識できなかった場合には、そのマーカの3次元位置計測は失敗となる。マーカの中心点 の計測に成功すれば、続いて四隅の小円の位置情報を計測する。ただし実際には、小 円と大円の中間点を計測している。
このアルゴリズムが自動的に行われ、マーカの3次元位置が計測されるためには、
レーザの照射位置をシステムが自動的に認識できるかどうかが重要なポイントとなる。
ビデオカメラ ビデオカメラ ビデオカメラ ビデオカメラ レーザ
レーザ レーザ
レーザ距離 距離 距離 距離 計測器 計測器 計測器 計測器
電動雲台 電動雲台 電動雲台 電動雲台
制御用 制御用 制御用 パソコン 制御用 パソコン パソコン パソコン
USBビデオキャプチャ ビデオキャプチャ ビデオキャプチャ ビデオキャプチャ 三脚
三脚 三脚 三脚
ビデオカメラ ビデオカメラ ビデオカメラ ビデオカメラ レーザ
レーザ レーザ
レーザ距離 距離 距離 距離 計測器 計測器 計測器 計測器
電動雲台 電動雲台 電動雲台 電動雲台
制御用 制御用 制御用 パソコン 制御用 パソコン パソコン パソコン
USBビデオキャプチャ ビデオキャプチャ ビデオキャプチャ ビデオキャプチャ 三脚
三脚 三脚 三脚
図 3.1: MAMSの外観
ところで、日本の都市部における持ち家の1住宅あたりの平均敷地面積は、140m2〜 200m2程度である[27]。そのため、住宅景観シミュレーションシステムのための拡張現 実感におけるトラッキングでは、住宅の全体像を見渡すことを考えた場合、図3.5に示 すように、マーカとカメラの距離が10m〜15m程度の遠距離となる。このような遠距 離であってもマーカがカメラで認識できるようにするには、マーカのサイズを大きく しなければならない。
トラッキングのみを考えた場合、全てのマーカを遠距離に設置するのではなく、図
USBCAP2 USBキャプチャ
電源 USB serial
USB HUB
USB serial USB serial
IN VISCA
S-VIDEO
電源 制御用制御用制御用
制御用パソコンパソコンパソコンパソコン
ビデオカメラ
レーザ距離計測器
駆動雲台
図 3.2: MAMSのハードウェア構成
レーザ光
図 3.3: レーザ照射位置を特徴点に合わせる過程
図 3.4: レーザ照射位置の探索
住宅敷地 140㎡~200㎡ 道路
10m
~15m
10m
~15m
図 3.5: 住宅景観シミュレーションシステムにおけるマーカの配置
3.6に示すように、ユーザの立ち位置に応じてカメラから近い場所にマーカを置くこと で小さいマーカでもトラッキングが可能となるが、この場合には遠方のマーカをカメ ラで認識することができないので、自動計測は計測器の設置場所を変えながら複数回 行う必要があり、煩雑になってしまう。
住宅敷地 140㎡~200㎡ 道路
10m
~15m
10m
~15m
小さすぎて 遠くからは 見えない
図 3.6: 小さいマーカを用いる場合のマーカの配置
そこで本研究では、遠距離からでも認識可能な大きなマーカを用いることとする。
ここで、屋外で大きなマーカに対しMAMSを使用した際に、自動計測の妨げになる と考えられる要因を以下に挙げる。
問題点1 現在のMAMSのアルゴリズムでは、レーザの照射位置を認識するためにカメ ラをズームする際に、カメラにマーカの全体が写っている必要があるため、マー カのサイズが大きくなると、図3.7に示すようにカメラ画像上でのレーザ光が相 対的に小さくなり、レーザの照射位置を認識できない。
問題点2 太陽光の環境下では、太陽光がマーカに強く反射し、図3.8のようにカメラ 画像ではマーカが全体的に白く写ってしまい、マーカとして認識できない。これ はトラッキングにおいても問題となる。
問題点3 太陽光の環境下など、照度が非常に高い環境では、図3.9に示すようにレー ザ光が相対的に弱くなるため、レーザの照射位置を認識できない。
これらの問題点が原因で、屋外でのマーカの3次元位置自動計測は失敗する確率が 高いと考えられる。
レーザ光 カメラ画像中では
レーザ光が相対的に小さくなる レーザ光
図 3.7: 問題点1:マーカが大きいと相対的にレーザ光が小さくなる
3.1.2 問題点の確認
3.1.1項で述べた問題点1に関して、実験によりどの程度の大きさのマーカまでなら 自動計測が可能であるのかを調べた。
マーカが全体的に白っぽく写ってしまう
図 3.8: 問題点2:屋外では太陽光の反射が強くマーカが認識できない
レーザ光が相対的に弱くなる レーザ光
図 3.9: 問題点3:屋外では相対的にレーザ光が弱くなる
実験を行った際のマーカと計測機器の配置を図3.10に示す。実験は室内で行い、マー カは紙に黒のインクで印刷した。マーカとMAMSの距離は8mとした。マーカの面照 度は300Lux程度であった。マーカ1はMAMSに対してマーカが正面を向く位置に配 置し、マーカ2はMAMSに対して斜め45◦に向く位置に配置した。各マーカの半径は、
15.0cmから22.5cmまで2.5cm間隔で変化させた。各マーカ半径毎に5試行づつMAMS を用いてマーカ位置の自動計測を行った。
結果を表3.1に示す。○は全ての特徴点の計測に成功したことを示し、△は大円の中 心点の計測には成功したが小円の計測には失敗したことを示す。×は大円の中心点の 計測に失敗したことを示す。なお、自動計測開始から120秒経過しても一度もレーザ 距離計測器のレーザ照射位置を認識できない場合には計測に失敗したとみなした。