前回は、放射線について学びました。今回は、現在その処分が問題になって いる、原子力発電所で出る危険な“放射線を出す”ごみについて学びましょう。
1. 原子力発電の燃料
原子力発電では、ウラン(元素記号 U)という鉱物を加工したものを燃料と して使います。ウランを加工して燃料ペレットを作ります。この燃料ペレット を、金属の筒の中に詰め込み、燃料棒を作ります。原子力発電では燃料棒をま とめたもの(燃料集合体)を使って発電しています。
写真:ウラン鉱石 写真:燃料ペレット(原寸大)
(画像提供:日本原燃㈱) (画像提供:日本原燃㈱
)
図:燃料棒と燃料集合体
(引用:関西電力HP「原子力発電の概要」)
http://www.kepco.co.jp/energy_supply/energy/nuclear_power/shikumi/kakubunretsu.html
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2. 使用済み燃料の 5%は再利用できません
原子力発電で使われた核燃料(使用済燃料)は再処理工場へ運ばれ、溶かし た後、再利用できるものと再利用できないものに分けられます。
使用済燃料の約 95%は再び原子力発電で燃料として使うことができますが、
残りの約 5%は再利用できません。この再利用できないものは液体で、強い放
射線を出すためとても危険です。この廃液を高レベル廃液といいます。とても 強い放射線を出すため、普通のごみと同じように処分することはできません。
特別な処分が必要です。
図:使用済燃料の再処理
(引用:経済産業省「高レベル放射性廃棄物の最終処分に向けた新たな取り組み」)
考えよう:使用済燃料を再処理した時に残る非常に危険な廃液(高レベル廃液)
を、あなたならどのように処分しますか。
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3. 危険な廃液は“ガラス”と混ぜ合わせて処分します
日本では、高レベル廃液を溶かしたガラスと混ぜ合わせ、ステンレス製の容 器の中で冷やし固めた状態で処分します。これをガラス固化体といいます。ガ ラスには、高レベル廃液をきちんと取り込んでくれる性質があり、長い期間水 に溶けにくく、安定した状態を保つことができます。そのためガラスが選ばれ ました。
図:ガラス固化体の製造過程
(引用:電気事業連合会「原子力・エネルギー図面集2015」)
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4. ガラス固化体は安全になるために非常に長い期間が必要です
ガラス固化体は、完成時の表面温度が非常に高温(200℃以上)で、強い放 射線を出すため非常に危険です。しかし、時間が経つにつれてゆっくりと温度 が下がり、放射能も弱くなっていきます。しかし安全なレベルになるまでには、
数万年という非常に長い時間を要します。
図:ガラス固化体の放射能の変化
(引用:電気事業連合会「原子力・エネルギー図面集2015」)
5. このごみを“高レベル放射性廃棄物”といいます
高レベル廃液とガラス固化体を、高レベル放射性廃棄物といいます。海外で
は、使用済燃料を再処理せずに処分する国もあり、そのような国では、使用済
燃料も高レベル放射性廃棄物と呼んでいます。
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6. 高レベル放射性廃棄物はどれくらいあるの?
2016 年 3 月末現在、日本には 2,300 本のガラス固化体があり、青森県六
ヶ所村に 2,044 本、 茨城県東海村に 256 本貯蔵されています。 また約 17,000
トンの使用済燃料が再処理工場や全国の原子力発電所に貯蔵されており、これ らを再処理し廃液をガラス固化体にすると、今ある分と合わせて約 25,000 本 になります。これは現在までに発電した分のガラス固化体であり、今後も原子 力発電を行えば更にガラス固化体の量は増えます。将来的には、平成 30 年の
段階で約 40,000 本のガラス固化体を処分しなくてはならなくなると予測さ
れています。
写真:使用済燃料の貯蔵施設 写真:ガラス固化体の貯蔵施設
(画像提供:日本原燃㈱) (画像提供:日本原燃㈱)
青森県六ヶ所村にあるガラス固化体の貯蔵施設では、2,044 本のガラス固
化体が貯蔵されています。しかしこの施設の貯蔵容量は 2,880 本しかありま
せん。今後全てのガラス固化体を保管するためには、さらに多くの貯蔵施設を
建設する必要があります。またガラス固化体が安全なレベルになるまで、人間
が数万年という非常に長い期間管理し続けなければなりません。
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考えよう:現在、ガラス固化体は人間の生活環境の中で管理(地上管理)され ています。あなたなら、今後も地上管理を続けますか。それとも、人間の生活 環境の外に処分(隔離処分)しますか。
自分の考えを書こう
地上管理 ・ 隔離処分 理由
話し合おう
参考になった意見
改めて自分の考えを書こう
地上管理 ・ 隔離処分
理由
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ドキュメント内
高レベル放射性廃棄物の処分問題に関する 教材の開発と効果の分析
(ページ 136-142)