禅師︑延慶年間当地に留錫中︑再び二

竜現われて法脈を授けられたという︒禅師七世の法孫太︿

年浄椿禅師︑永享年間に竜華寺(善宝寺の前身)を復興 l

するが︑三たび竜神が参じたため︑この二竜にH竜道大

竜王

H H

戒道大竜女

μ

と法号を授けたというものである

⑬ 

浄土宗における幡随意上人二竜化益の縁起を︑今暫く

⑪ μ

檀林下谷幡随院志

Hによって尋ねることにする︒

遊ニ上之野州館林一慶エ善

導 寺

一去=終南山ニ里許有三龍

⑬ 淵一名一一瞬間池一然一日躍霧圏堂衆甚異レ之須奥龍王現二

堂下一忽幾レ人種レ師

日 吾 久 棲

‑ 一 深淵‑不レ轄ニ傍生一願師於

許授=蓮教一脱ニ苦報一矢

師乃

停‑

一{

示噴

忌語

続一

語審

高天

後還ニ武江一創‑如恩寺一二剃共今為

‑ L人叢林二夜女子来

謂レ師団始南山富市レ戒之龍王妾夫也浄土之生必失妾有‑一

故 障

一不

レ共

=受戒一是妾遺憾世女身罪深欲レ遂ニ夙志一和 尚以

‑ 一 大

一聴二許停法一師日未審何以馬レ信女子出ニ先龍

王之譜隊一謹レ之師感得ニ於宗戒一続一一王審妙龍一龍女受詑

機日清泰之妙果己決高思何以謝レ之師日境内乏

=清

泉一

繍 可

下湧

出甘泉一献中三

上賓龍女忽庭中供

二冷

一到レ今満

痕 盈 与 又

案 要

屋 誓 裏 目 船 護

事 室

示 法

火 及 之 師

災 芸

者 訴

雪雲 空員

ニト 持

j f

⑬之 筆 また︑妙竜水碑という見出しで

天正十壬午和尚住越之後州高田善導寺

七日別行念悌末

後 日 疾 風 迅 雨 晦 冥中 和尚 専 修 不 醸忽 有 女 子 悦 然 拝 和

.R 

法嗣

〈 乃日 我 員JI 畜 生 龍 女 願 欲頼 腕〈 譜 市 得 脱 苦 手 口 尚 即 授 乗 戒 也 住 運 開 悟 道 場 賓 相 覚 月洞 朗 故 続王

審 妙 龍又日今己願遂乃誓和尚之所住涌出清泉長簿水言畢不 今 見 龍 果 水 如此 意 也府再叫来

影像 所 安 或 南 或 北 而 清 泉又 徒 移 無 地 来 有 と触れている

更に本書には師の上足随岩の真言家との 法論がもとで惹起した法難を︑妙竜が菩薩身を現じて急 事を告げたため︑ことなきを得たとか︑林泉寺に於ける

89  ‑ 禅家との法論にも︑浄家側の勝利を快しとしない者逮の 一撲のため︑高天は竜力によって大洪水を起こし︑妙竜 は本体を現じて師を波浪逆巻く川の向う岸へ渡して追手

⑬ から逃がれさせた等︑二

竜の霊験談を載せている

⑬ 

斯かる法力をもっ霊竜であるが故に︑五重相伝開廷に 当っては

特に尊号を浄書し︑来迎柱上部

や裏堂等に奉杷

⑫ 

して加護を願ってきた

ところが未だかつて会中に︑こ の竜神に対して法楽を捧げた

ーなどとは聞いた守﹂とが

ない︒

授 戒 と 並 ぶ 厳 儀 で あ り 乍 ら 蔭 に 隠 れ て 忘 れ て し

まっているのではなかろうか︒なる程要伺や密室道場の

如く︑道場酒水によって結界するとき︑あたかも四天王

を勧請したかのように見える︒しかし竜神に関してはそ

のように思わせる所作もない︒杷った以上は会中安全

無魔成満を祈ってご法楽を捧げるべきである︒

@ 幸い︑西山深草派には次のような心得ごとが伝えられ

ているので参考までに記しておく︒

後 記 の

白 位 牌を 造り

法 要 開 始百 日 より

JI

に杷り︑毎朝浄水を供え心経三巻を請して祈れば法要

中晴天に恵まれ︑無障磁に法要を厳修する事が出来る

と伝えられている︒法要が始まれば︑法(血)脈の裏

に﹁授与

現時 間開 献﹂ と書いて位牌

の前に立

て︑

毎日

蝋燭︑線香︑花︑霊供︑供物等を供える︒法要が終れ

ば法(血)脈を︑海に近い寺院では海に流して竜王に

与える形にしていたが︑現代では海に物を流すことを

禁じられているし︑文海の

ない所も

あるので︑法要後

読経供養をして焼却するのが適当であろう︒

位牌も同

様に焼却してもよいし︑又法要が無事に勤められた感 謝と記念の気持から脇壇その他適当な所に杷って置く

のもよい︒

位 牌

竜誉高天

王誉妙竜

近年︑本宗寺院に於ても四天王を木像で杷るところが

見うけられるようになった︒そうすれば何れは二竜も彫

刻で杷る寺院もあらわれると思う︒既に奈良法隆寺では︑

金堂修理

(元禄時代)の際に上層支柱四本に昇竜

眼踊

降竜

精油 を絡ませて守護神としている例もある

︒伝説に

は世に名作とされる竜が︑夜な夜な水を飲みに寺を抜け

出したとか言う類の話は多い︒天橋立成相寺や静岡竜漕

寺には左甚五郎作と伝わる竜の彫刻があり︑小豆島霊場

には仏が滝︑西ノ滝などに竜神として木像が安置されて

いる

︒今後︑内陣荘厳の一試案として彫刻竜の場合の杷

り方も検討課題になると思われる︒

i J

以前に浄鏡に竜王尊号か又は竜王の党{子不或いはスを

書いて安置すれば良いと考えたこともあるが︑やはり紙

ドキュメント内 教化研究 No.05 (ページ 96-102)

関連したドキュメント